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6/26/2024, 12:13:01 PM

いつものように学校に行って、いつものように静かに座っている君にちょっかいをかける。

君はうざがりながらもいつものように付き合ってくれて、いつものように笑いあった。

休み時間はいつものように他愛もない話をして、
次の時間割りにはいつものようにうんざりして、
昼休みはいつものように二人っきりで屋上で食べて、
掃除の時にはいつものように先生にばれないようにふざけあって、

帰りにはいつものように肩を並べて帰る。



分かれ道で、いつものように名残惜しさを残しながら、誰よりも長いバイバイをする。

そうして、姿が見えなくなった頃に、やっと家路についた。




次の日から、君は来ることはなかった。



【君と最後に会った日】

6/25/2024, 11:13:44 AM

彼は私に触れる直前、いつも微かに指が震えます。
そうしてためらいがちに、そっと、そっと触れるのです。


私が壊れることが怖いのでしょうか。彼は私のことをまるで硝子細工の花のように扱います。



壊れる心配なんてないのに。
「私」はとうに壊れているのですから。
けれどなんだか、その行為によって「私」が修復されているような感じがして、それに甘えてしまうのです。






心を失くした人間と、彼女を愛する人間のお話。


【繊細な花】

6/24/2024, 10:36:28 AM

今日は一年で一番素晴らしい日。

ケーキを切って、蝋燭の火を消して。
今日までの1年を生きたことをお祝いするのです。



パーティーが終わって、部屋が静かになって、二人分の呼吸だけが耳に響いて。
時計が明日を告げたころ。

1年後もお互いの心臓が生きていることを願って。
私は彼の少し長い髪の毛を撫でたのでした。





【1年後】

6/22/2024, 2:49:19 PM

何度も壊れた日常。
欠片を拾い集めて、何度も修復しては、壊されてきた。
それでも諦めずに何度も何度も、組み立てて、貼り合わせて、補強して。


そうしてやっとバランスを保っている今。
やっと幸せを見つけた今。


この「今」がまた壊れるのが怖くて、思わず隣にいる君の手を握った。








【日常】

6/21/2024, 12:43:25 PM

同じ色のものを揃えて使うこだわりのある友達が、最近イメチェンならぬ、色チェンをした。

前は薄い水色の文房具がずらりと揃っていたが、突然紫色のものに一新されていた。
しかも、ちょうど私の目の色と似たトーンのものばかり。

よくこんなに集められたなと思いながら、話を切り出してみる。

「色変えたね」
「うん」
「今度は紫なんだ」
「うん」
「でも明るい色好きだったじゃん、何でまた暗い色に?まさか、私の目の色だから?」
「そうだよ」
「え、ド直球」
「ダメなの?」
「いえ全然」
「…でも、なんかイマイチなんだよね。『本物』じゃないっていうか」
「え?どういう」

「やっぱり、『あんたの目の色』が一番好き」

「……」


この友達に絶賛片思い中の私は、内心昇天していた。

目の色って、同じ人、きっといないよね。
その世界に一人だけの色を、「好き」って言ってくれたんだよね。


こんなの、告白じゃん。






【好きな色】

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