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彼は私に触れる直前、いつも微かに指が震えます。
そうしてためらいがちに、そっと、そっと触れるのです。


私が壊れることが怖いのでしょうか。彼は私のことをまるで硝子細工の花のように扱います。



壊れる心配なんてないのに。
「私」はとうに壊れているのですから。
けれどなんだか、その行為によって「私」が修復されているような感じがして、それに甘えてしまうのです。






心を失くした人間と、彼女を愛する人間のお話。


【繊細な花】

6/25/2024, 11:13:44 AM