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7/19/2023, 6:34:13 AM

〔お題:私だけ〕
【タイトル:ちがう】


昼休み。友人と弁当を食べていたら、後ろのほうから騒がしい声が。
どうやら恋バナをしているらしい。

彼女がどうとか、アイツ可愛くねとか。


「毎日毎日よく飽きねえな」
「…え、毎日あんな話してたの?」
「おん、そうだけど?」
「ごめん全然気づかなかった。集中してて」
「あんな騒がしいのにまじかよ…食い意地張りすぎだろ、小食のくせに」
「…」

ちがうんだ。僕が集中してたのは食事じゃなくて、君との会話だよ。君のことを考えるのに集中してた。


ちがう。僕は周りとちがう。
女性には正直興味がなくて。恋はしてるけどその対象は目の前の君で。

昔から色々な場面で僕だけ周りと違ったり、ずれてると思うことがあった。それを面と向かって言われたこともあった。
あの時は必死に否定していたけど、君に出会ってからそれが事実だということを嫌でも突きつけられたんだ。

君を恨んだりはしないよ。ただ自分が情けないだけ。



「ごめんね」
「何が?」
「…いや、何でも」


この気持ちはいつかちゃんと諦めるから。
でも、卒業するまでは、好きでいさせてね。

7/7/2023, 11:25:05 PM

〔お題:七夕〕
【タイトル:叶わない願い事】


七夕。はるか空の彼方で、織姫と彦星が会えるただ1つの日。

そんな七夕に願い事をかくと、それが叶うというが、私はあまり信じていない。




だって、「あの人が帰って来ますように」という願いは、何年経っても叶わないのだから。


それでも必ず七夕にそれをいっそう強く願ってしまうのは、信じていないことを陰に否定したいからなのだろうか。

6/7/2023, 12:01:42 PM

〔お題:世界の終わりに君と〕
【タイトル:君の側で】



世界の終わり、か。
気にしたことはないよ。

だって、世界どころか、自分の人生だっていつ終わるか分からないんだから。



まあもし終わるなら、どんな状況であれ、君がそばにいてくれればそれでいいかな。



何でって?

好きだから。







つい、思い出してしまった。
あなたがこんなこと聞いてくるから。

「…どうして、僕と付き合ってくれたの?」

緩くなっていた手を握り直して答えた。

「…あんな告白されて、好きにならないわけないでしょ、バカ」



「そっか、ありがとう」
彼が優しい笑顔を浮かべる。

「…言い出しっぺはあなたなんだから、私たちの世界が終わるまで、絶対離れないでよね」


「ご安心を、終わったとしても離れたりしないので」


「ふふ、何よそれ…」



そうね、絶対離れたりしない。例え世界が終わろうとも。




私の、最愛の人。

6/5/2023, 12:26:44 PM

〔お題:誰にも言えない秘密〕
【タイトル:ボクの秘密】



え?ボクに秘密があるのかって??



もうないよ。






お前らに全部バラされたから。











あ、でもあとひとつだけあった。それはね…






        ヒミツダヨ。



_____________
↓もう一本書こう…



誰にも言えない秘密?
それを話してどうなるの?


隠してるから秘密なんであって、話したら秘密じゃなくなるじゃん。
だから話せないよ。


ハイ、この話はおしまい。





最後のセリフ、語り手と筆者のどっちのセリフなんでしょうかね、、書いてて思った…

6/3/2023, 1:02:04 PM

〔お題:失恋〕
【タイトル:好きの意味】




昔から、よく僕に「好き」と言ってくれた幼なじみの彼。
あまりに僕にばかり「好き」を言ってくるので、僕は彼のことを好きになってしまった。

けれど、それは解釈違いだったみたいだ。


この間の放課後、忘れ物を取りに教室に行った時、こんな会話が聞こえた。


「お前ってさ、ホントにアイツのこと好きだよな~」
「なんだよ突然…なんか悪いかよ」
「いんや、そろそろ告ったりしねえのかなって」
「そ、そんなんじゃねえし!弟みたいで好きってだけだし!!」
「ホントか~ぁ??」



僕にとっては誰よりも大切な存在だったのに、彼にとっての僕は自分の弟と同等の存在だったんだ。それを自覚したときの急に心がしぼんだような感覚を鮮明に覚えている。

人生で、初めての失恋。


「こんなに、くるしいんだ…」


でも考えて考えて、やっと吹っ切れた気がした。
告白するだけして、すっぱり諦めてしまおう。

だから今日、放課後の屋上に彼を呼び出した。

「…どした?話って」
「うん…率直に言わせてもらうけど、僕、君のことが好きだったんだ」
「…え、俺?」
「うん…でも、君はそうじゃないみたいだから諦めようとおもって。弟みたいなんでしょ?僕」
「っ、それは…」

困ったように顔が歪む彼に未だ胸を痛めながら心を鬼にして言葉を続ける。

「…僕ね、君も僕のこと好きなんだとおもってたんだ。好きって、言ってくれてたから。でもそれは弟みたいな存在としての『好き』だったんだよね」
「…ちが」
「勘違いしちゃってごめんね。これからもいい友達でいよう」

泣きそうになる顔をうつむかせて、彼の横を通りすぎる。
これでいいんだ。元に戻ろう。そう言い聞かせて。




「勘違いじゃねえよ…」

屋上の扉を出るとき、彼が何か言った気がしたけど、気にする余裕なんてなかった。





ハピエンまっしぐらの勘違い失恋
彼は今まで必死にアプローチしてましたがね
弟っていうのは単にばれたくなくて誤魔化してただけ(けどバレてる)

焦った彼が「僕」くんを呼び出して大告白するまで、あと少し。

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