「バカみたい」
わかってる、バカみたいだって。
こんなバカな男を信じてついてきて、結局騙されて。
友達とかに親とかからの信頼を失って、時間もお金も無駄にした。
何一つ得るものはなく、満足も安らぎも得られずに、失った物は数え切れず。
何で信じたんだろう?
何で気づかなかったんだろう?
悩んでも、悔やんでも、なかった事には出来ず、ただただ後悔の渦に飲み込まれていく。
信じたかったの。
ふとした時にに見せる、子供みたいな笑顔を。
助けたかったの。
ありきたりだけど、捨てられた仔犬の様な、縋り付く瞳を。
信じたかったの。
救いたかったの。
始まりはただそれだけだったのに。
いつからかそれが見せかけだとわかった。
それが手口なんだって気付いた。
でも、気付いた時にはもう、独り占めしたい程貴方に溺れてた。
自分では、どうしようも出来ない程になってたの。
だから……だからね。
このバカみたいな鎖を断ち切るには、こうするしかなかったの。
鎖も、貴方も、まとめて断ち切るしかなかったの。
そして、私が選んだ答え。
これでもう、誰にも貴方を取られない。
冷たくなった貴方を抱きしめながら、もう二度と貴方の温もりに触れられない事を悔やみながら、それでも何処かで安堵して微笑む私。
ホントに私、どうしょうもないくらい、バカだよね……
「二人ぼっち」
完全に一人ぼっちなら、失う物がなくなる分、怖くない。
でも、二人ぼっちは、一人ぼっちになる怖さがある。
温もりを覚えた分だけ余計に、一人になった時の淋しさを想像し、恐怖する。
どうして人は一人では生きられないのだろう?
生まれる時も死ぬ時も、誰かが側に居たとしても結局は一人なのに、その間の人生は、決して一人では生きられない。
何と不安定で、淋しくて、ちっぽけで、情けなくて。
でも、だからこそ。
何て温かくて、素晴らしい生き物なのだろう。
寄り添う事の尊さを知っているのだから。
「夢が醒める前に」
夢が醒める前に、貴方に伝えたかった。
「有難う」と。
「愛している」と。
「今でも……」と。
でも、現実で言えなかった言葉は、やっぱり夢の中でも言えないままで。
きっと私は、ずっとこの後悔を抱えながら生きていくのだろう。
夢にまで見る程に悔やみながら、どうしようも出来ずに。
振り返っても悩んでもどうにもならないのに、ずっとこの後悔の檻から抜け出せずに。
「胸が高なる」
明日はお休み。
ただそれだけで胸が高なる。
私はそんな安い女ですが、何か?
「不条理」
この世の中は不条理だらけだ。
頑張っても報われない。
真面目な人が、損をする。
自分勝手で「言ったもん勝ち」みたいな、声の大きい人の意見だけが反映され、地道に頑張った人の努力は踏みにじられ、搾取される。
小さい事だけど、キチンと並んだ順番を抜かされる。
駐車場に放置されてるショッピングカートを、他の人の邪魔にならない様に、自分の時間を使って片付ける。
でも、やった側の人は気づかないし、知らないし、きっと何処でも同じ事を繰り返して、人に迷惑をかけ続ける。
何て不条理で、理不尽な世の中なんだろう?
どうして、頑張った人が報われないんだろう?
そんな疑問を胸に抱きながら。
それでも私は、頑張る事を止めないし、正しく生きる。
自分だけがズルく生きて得をするのは、違うと思うから。
第一、人を踏みにじった上での得なんて、「徳」ではない。
一時の得を求めて、自分の良心や矜持を自分で裏切りたくない。
だから私は、この理不尽な世の中で、向かい風に立ち向かいながら、真っ直ぐに生きていく。