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「バカみたい」


わかってる、バカみたいだって。
こんなバカな男を信じてついてきて、結局騙されて。
友達とかに親とかからの信頼を失って、時間もお金も無駄にした。
何一つ得るものはなく、満足も安らぎも得られずに、失った物は数え切れず。

何で信じたんだろう?
何で気づかなかったんだろう?

悩んでも、悔やんでも、なかった事には出来ず、ただただ後悔の渦に飲み込まれていく。

信じたかったの。
ふとした時にに見せる、子供みたいな笑顔を。
助けたかったの。
ありきたりだけど、捨てられた仔犬の様な、縋り付く瞳を。
信じたかったの。
救いたかったの。

始まりはただそれだけだったのに。

いつからかそれが見せかけだとわかった。
それが手口なんだって気付いた。
でも、気付いた時にはもう、独り占めしたい程貴方に溺れてた。
自分では、どうしようも出来ない程になってたの。

だから……だからね。

このバカみたいな鎖を断ち切るには、こうするしかなかったの。
鎖も、貴方も、まとめて断ち切るしかなかったの。

そして、私が選んだ答え。
これでもう、誰にも貴方を取られない。

冷たくなった貴方を抱きしめながら、もう二度と貴方の温もりに触れられない事を悔やみながら、それでも何処かで安堵して微笑む私。
ホントに私、どうしょうもないくらい、バカだよね……

3/22/2026, 10:27:16 AM