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12/24/2024, 1:56:22 PM

「イブの夜」


イブの街はまるで、恋人達や家族のいる人や、兎に角誰かと一緒に過ごせる人の為にある様な、そんな賑わい。
街ゆく人々も浮かれてる様に見える。
皆が足取り軽く、自宅や待ち合わせ場所に向かってる。

そんな中、私は一人。
去年のイブは貴方の隣に居て、来年もさ来年も、この先もずっと貴方と過ごせると思っていた。
この幸せが、永遠に続くと思っていた。

でも、当たり前だけど、永遠なんてなくて。
ついこの間までは私の場所だった貴方の隣が、腕の中が、違う誰かの専用席になり。
ついこの間までは私に愛を囁いていた唇が、他の人に愛を囁き。

貴方と別れてから、何人かから口説かれた。
でも、駄目だった。
どこに居ても、誰といても、何をしても。
貴方と比べて余計に貴方が恋しくなるだけだった。
貴方と違う顔が、声が、匂いが、全てが。
納得いかず、余計に自分が苦しくなるだけだった。

そんな位なら、と仕事にかまけたり、趣味に没頭したりして、貴方の事を考えない様にしてた。
でも、こうやってふっと気が抜けると、駄目。

街ゆく人の中にも貴方を探してしまう。
貴方の笑顔、声、仕草、匂い、囁いてくれた言葉、歌ってくれた歌。
全てを忘れていない。全てが忘れられない。

だから、私はイブもやっぱり一人で過ごす。
こんな気持ちでは誰とも過ごせないから。

いつか、誰かと、心からの笑顔で過ごせる、そんな日が来るまでは。

12/23/2024, 10:58:53 AM

「プレゼント」


神様が、私にくれたプレゼント。

健康な身体。
ポジティブな考え方。
努力する才能。
恵まれた親。
素晴らしい友達。

もう、考えたらキリがなくて、一つ一つなんてとてもあげられない。

でも、一番のプレゼントは。
この、ちっちゃな、可愛い、娘。

おバカだし、反抗期で口ばっか達者な割に行動が伴ってないけど。

でも。
親バカだって分かってるけど、私にとっては、世界で一番可愛い子。
神様からの、最高の、最大の、プレゼント。

神様、有難うございます。

12/22/2024, 12:03:00 PM

「ゆずの香り」


柚子の香りって、子供の頃はそんなに好きじゃなかった。
たまに銭湯に行くと柚子湯の日とかがあって、浴室内に柚子の香りが漂ってて。
香りは好きじゃないんだけど、子供だからネットに入って浮かんでる柚子が何だか面白くて、捏ねくりまわしてた思い出がある。

でも、大人になると柚子の香りが好きになった。
何なら味も好きになって、柚子味噌とか、〇〇の柚子風味とかは今はもう大好物。

柚子に限らず、味覚も嗅覚も、子供の頃とは変わってきて、嫌いだった物が好きになったり、逆に好きだった物がちょっと嫌になったりする。

人もそう。
苦手だった人が、実は不器用なだけのいい人だって気づいて好きになったり。逆に好きだと思ってた人が、表面だけ良い裏表のある人だとわかって嫌いになったり。

大人になる事で、初めて見える世界や表情があるけど、それは大人にならないとわからないから。
だから、自分が子供の頃は言われてもピンと来なくて、反発したりもしたけど。
今になったら色々わかる事も出てきて、ちゃんと話聞けば良かったな、って思う事もある。

でも、そうやって失敗をしてきたからこそ気づけた事なんだと思うし、そうやって成長出来たのかな?って思う。

きっと、今の自分の色んな事も、何年、何十年先には「もう、あの頃の私ってばホントに!!」って、赤面物な事が山程あると思う。
でも、逆に言えばそうなれるよう、今の自分よりは成長していたいと思う。
今の私が、見えない·聞こえない·気づかない事に気づける自分に、なっていたい。

12/21/2024, 11:09:15 AM

「大空」


あの大空の様に、広い心でいられたなら。
そうしたら、今でも貴方と一緒に過ごせて居たのだろうか?

全てを飲み込んで、受入れて、許して。
貴方と離れる事と比べたら、許す事位、大した事じゃなかったのかもしれない。

でも、それじゃ、私が私でなくなる。
ちっぽけだけど、私の矜持が。
私が私で居続ける為には。
許すべきじゃなかったし、到底受け入れられなかった。

後悔する瞬間も、ゼロじゃない。
1人泣く日も、まだある。
でも、私が私に嘘をついて、自分を誤魔化す位なら。
自分の信念や考え方を曲げる位なら。

私は心が狭くても、自分でいたい。

12/20/2024, 10:50:16 AM

「ベルの音」


鳴り響く非常ベル。
でも、皆訓練か誤作動か悪戯だと思って、慌てる人はいない。
平和ボケしてるからなのか、現実を受け入れたくない気持がそうさせるのか。
理由はわからないけど、見事な位緊張感ない。

でも、これは訓練じゃない。
きっと、火が出てる事を、私は知ってる。

あの男は言った。
「お前が居ないと、俺はどうすればいいんだ?お前が居ないと、俺は生きて行けない。」

いつも、私に依存する男だった。
そのクセして、全てを私のせいにして、私が勝手に罪悪感を抱く様に仕向けてた。
こんな男に、いい様に操られてた、騙されてた自分が馬鹿らしいし、恥ずかしい。
やっと目が覚めて、その事に気づいた。

だから、縁をぶった切った。
そしたら、あのセリフ。
もう、心の底からどうでも良かった。
兎に角、目の前から消えて欲しかった。

「好きにすれば?もう私に関係ないし。」
あの男は、持っていたタバコを落として。
薄汚れたスニーカーの上に落ちて、うっすら煙が出てた。

それも無視して、その場を立ち去った。
呆然としてるあの男は、気づかないかもしれない。
火が、出るかもしれない。

未必の故意。
そして、その結果、鳴り響くベル。

周囲の喧騒がざわめきに変わり、やがて阿鼻叫喚に変わる。
他の人を巻き込みたい訳じゃなかった。
ただあの男に視界から消えて欲しかっただけなのに。

どこまでバカな、自分勝手な男なんだろう。
私は、どこまで愚かなんだろう。

あの男に植え付けられた罪悪感からは解放されたけど、今度は自分の行動が起こした事の罪で、身動き出来なくなった私がいる。

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