「夢と現実」
学生の頃は、将来の事とか、好きな人とか、生き方とか、全てに希望があり、夢を語ってた。。
それは、夢であり、理想であり、諦めずに頑張れば、きっと将来掴める筈のモノだと思ってた。
だから、夢を諦めて現実に日和ったり、「生活が、子供が、」とか言って、冴えない現実を誤魔化す様な大人にはなりたくないって思ってた。心の中で、馬鹿にしてた。
でも、大人になって。
やっと。わかった。
皆、日和った訳でも、誤魔化した訳でも、逃げた訳でも、諦めた訳でもない。
ただ、あの頃とは環境も、立場も、目線も変わった。
そして、自分の夢や理想よりも、もっと大切な存在が出来て、その為に自分を曲げる位何て事ないって、思える様になっただたけなんだね。
そんな簡単な目の前の事実に気付かず、イキってた自分が、恥ずかしい。
あの頃の自分を叱りたいし、あの頃馬鹿にした大人に謝りたい。
今は、毎日の現実に追われて色々大変だけど。
昔と同じ様な理想は語れないけど。でも。
決して理想を捨てた訳じゃないし、これからもその時その時の、自分の夢を、理想を語ればいいと思うし、語って行く。
綺麗事でも、語る理想すらない様じゃ駄目だと思うから。
現実を、夢や理想を諦める口実にはしたくないから。
だから、これからも。
何よりも大切なモノの為に、夢や理想を語っていきたい。
そして、それを現実に近付けていく努力を、続けたい。
「さよならは言わないで」
今日が、貴方との最後の日なんだね。
振り返ると、数え切れない程の想い出が溢れてくる。
初めてのデート。
お互い緊張して喋れないから、会話がなくても成り立つ映画に行って。その後は、映画の感想を語り合って。
時々お互いに見つめ合って、恥ずかしくて視線をそらしてたね。
初めてのキス。
私も震えてたけど、貴方はもっと震えてた。
人って温かいんだなって、思った。
初めての喧嘩。
腹が立ってしょうがないんだけど、このまま終わるのは嫌だって、思った。
そこからも、沢山の初めてがあった。
その内、初めてじゃない事も増えていって、どんどん思い出の上に思い出を重ねてた。
結婚式の時の誓い。「病める時も健やかなる時も」の通りに、いつも貴方と一緒だった。
毎日の生活で手一杯で、ただがむしゃらに働いてた時もあった。
子育ての方針で、意見が合わずに話し合った日もあったね。
そんなこんなで長い年月が過ぎて、子供たちも巣立って。
そして、又二人だけになって、二人の時間を過ごしてたね。
でも、お互い長い年月を過ごしたから。
そろそろお別れの時みたい。
きっと、私に明日は来ない。
でも、本当に幸せだった。
貴方と出逢えた事、貴方を好きになった事、貴方に愛された事。
子供たちに巡り会えた事、孫の顔まで見れた事。
そして、その愛する人たちに、今囲まれている事。
ちゃんと、意識があって、私が私でいられる内に、最後に皆に会えた事。
本当に幸せだった。
こんなに幸せでいいの?って思う位。
こんなに幸せなんだから、さよならは言わないで。
私も言わないから。
私が言いたいのは、さよならじゃないの。
私が言いたいのは、この言葉だけ。
「有難う。本当に有難う。みんな、大好きだよ。」
「光と闇の狭間で」
自分の中の、天使と悪魔がケンカしてる。
「ちよっと、そこまで真面目にしなくていいよ。手ぇ抜きなよ、皆やってるよ?」悪魔が闇の中から囁く。
「駄目だよ、皆がやってるからって、正しいって事じゃないよ。やるべき事をやらないと落ち着かないでしょ?」天使が光の中から囁く。
基本的には、天使の言う通りにしてる。
だって、手抜いて困るのは結局自分だし、自分を誤魔化して「大丈夫!!」って言ってても、心の中では落ち着かない。
そんな、落ち着かない気持ちを抱えて居る位なら、ちょっとしんどくても、自分を誤魔化さずにキチンとした方がスッキリする。
自分でも、つくづく損な性分だと思う。
不器用で、要領も悪いと思う。
人に搾取されて、疲れ果てる時もあるし、怒りに支配されてしまう時もある。
闇落ちして、暫く立ち直れずに、何もかもが嫌になる時もある。
良い意味での適当さはないのに、ある日疲れ果てて、悪い意味でいい加減になってしまう時もあって、自分でもホントに駄目だなって思う時もある。
けれど、いつも一生懸命頑張ってる自分は、嫌いじゃない。
損でも、要領悪くても、みっともなく足掻いてても、それが私だから。
光と闇の狭間に居る時もあるけど。
でも、光も闇も、善も悪も、全部飲み込んで、その上での私だから。
一所懸命、一生懸命、生きて行く。
「距離」
昔は、貴方との距離はもっと近かった気がする。
お互いがお互いを思い遣って、気遣って。
だから、物理的な距離が離れていても、心の距離は凄く近く感じていて、何処に居ても貴方を感じる事が出来ていた。
でも今は。
いつの間にか2人の距離は凄く離れて。
物理的には近くなった分、遠慮がなくなってお互いに思い遣れなくなったし、気を遣う事もなくなった。
そして、そんな日々が続く内に、もう戻れない所まで来てしまった。
少し前までは、それを淋しくて思ったり、悲しく思ったりした。
でも、今では、そんな事を思う程の気持ちもなくて。
いつからか、怒りや苛立ちとか、呆れとか、マイナスの感情以外で、貴方に対して心が動く事がなくなった。
心底どうでもいい、という気持ちが先立つようになった。
距離感て、難しいと思う。
近すぎても、遠すぎても、間違えてしまう。
でも、お互いがお互いを大切にさえ思っていれば、きっと乗り越えられる。
気付いた時には遅いかもしれないけど、でも、やり直す事は出来るかもしれない。
やり直せるか、やり直せないか。
やり直すか、やり直さないか。
選ぶのは自分だから、自分の気持を信じて、進めばいいと思う。
「泣かないで」
一体誰が君を泣かせてるの?
泣かないで。君が泣いてたら、僕まで悲しくなる。
君の涙はアイツの為?アイツのせい?
どっちにしろ、僕の入る余地なんてないよね?
それはわかってる。
痛い程、わかってる。
ただ、僕は君の涙を止めたい。
君に、幸せで居て欲しい。
君に、いつも笑って居て欲しい。
その相手が僕じゃなくていい。
ただ、君が幸せで居てくれたら、それでいいから。
僕には、愚痴を聞いたり、慰めたり。
そんな事位しか出来ないけど。
それで、少しでも君の気持ちが軽くなるなら。
僕が君を受け止めるから、その間は泣いてもいいから、それで、気持ちが落ち着いたら、もう泣かないで。
いつもの君の笑顔を見せて。
いつも、君の幸せを、祈ってるから。