1/21/2024, 10:08:09 AM
夜夜中。珍しく、恋人が覚醒した。
「どうしたんだ?」
「いつも、同じ夢を見るんだ」と、彼女は言う。
暗黒の学生時代のことを夢に見ることが多いらしい。
「起きると、もう学生じゃない事実に安心する。それに、今は、君が隣にいるし」
俺の腕を抱き締めて、もう一度眠りについた。
その様子に満足しながら、恋人の長い黒髪をすく。
1/20/2024, 10:43:03 AM
海深くにいたのは、美しい人魚姫。ではなく、恐ろしい海の魔物だった。
海上で美しい歌声を響かせ、いくつもの命を刈り取る化物。
その海の魔女に、少年は、恋をしてしまった。
小舟を出して、彼女の歌声を辿る。
濡れた長い黒髪の化物は、すぐに見付かった。
少年が手を差し出すと、意外にもその手を取る。
そして。叫び声を上げて、手を離した。その手は、火傷している。
ああ、一緒にはいられないんだな。
少年は、悲しみに沈んだ。
1/19/2024, 10:32:41 AM
会うことに、理由をつける必要がなくなった。
私は、君を特別にしたから。
ランダム商法や通販競争に泣かされた時も、推しをガチャで引いた時も、君が傍にいてくれた。
薄情な私から、特別な君へ。愛してるから、独りにしないでね。
1/18/2024, 10:08:34 AM
中学生の頃から、日記をつけている。
ほとんどは紙ではない。スマホのメモアプリに書いている。
目の前が暗くなっていく中、私は一生懸命に文章を綴った。
“ほんとうは君の手をとりたかった”
さよなら。私の意識は、血溜まりの海に沈む。
1/17/2024, 10:16:18 AM
寒風が、もうあまり若くない体を撫でた。
いや、私は不老不死になる予定なので、まだまだ若いが? 30歳なんてギャルだが?
カウンセリングルームに戻り、紅茶を飲む。温かい。
ところで、お茶が増え続けているから、誰かとお茶会しようかな。