NoName

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7/16/2024, 2:36:36 PM

信号待ち。青く、青く澄んだ空をフロントガラス越しに見上げて、どこか遠くに行きたい、と何度思っただろう。
異国の地じゃなくていい。透き通る海もいらない。
私の明日がない、場所。
目が離せない、吸い込まれそうになる、青。
鳴らされたクラクションに、アクセルを踏む。
喧騒にのまれて、思考が日常に溶けていく。


夜のとばりが降りた後、闇にぽかんと浮かぶ、頼りない月。
スピードを抑えず、それを目がけて飛び込んで、弧を描いて落ちていく様を何度想像しただろう。
ゆっくりとブレーキを踏み込む。今夜も届かない。
覗き込んだ月はずっとそこにいて、私を見てる。


澄んだ青すぎる空に、深い闇に鈍く光る月に。誘われて。
こっちだよ、と手招きされているようで。

強い衝動じゃない、
ただ、優しく、呼ばれている。
呼ばれつづけている。


7/15/2024, 8:38:18 PM

それでもいいから、と縋った君も、
その手を振り解けなかった私も、弱くて。

どんな形でも繋ぎ止めておけるなら、とか、
隙間を埋めてくれて満たされる感覚だとか。
相手を思いやる事より自分の身勝手な感情で
先なんて考えないようにして曖昧さを選び続けていたけれど。

そうやって、与えるフリして、奪っていたの。
心をすり減らしていたのは、お互い様。

上澄みだけすくったような言葉のやりとりに
飽き飽きしてきた頃でしょう?
私はずるいから。知ってたよね、私を引き止めたあの時から。
だから私からは言わないよ。…言えないよ、

君から聞かせて。
そしたら私、ちゃんと頷いてみせるから。
この手、離すから。だから。ね?

7/12/2024, 4:26:42 PM

これまでずっと違う場所で、違う日々を過ごしてきた二人。
その歩みが重なって今、隣にいる。
もっと早く出逢いたかったな、なんて思ったりもするけれど、お互いにたくさんの出会いと別れを繰り返して、いろんな経験をしてきた今だからこそ、惹かれ合ったのかもしれない、とも思う。
奇跡とか運命とか、そんな言葉で片付けたくはない。
これは、それぞれが選択し続けてきた結果だから。
自分で選んで歩いてきた道の上で、出逢って、自分で手を伸ばして、その手を掴んだ。

ねぇ、出逢ってくれて、選んでくれて、ありがとう。

7/11/2024, 4:21:51 PM

心配で送ったLINEに既読はつかないまま。
返信がないことが悲しいんじゃないんだよ。
せめて既読をつけてくれたら安心できるのに。
通知で気づいてるはずなのに、後回しにされてるんだろな。
もうあなたに私は必要ないんだろなって。
わかってしまって、それが悲しい。

いつもの「ごめん!」は、もう聞きたくないや。
大丈夫じゃない「大丈夫だよ」も、もう言いたくない。

送信取消をして、新たに文字を打つ。
私とあなたを終わらせるための、一件のLINE。
これがあなたの目に留まるのは、いつ?

7/10/2024, 2:03:21 PM

目が覚めると、あなたの形跡はどこにもなくて、あぁ夢なんだって気づいて、ぽろぽろ涙がこぼれた。あまりにリアルで、幸せな夢で、一瞬現実と区別がつかなくて混乱しちゃったじゃない。
都合の良いようにハッピーエンドを作り上げて、私に夢を見させた自分の脳さえ恨めしい。頭が、身体が、あの人を、あの人と居る現実を無意識に望んでいることを突き付けられたみたい。
これから先ずっと、記憶だけで生きてかなきゃいけない、
もう会うことも声を聞くことも叶わないのに。
私の中のあなたのスペースが、少しずつ小さくなっていっていつか、なくなる日がくるんだろうか。そうしたら今よりずっと、楽に息が吸えるようになるんだろうか。

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