NoName

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目が覚めると、あなたの形跡はどこにもなくて、あぁ夢なんだって気づいて、ぽろぽろ涙がこぼれた。あまりにリアルで、幸せな夢で、一瞬現実と区別がつかなくて混乱しちゃったじゃない。
都合の良いようにハッピーエンドを作り上げて、私に夢を見させた自分の脳さえ恨めしい。頭が、身体が、あの人を、あの人と居る現実を無意識に望んでいることを突き付けられたみたい。
これから先ずっと、記憶だけで生きてかなきゃいけない、
もう会うことも声を聞くことも叶わないのに。
私の中のあなたのスペースが、少しずつ小さくなっていっていつか、なくなる日がくるんだろうか。そうしたら今よりずっと、楽に息が吸えるようになるんだろうか。

7/10/2024, 2:03:21 PM