『星が溢れる』
悩みがちっぽけになる、なんてそんな壮大な広告の言葉は信じられない。
心が動かされるのはまぁ...100歩譲ってわかる。
繊細な色使いをしている花や草木の絵、歴史を感じる建造物や町並み。
まぁ、全く知識はないのだがー
金曜の夜、明日は特に予定もないのでゴロゴロとビーズクッションにもたれ掛かりながら意味もなく永遠とネットサーフィンをする。
何かに突出してる訳でも趣味がある訳でもない
自分の人生に疑問を持ちながらも、
何かしようとする気力は無いため何時ものようにネットに逃げる。
そこで見つけたのがプラネタリウムの広告だった。
ーーー
朝、7時47分。
目覚ましよりも前に目が覚めた。普段の生活から嫌でも起きてしまう自分の身体が憎い。
ひとしきりブルーライトを浴びてから、のそのそと起き上がり口をゆすいでから歯を磨く。
前髪をダッカールでとめて洗顔をしたあと、
化粧水をつけて寝巻きから洋服へ着替えながらスマホの目覚ましをとめる。
ーーー
外に出ると鼻に香る、
冷たくも暖かい春の気配に目が覚める。
もうそんな時期なのかと時の流れを感じながら電車へ座る。
ガタガタと揺れる車内は朝早いにも関わらず人は疎らで今日が休日なことを改めて実感する。
対面の窓ガラスから溢れる光に目を細めながら、座席の下からじわじわと感じる温もりにうとうとと船を漕ぐ。
ー間もなく𓏸𓏸、𓏸𓏸。
はっと目を覚ますと降りる駅の1歩手前の駅のアナウンスが聞こえてきた。車内には人が増えて楽しげな話し声やキャリーケースの荷物が揺れる音が聞こえてくる。
ーーー
入る人と出る人々との間に押しつぶされながらホームへ出てエスカレーターに乗り改札から出る。
案内と画面を見ながら目当ての場所まで足を進める。
早く着いてしまったのかまだ店の扉は空いていない。すぐさま近くのカフェを調べて店内へ入り
温かい飲み物を1杯とホットサンドを頼む。
ゆっくりと咀嚼しながら上映作品を再度確認する。世界を旅する、というコンセプトでその名の通り世界を旅しながら星を見るというもの
...らしい。
カチャ、とカップを置き食器を下げて店へ向かう。
カウンターで座席の案内を受けながら座席を確認したが休日なのか席が3分の2ほど埋まっていた。
「あの、見やすくて隣に人がいない席...ありますか」
我ながらわがままな客だな、と思いつつ
せっかく一人で来たなら世界観に没入したい。
「この席などはいかがでしょうか。
座席は中央より少し後ろで右寄りですが全体を
見渡せますし左右と後ろには人が居ません」
プラネタリウムは中央が1番いいのかと思っていたが注文通りでしかも全体を見渡せる席ときた、ここにしよう。
お土産屋を通り過ぎて空いていたカウンター席に腰掛ける。
周りを見渡すと家族ずれやカップル...一人で来ている人もいて少し安心しながら開場を待つ。
まもなく開場です、というアナウンスに人々の
ざわめきが広がり次々に席を立つ。
そんな人々を横目に一人で来ていることもあり開場してからでいいやと、強がり画面を眺める。
開場してからしばらく経ち店内の人々もまばらになってから館内へ入る。
椅子に座りしばらくすると館内が暗くなりざわめきが止む。
映像が始まると耳心地の良い音楽と声と共に各国の景色や星空が流れる。
「これはーの星空」「ここから見える星空はー」
一つ一つの説明、音楽、映像に目を、耳を傾ける
ーーー
上映が終わり館内から出て殆どの人々がお土産屋に向かう。その光景を見て、なんとも言えない感情に心が浮き立つ。
そんな自分もお土産屋に向かい何か形に残る...思い出せるものが欲しくなった。
ーーー
背の高いオフィスビルや看板の隙間から
紺、紫、ピンクと赤、オレンジに黄色の薄明と一点の真珠。
先程併設されている売店で買った琥珀糖の様なそれに圧倒される。
なんだか自分が主人公になったような高揚感に
溢れる。街灯やグランドライトがレッドカーペットのように感じられてしまうほどに。
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性別は毎度の事ながら定めておりませんので
読者様の解釈に委ねております。
また、この小説に出てきたプラネタリウムは
現在も上映しているものとなっております。
コミカミノルタ プラネタリウム様より
「星の旅ー世界編」
もっと自分の感じている世界を
皆様に伝わる文字で表現していきたいです。
テーマ:「小さな命」
小さな命と
大きな命。
同じ重さ
尊き命。
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一期一会の出会いに感謝を
テーマ:太陽のような
「たくさんの向日葵を見たい。」
いきなり向日葵を見てみたいと話し、その手に持っていたスマートフォンの画面をこちらに向けてくる。
そこにはひまわりに囲まれ、麦わら帽子を被り微笑んでいる人の写真が表示されていた。
こんな暑い日に外に出るなんて正気なのかと心の中で悪態をつきながらも、この写真の人のように麦わら帽子を被った貴方を見たくなってしまう。
「まぁ、いいけど。いつ行くの?」
「えぇ!本当にいいの?断られるかと思ってたよ」
驚いたように目を丸くしてころころと笑う姿は
ー閑話休題
「やっと着いた〜!電車を降りるとやっぱり暑いね」
「そうだね。ほらお茶飲みな、水分補給。」
伸びをしながら大きく欠伸をする姿は小動物のようだ。そんな貴方にお茶を手渡す。
電車を乗り継ぎ2時間かけて来た駅舎は木造でこじんまりとしていて趣がある。時刻表の隣には何個か映画のポスターが貼ってあることから、撮影地としても使われているみたいだ。
駅周辺にはコンビニだけでなくバス停すらもなかった。周りには月極駐車場や畑があるだけだったので、目当てのひまわり畑まで軽い雑談をしながら歩いていく。昨日の夜ご飯のことやひまわり畑が実際はどんな場所なのか等。
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「わ〜!一帯全部向日葵が咲いてるんだ!すごく綺麗」
「そうだね、すごく感動しちゃった。」
時折風に揺られひまわりに付いた水滴が太陽に照らされキラキラと光る姿はまるで海のようだった。
「暑いのに一緒に来てくれてありがとう」
強い日差しに照らされて微笑む貴方の横顔はまるでそこらじゅうに咲いている向日葵のようだ。
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登場人物の年齢・性別は読者様の解釈に委ねております。
読んでくださる方がいるのは嬉しいですね。
一期一会の出会いに感謝を。
⑨「0からの」
何でもかんでも1からやり直すとかみんな0からのスタートだ、なんて言うけれどみんなが同じ地点からのはいスタートな訳なくない?
障子からもれるやわらぐ陽射しを受けながら自問自答する。
今まで何においても突出した才能や能力がなくて平凡に、いやそれよりも下で日々の生活をしてきた。僕は無個性なままこれからも生きていくのだろうか。
家で育てている植物に日を当てるため庭を出て木製の小さな机のようなものの上に乗せていく。
先週まではツンと鼻が冷えるような冬の匂いがしていたのにここ最近の昼間は春の香りがする。
ほころび始めた梅の花はまだまだ蕾が多く、満開とは言えないがこれはこれで綺麗だと思い何となく1枚、スマートフォンで写真を撮る。
透き通る空気の中ただただ梅の花を見つめている。
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中々継続は難しいですが、書くことは楽しいですね。
今日もお疲れ様でした。
「枯葉」
消費期限とか有効期限とか...期限って言葉を考えた人、良心のかけらもないよね。突然友人の結衣(ゆい)が独りごちる。
「いや、消費期限はいるでしょ。お腹壊すし」
「まぁ確かに。でもさ、何らかこの先も追われるって生きづらくない?提出期限とか......生死とか。」
「確かに。割と残酷かもね。」
世の中はどんなことにも期限を付ける。人間の生活のために必須なこととぼんやり頭では分かってはいるけれど、のんびりと生きていきたい私達にとっては地獄かも。なんて思いながらデザートの苺を食べる。
「ねぇ、進路は決めた?私はやりたいことも無いからとりあえず大学に行くつもり。咲は?」
もうそんな時期だよね、なんて制服のスカートに折りたたんで入れた進路調査を思い出す。結衣はもう自分の進路を決めたんだ。なんだか置いていかれたような、クラスが団結して文化祭の出し物を考えてる時のなんとも言えない疎外感を覚える。
「私は......私も大学に進むつもりだよ。やりたいことなんてひとつも無いし」
そう言った私の言葉にふーん、と納得していなさそうな声色で返事をする結衣に苦笑する。これ以上何も聞いてこないのは、親友だからなのかな。
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後日追筆したいと思います。