時計の針
カチカチ……カチカチ……
時計の針が進む音
もうなん時間たっただろう
『早く目覚めてくれ…目を開けてくれ……』
誰かの声がする
『早く…目を……』
意識が遠のいてる
「わ、私は……だ、誰だ……」
「私を呼ぶのは誰だ?」
『み……く…… 』
『みく!起きろ!みく』っと男性の声がする
(私は「みく」って言うのか……)
カチカチ……カチカチ……
また時計の針が進む音がし目を開けた
「ん…うーん……眩しい」
『みく起きたか?!心配したぞ!この馬鹿!!』
「たくや……ごめん 。ご飯作らなきゃだよね」
『そんなことはいい。ここは病院のベットの上だぞ?
それより体大丈夫か? 急に倒れるから……
俺……うっ…もう必死で……』
そう彼は泣きながら私をハグした
「大丈夫だよ、心配かけてごめんね」
そう言いながら彼の頭を撫でた
カチカチ……カチカチ……
時計の針が進む音……
秒針が進む音…
旅路の果てに
遠いある地方に俺は生まれた
俺は幼い頃から村の人々から妬まれ
『銀狼(ぎんろう)』っと嫌味の名前を貰った
18の頃、俺は旅にでた
旅路の先に俺を必要とする何かを求めて……
遠い遠い道を歩き
とある村に着いた
そこの村は俺の居た村と違って暖かった
少したち俺はまた旅にでた
俺の旅は終わらない
見てみたい!知りたい!
俺の旅路の果てに……
あなたに届けたい
今は届かない人たちへ届くように手紙を焼いた
手紙は煙と火によって遠くへ
「今日も届くといいな」『そうだね』
幼い僕とお母さんは今はいないお父さんに手紙を書いた
僕のお父さんは交通事故に巻き込まれて……
救急車が来る頃には、お父さんは…息絶えた
お父さんはとある子供を守った。
その時のお父さんはヒーローだった
時が過ぎ
「お父さん、お母さん 元気でやってるかな。
俺は彼女できたよ!守る物も増えたよ!」
今はいない……
お父さんとお母さんに届けたい
今はいない
あなたに届けたい
今生きている
あなたに届けたい
風邪
「ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...」
いつぶりかなこんな酷い風邪を引いたのは...
『大丈夫?のど飴あげるから舐めな』
優しく彼は僕の手に飴を置いた
「ゴホッ...ありがとうゴホッ...」
『お前が風邪なんて珍しいな。そうだ、熱測るから少し脱がすぞ』
そう言うと彼は僕のパジャマを少し脱がし体温計を脇に入れた
ピッピッピ
体温計がなり彼に渡した
『うわ お前38℃あるじゃん 今日は大人しく寝てろ!
夕飯は俺が作るからよ あと熱さまシート貼っとけ!』
「うん...熱さまシート冷たくて無理なんだよな...ゴホッ」
僕は恐る恐る、おでこに熱さまシートを貼った
「ヒャッ!! 冷たい...これだから熱さまシート嫌い」
僕は、文句を言いながらもベットに横になった
気づいたら僕は寝ていた
高く高く
折り紙で作った飛行機よ高く高く飛んで行って
病室の窓から飛ばす私の紙飛行機
入院して何ヶ月たっただろう... いつになったらここを出られるかな...
「齋藤さん 齋藤結花(さいとう ゆか)さん」
看護師さんに呼ばれた
「はーい!私はここだよ〜」っと
庭から手を振った
すると看護師さんは少しムスッとした顔で
「もう!勝手に庭や廊下に出ないで!あなたに何かあったらどうするの?」
って怒られた
「ごめんなさい...でも私、全然元気だよ?どこも悪いところないよ?」
っと言ったが看護師さんは私の腕をとって
「ほら 病室に戻るよ あなたは元気すぎるのよ」
って言われ、F棟の2階、子供管理室に戻された
どうやら私は重たい病気らしい
でも私は元気だ!外に出て走れる!遊べる!
「あ〜あ 今日もベットに戻された。もう少し遊びたかったなぁ〜」
月日がたち私は18才になった
その頃には前みたいに外に出て遊べなくなった
それは持病が悪化したからだ。下半身が動かなくなってしまった
よく隣で話してた友達も退院して病室には私1人
上半身は動くから折り紙に専念した
鶴や花、鳥や紙風船
私にかかればドラゴンさえお手の物
ふと外を見る。今日は土砂降りの雨...
「気分も下がるな...最近1人ぼっちだし晴れの日には紙飛行機でも飛ばそうかな」
そして次の日、私は紙飛行機を窓から飛ばした
紙飛行機は空高く飛んで行った
隣のE棟の窓まで飛んだ
それが嬉しくて私はその日から毎回、紙飛行機を飛ばすようになった
紙飛行機を飛ばし始めてから1ヶ月たったある日
急速的に持病が悪化したのだ
もう先がないと分かった私は最後の紙飛行機を思いっきり飛ばした
それは「生きていたい」っと書いた紙飛行機だ
どうかあれだけは高く高く飛んで行って欲しい
どこまでもずっと紙飛行機を高く高く飛ばしていきたい