高く高く
折り紙で作った飛行機よ高く高く飛んで行って
病室の窓から飛ばす私の紙飛行機
入院して何ヶ月たっただろう... いつになったらここを出られるかな...
「齋藤さん 齋藤結花(さいとう ゆか)さん」
看護師さんに呼ばれた
「はーい!私はここだよ〜」っと
庭から手を振った
すると看護師さんは少しムスッとした顔で
「もう!勝手に庭や廊下に出ないで!あなたに何かあったらどうするの?」
って怒られた
「ごめんなさい...でも私、全然元気だよ?どこも悪いところないよ?」
っと言ったが看護師さんは私の腕をとって
「ほら 病室に戻るよ あなたは元気すぎるのよ」
って言われ、F棟の2階、子供管理室に戻された
どうやら私は重たい病気らしい
でも私は元気だ!外に出て走れる!遊べる!
「あ〜あ 今日もベットに戻された。もう少し遊びたかったなぁ〜」
月日がたち私は18才になった
その頃には前みたいに外に出て遊べなくなった
それは持病が悪化したからだ。下半身が動かなくなってしまった
よく隣で話してた友達も退院して病室には私1人
上半身は動くから折り紙に専念した
鶴や花、鳥や紙風船
私にかかればドラゴンさえお手の物
ふと外を見る。今日は土砂降りの雨...
「気分も下がるな...最近1人ぼっちだし晴れの日には紙飛行機でも飛ばそうかな」
そして次の日、私は紙飛行機を窓から飛ばした
紙飛行機は空高く飛んで行った
隣のE棟の窓まで飛んだ
それが嬉しくて私はその日から毎回、紙飛行機を飛ばすようになった
紙飛行機を飛ばし始めてから1ヶ月たったある日
急速的に持病が悪化したのだ
もう先がないと分かった私は最後の紙飛行機を思いっきり飛ばした
それは「生きていたい」っと書いた紙飛行機だ
どうかあれだけは高く高く飛んで行って欲しい
どこまでもずっと紙飛行機を高く高く飛ばしていきたい
10/14/2023, 6:55:06 PM