勝ち負けなんてどうでもいいけど
勝てるなら全部勝ちたいし
負けても次にはいかしたい。
勝ち負けなんてどうでもいいけど
しっかりゲン担ぎもして
ミサンガなんてつけちゃったり。
カツ丼なんて食べちゃったり。
神社にお参りしちゃったり。
おみくじひいて末吉とかだと
見なかったことにして、くくりつけちゃったり。
勝ち負けなんてどうでもいいけど
後悔のないようには生きていたいから
時間になったら家を出ます。
小説を買うか迷うときに、
最後の方のページを先に
パラパラめくってしまうことがある。
バットエンドなのかハッピーエンドなのか
その時にはよくわからないのに
小説を読み進めると
一つずつ腑に落ちていく感覚があって、
最後には自分のなかできちんと収まる感覚がある。
やっぱり途中経過こそが醍醐味なんだなと実感する。
本を閉じて、顔を上げる。
車窓から見えた雲は、一筋の光をまとっていて
これから街が明るくなる予感がした。
あちらからこちらへ
そちらからどちらへ
変わっていくことは
悪いことではないはずなのに、
さっきより風が少し冷たい。
きみが砂時計を逆さまにしたとき、
カップに入った
たっぷりのコーヒーに、角砂糖を入れたときの
溢れた飛沫を思い出した。
綺麗にとんがった鉛筆で
ノートに文字を書いたときに、ポキっと
先が折れたのを思い出した。
完璧は長くは続かず
けれども、完璧でなくなると、
なぜかホッとして、すこし心にゆとりができる
私みたいな不器用で
空間把握能力の乏しい人には、
クレーンゲームが大敵である。
一年半に1回くらい、
おっ、やってみるか、という気持ちになり、
失敗すること3〜4回
台を変えてもうまくいかずに
忌々しさだけが募っていくのだ。
あともう一回で取れそうなのに⋯という
気持ちになるものの
悲しく諦めて、すごすごと帰っていく
それでも、なぜか一年半後になると
すべてを忘れて新しい気持ちになっている。
自分を信じる気持ちがあまりに強いので
また同じ目に遭うのを忘れているのだ⋯