自分の手は美味しくない。
不安であった。
ただ不安であった。
焦燥感に包まれ
喉の乾きに侵され
耳に心臓があるような。
私は一体何者であろうか。
何者である必要はあるのだろうか。
なぜ私は私であるのか。
なぜ他人は他人でしかないのか。
正解という世界の
不正解という世界の
曖昧という世界で。
曖昧であることに恐ろしさを覚え、
酷く安心している。
徐々に身体を侵食しているような
気持ちの悪い不快感で
目を開けて。
嗚呼、
誰と話していても
何をしていても
確実のそれは潜んでいるという確信がある。
不安だ。
ああ、不安だ。
助けてくれと言おうにも
私には何も分からないのだから。
きっと周りは正確な何かを求めているような
そんな気がしてならない。
不透明の最中で、
私は生きながらえるのだ。
ららら
耳に蓋をして。
虚しい
悲しい
なんで生きているのか分からない。
生きているから生きているんだ。
かまって欲しい。
誰かにこのわだかまりを押し付けて
僕はぬくい世界で死んでいきたい。
きっと大丈夫。
こんなこと
すぐ忘れてしまうから。
僕はずっと幸せだから。
僕は幸せな空間にいる。
抜け出せないでいる。
心地が良くて、居心地が悪い。
両方を抱えて、
とうとう心が割れてしまえばいい。
ぴったり半分にね。
明日が来るよ。
きっと僕は明日も幸せだ。
だけど幸せに気付かないふりをしていたいんだ。
不幸せなふりをしていたいんだ。
僕は幸せに囲まれて、不幸せなふりをするんだよ。
悲しい。
きっと悲しいんだと思う。
疲れてないけど、疲れたんだ。
誰かにかまって欲しいけど、
触れないでいて欲しい。
幸せってなんだろうね。
きっとものによって幸せの基準は変わってしまうけど、
幸せに気づいた方がいいんだね。
寝なきゃ
明日が来るし、
それに僕は明日忙しい予定なんだ。
お腹が空っぽな気がするし、
心臓はいっぱいだけど
寝ないとね。
景色は水に溶けていきました。
僕はリストカットをする。
一回目は家族関係。
二回目は自分の存在価値の無さに嘆いた。
三回目は劣等感。
父の怒りに触れて母の嘆きに触れて、
考えれば考えるほどどうでもいいし
正しいとは言いきれない。
僕の視点でどちらが悪いなんて
そんな無責任なことはしたくないと思った。
父の対応を模写するように、僕は優しすぎる友達をいじめた。
全て父のせいにすれば楽だけど
父に耐えられなかったと自覚する方が不快だった。
自分の行いを認めず、言い訳ばかり並べた結果
僕は責任から逃れるように学校に行かなくなった。
つまりこれは全て僕が悪い。
自分には存在価値がなかった。
きっと僕は家族の誰にも恩返しができない。
成績も良くない、提出物なんかをまともに出すことすら出来ない。
泣いて泣いて、泣いた。
でも突然どうでも良くなって、そんなこと言ってしまえば
この世に存在価値がない人間は馬鹿ほどいると気づいた。
存在価値の無さに嘆いたように、
僕は劣等感を様々な場面で感じてきたと思う。
優しすぎる友達に「私がいなきゃ、何も出来ないもんね。」
まあ、そんな言い方じゃないんだけど。
僕が言われたのは、僕がそう感じてしまった時点でもうおわりだ。
避けたくなって、避けて
逃げて
機嫌が悪ければ、無視もした。
要は勝手に劣等感を感じてしまった僕が悪い。
上手く感情のセーブができなかった僕が悪い。
基本的に考えれば考えるほど、
そいつらの喧嘩も何もかも自分には関係なかった。
僕が僕に負けてしまった結果
無駄に優しすぎる人間を傷つけてしまった、
数年間も。
感情のセーブができなければ自信を痛めつければいい。
意味はなかった。
実に無駄な行動だと、今ならわかる。
無駄な行動ほど人間したくなるものなんだろうか、
そんなことはどうでもいい。
答えがわかっていてもなお僕はそれをやめられない。
いじめをした。
学校に行かなくなった。
普通より少しおちぶれた存在だと言うことは明確だ。
どこかずば抜けた才能があった訳でもない。
きっと、一般的な人間になるのが怖いのだ。
自分に傷があれば、僕が何も出来なかったことにはならない。
少なくとも普通になりさがることは無い。
痛い、痛いものは痛い。
でもしょうがない。
痛いんだから。
答えがわかっていても、
僕の行動は仕方の無いことだ。
多分。
僕が何かしらの別回答を見つけられるまでは
自己陶酔に人生を捧げるんだろう。