ここ

Open App
4/6/2024, 1:51:25 PM

春だと言うのに、肌寒くなってきたこの頃。

それなのに、私は薄着でベランダに出て、夜空に散りばめられた星を眺めていた。

適当に、目立った星たちを目でなぞってみた。

すると、隣から聞きなれた声が聞こえてきた。

「あれは、しし座っていう星座なんだよ」

星柄のパジャマを来ている、茶髪の女の子、私の妹が無邪気にそう言った。

「へぇ、そうなんだ」

そう言って、君の顔を見た。

でも、君の目を見つめると、なぜだか途端に涙が流れた。

どうして、どうして君が、ここにいるの?

君は、5年前、病気で死んだのに。

君の目を見つめたら、思い出しちゃった。

4/5/2024, 10:06:10 AM

夜空に散りばめられた、沢山の星。

眺めていたら、君が隣にそっと座った。

悩んでいる僕を、気遣ってくれたらしい。

君はただ、そばに居るだけだった。

星空の下で、悩む僕と優しい君が、ただぽつんと世界の真ん中に座っていた。

4/4/2024, 10:23:02 AM

それでいいの。

貴方は、私の物になればいいの。

私だけの物になれば。

「もう、君とは一緒にいれない」

それでいいの?

4/2/2024, 10:47:08 AM

自分の大切なものってなに?

「うーん、ぱっとでてこないなぁ」

「友達、お金、趣味、家族……いっぱいあるよね」

「いや、そういう事じゃなくてさ」

「え、なに?」

酔いが回っているのか、貴方の頬はほんのり赤い。いつものおっとりとした目も、酒のせいで溶けている。

貴方は、言葉に迷いながら、たどたどしく言葉を紡いだ。

「その……なんていうか、大切なものって、あるんだけどさ。ここでは……言えないって言うか」

「えー?なんで?」

「う、うるさい!とにかく言えないのー!」

そう叫ぶ貴方を見ると、幼い頃の貴方を彷彿とさせられた。

小さい頃から変わらない。

私の大切なものも、小さい頃から変わってないよ。

4/1/2024, 10:44:16 AM

「私、来週引っ越すんだ」

貴方は、真剣な顔でそう言ってきた。

4月1日。今日はエイプリルフール。親友で、何をするにも、行くにも、食べるのも、全部一緒だった貴方の口から、信じられないような言葉だった。

私は、ビックリして5秒くらい固まった。

「ごめん、言う日間違ってるかもしれないけど……今しかないかなって」

「……嘘じゃ、ないの?」

「うん」

貴方が言うには、県外に行くとかそういうのではなくて、海外に引っ越すらしい。頭が追いつかない。でも、私は情けない顔を貴方に見せたくなくて、

「海外着いたらさ、連絡してね。写真とかも待ってるからさ」

「はは、旅行に行くわけじゃないんだよー?」

「だって、海外だなんて、とても凄いよ!」

語彙力の無い言葉を並べて、悲しさを紛らわす。

「あ、私も言いたいことがあるんだった!」

「ん?なに?」

「貴方のこと、ずっと大好きだよ!親友として!」

「……ありがとう。また、きっと、会いに行くから」

貴方は、泣き崩れた。

私は貴方に、嘘をついた。だって、エイプリルフールだもん。

親友としてじゃなくて、恋愛対象として。

Next