星が溢れるあの夜、貴方は私に想いを伝えてくれたよね。
「ごめん、貴方のこと好きなの」
ごめん、という言葉の意味が、悲しいけれど私にはわかってしまった。
貴方と私は友達。周りからはそういうレッテルを貼られているから、私と貴方が互いを好きになるのは、世間では『変』と言われることだから。
でも、貴方の目から1粒1粒溢れてくる星は、私が受け止めるべきだと思ったの。
「私も、好きだよ」
「どういう意味で?」
「もちろん、貴方と同じ想いだよ」
とうとう、貴方は泣き崩れてしまった。
そんな貴方を、私はゆっくり抱きしめる。
星が溢れるあの日、私たちは結ばれました。
とある大きな森にある、小道の途中。
一人の少女が、おおきな木を背もたれに眠っていた。
所々赤黒い、白いフリルのワンピース、長く栗色の髪、顔を見るに6、7歳だろうか。
手には、色あせた手紙と1部赤く染っている小型のナイフが握られていた。
ただ無意味に森をさまよっていた私は、彼女を起こす気はなかったけど、落ちていた枝を踏んでしまい、その音に気づいた少女はゆっくりと目を開けた。
そして、安らかな瞳をこちらに向けて、こう言った。
「まだ、居たのね。人間が」
お兄ちゃんの音は、どんなに有名なプロの人でも真似出来ないような、特別さがある。
透明感があって、感情がこもってるようでこもってない……でも、聞いている人は無意識に涙を浮かべるような、そんな音。
そんなお兄ちゃんの音を、独り占めできるのは、妹である私だけ。
ずっと隣で、お兄ちゃんの音を聞かせて。
「ねぇ、休みの日って普段何してるの?」
「……読書、とか?」
「本当?!私も結構本読むんだよね!どんな本読むの?」
「色んなの、読むけど……恋愛は読まないかな」
「そうなんだ!なにかオススメとかある?」
質問に答えれば答えるほど、目の前から質問が降ってくる。このショート髪のおっとり目をした女の子は、クラスのカースト上位の子。
私には無縁の子だと思っていた。だから、一番端の席で、1人でずっと本を読んでいた。
それなのに、貴方は
「あなたのこと、もっと知りたいな!」
その笑顔が、とても眩しかった。
大体の人間はきっと、愛と平和を求める。
だって、愛と平和がある場所なんて限られてるから。
でも、人間は愛と平和がどんなものなのかが分かってない。
だから、愛を愛と受け取らず、平和を暇だと蔑んで、求めたものを捨ててしまう。
それなのに、求めてしまう。
愛と平和って、なんなんでしょうか。