君と最後に会った日
小学校の卒業式の日
君は小さなオルゴールをくれた
「言ってなくてごめん、私 引っ越すんだ」
今にも泣きそうな顔で言う君から貰ったオルゴール
僕の好きな黄色の箱に君の好きな白色のデザイン
小さな白い花がたくさん描かれていて可愛らしい
「これがあれば私のこと忘れないよね」
忘れるはずない、確かこんなことを言った気がする
君の言葉は全部覚えているのにね
「ありがとう、私も絶対忘れないから」
泣き笑いのような顔が今でも脳裏に焼き付いてる
「大きくなったら絶対、絶対に会おうね」
手を振って去っていく君を前に
僕は涙を堪えることしか出来なかった
【君と最後に会った日】
とある庭に雪のような真っ白の花が咲いている
花は気分屋で世話をするお嬢さんを困らせてた
光が眩しい、風が強い、喉が渇いた、周りが煩い
と言いお嬢さんは
眩しくないよう屋根を作った
風が当たらないよう壁を作った
喉が渇かないよう毎日 何回も水をやった
周りに生えてる花を別の場所に移した
そうすると
暗すぎ、無風はやだ、水が多い、話し相手がいない
と我儘を言った
お嬢さんはそれでも花の世話を続けた
ある日お嬢さんは倒れてしまった
花は独りになった
花はいつも通り我儘を言い続けた
その言葉に応えるものは誰もいない
花は次第に何も話さなくなった
しばらくしてポツリと最後の我儘を言った
もう一度 会いたい
【繊細な花】
あなたのことが好きです。
1年間だけ私と付き合ってください
…やっぱり1年って気になりますよね
ちゃんと説明します
まず あなたを好きになったのは入学式の時です。
校舎内で迷子になり先輩方の階まで行っちゃった時
素っ気ないけど教えてくれましたね
周りが見て見ぬふりでもあなたは助けてくれました
そんな優しいあなたが以前からずっと好きでした。
そして 1年間の理由は、病気です。
私 今はまだ元気ですが あと1年しか生きれません。
どうしても治らないなら後悔したくないです。
こんな罪悪感につけ込む形でごめんなさい
でも 諦めたくない。1年後泣くのはイヤなんです。
お願いします。私と付き合ってください。
…やっぱり あなたは優しいですね
では、1年後のその時までよろしくお願いします!
【1年後】
子供の頃は夢があった
フワフワとしてて叶うかどうかも分からない夢
だけど子供はその夢が叶うと信じて疑わなかった
時が過ぎ子供は大人になった
その子供の夢は現実となった
【子供の頃】
何の変哲もない僕の日常
朝起きて 着替えて ご飯食べて カバン持って
いつも通り朝の準備を終えた僕は
「いってきまーす」
誰もいない部屋に言って、ドアを開けた
緑色の宇宙人が立ってた
は?
〔]>?’”★\>◆▽#;;〕
「いや怖い怖い分からん 宇宙人とか無理なんで!」
思いっきりドアを閉めた
なんだ今のは?え、宇宙人?なんでこんなとこに?
コンコンとノックが響く
恐る恐るドアスコープを除くと
緑髪の美少女が立ってた
思いっきりドアを開けた
「なんで!?君 絶対さっきの宇宙人でしょ!」
〔宇宙人が無理らしいから人間になったよ〕
人間、なれるんだ…ちょっとゾワッとした
「だからってなんでここに?」
〔この家に住みたいの、元の家 追い出されたから〕
「追い出された?前の家?」
〔うん、あのドアの人〕
アパートの横のドアを指さした
「お隣さんかよ!」
〔今度 引っ越すけど、次の所はペット禁止なの〕
「宇宙人まさかのペット扱いなの!」
〔だから家に住まわせて〕
ペコッと頭を下げた 悪い子ではないと思うけど…
〔行くとこなくて大変なの、お願い〕
目をウルウルさせてる
見た目は本当に美少女なんだよな
でも宇宙人か…どうしよう
僕は
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結局 僕はあの宇宙人を家に住まわせることにした
朝起きて 着替えて ご飯食べて カバン持って
いつも通り朝の準備を終えた僕は
「いってきまーす」
ミドリがいる部屋に向かって言って、ドアを開けた
〔行ってらっしゃい〕
と聞こえるのも今や日常の一つだ
これはちょっとだけ普通じゃない僕の日常
【日常】