とある庭に雪のような真っ白の花が咲いている
花は気分屋で世話をするお嬢さんを困らせてた
光が眩しい、風が強い、喉が渇いた、周りが煩い
と言いお嬢さんは
眩しくないよう屋根を作った
風が当たらないよう壁を作った
喉が渇かないよう毎日 何回も水をやった
周りに生えてる花を別の場所に移した
そうすると
暗すぎ、無風はやだ、水が多い、話し相手がいない
と我儘を言った
お嬢さんはそれでも花の世話を続けた
ある日お嬢さんは倒れてしまった
花は独りになった
花はいつも通り我儘を言い続けた
その言葉に応えるものは誰もいない
花は次第に何も話さなくなった
しばらくしてポツリと最後の我儘を言った
もう一度 会いたい
【繊細な花】
6/26/2023, 9:25:29 AM