「謙虚なあの子」
カラオケ、下手下手言ってるけど
上手いじゃん。
そんな事、言わないでよ。
私なんて、70点.80点止まりなのに
急に90点なんて出さないでよ
泣いちゃうじゃん。
「何を楽しみに生きてるの?」
楽しみもなくただ生きてる人間にとって、その言葉は針のように抉られる。
真面目な私とお洒落な彼女。
比べられて、傷つけられて。
時々波のように刃先を向けては、引き返す。
パンプスを履いた彼女は、私を見下ろしながら
薄笑いをするの。
でも、昼寝が趣味だなんて詰まらないでしょう?
だから、今夜は少しだけお洒落にしてみたの。
貴方は生きるために、楽しそうにする。
でも、私はいつでも終われるように楽しく生きるの。
口紅で輪郭をぼかしながら、そう信じたかったの。
終業式から、始業式までの間
心の内から決めていた事がある
それは宿題を早めに終わらせること。
春風がほんのりと漂い始めた頃、
先生も友達も皆、離れてしまった。
新学期になって手元に残るは課題だけ。
しかも、明日提出という期限がある。
1年生が駄目で、2年生で変わろうと思ったけどスタートダッシュから転けたから。
たぶん、3年生で変わろうと思ってもきっと無理なんだろうなって思い知った。
一つ伝えたい事があるのです
新しい担任、いえ元担任へ。
眼鏡と死んだ魚のような目で
あの日、私は「変わる」と誓いを立てました、が。
これからも、ずっと変わらない気がします
あんな子がきっとモテるんだろうなぁ
誰とでも仲良しで、無邪気で
愛想が良くて可愛くて、おまけに天然で。
私とはまるっきり違う。
貴方と私の共通点なんてないの。
もしね、ほんの少し似ているのなら涙だけ。
私は孤独で泣くけれど
貴方は、ひっそりと泣いてるでしょう?
私は自分に愛された孤独人で
貴方は、周りに愛された孤独人。
私には、貴方の気持ちなんてわからない。
でも、少しだけ後悔しているの。
もう少し分かり合えたらなって。
貴方は、生きたいのかなぁって言うけど
私は、そんな貴方が少しばかり羨ましかったの。
貴方には常に影があった。
いつも光が当たってたの。
その存在を明確に示すかのように日が照らされていた。
そんな私には影すら無かったの。
だから、羨ましかった
貴方の周りには、花があって、水があって。
たとえ枯れても、それらが慰めるように寄り添ってくれる。
もう私は枯れたのだから、荒地となって残るだけ。
心配なんてしないわよ。だってこれが普通なの。
そう、普通なのよ。
体が荒れているのなら、心も荒れていて欲しいかった。
光なんて差し込むはずがないのに、それを期待しちゃうの。
真面目に生きて、この様を貴方は笑ってくれますか?
どうかお笑いになって。
それがせめてもの生きがいですから。