「終点ですよ、お客さん!」
!
「ぁすいません!降ります!」
またやらかしてしまった、これで何度目だ?
寝過ごして駅の終点まで来てしまった。
最悪終電じゃなかったからいいが、
ジリ貧就活生にはいたい出費だ。
「もう歩いて帰るかぁ…?」
「あれ、久しぶり!翔くん、だよね?」
「んぅ〜?すいません、誰ですか?」
「あ、そっか君は見たことないよね僕のこと。」
「僕は、君のお父さんだよ!」
「蝶よ花よ。」
※百合表現あり
なぜ貴女は、それほどまでに美しいの?
私なんてこんなに見窄らしいというのに。
「今日はなんの日かわかる?」
貴女の声が聞こえる。
忘れるわけないじゃない!
今日は私達が結ばれた日!
周りの目はまだ厳しいけれど、
貴女となら乗り越えられるわ!
でも伝えられない
私は植物状態らしいの。
意識はあるのに、抱きしめたいのに、
行動することができない。
いっそ本当に植物になって
動物や虫達と一緒に
歌を歌えればいいのに
「私の死期はもう近い」
そう先生が言っていたのが聞こえたわ
貴女は先生の前でも泣いてくれたのよね?
それがどうしようもなく嬉しかった。
それと同時に貴女を泣かせてしまった私を
憎いと思った。
私だって貴女のために泣きたいわ。
正直、私は死ぬのは怖いし
貴女を五感で感じられないのが辛い
貴女ともう会えないと思うともっと辛い
死にたくない
でも、もう避けることはできないのよね?
植物状態でも手術で延命はできるらしいけれど、
私の身内は貴女だけだし、貴女もお金が多くない。
そんな中で私達が幸せになる未来なんて見えないわ
そんなことを考えていると私の頬が濡れた。
「え、涙…?」
そうかこれは涙なんだ。
私は生涯の一番最後に貴女のために泣けたのね、
嬉しい、嬉しい!!!
この涙は私を育てる水で、貴女は私を照らす太陽!
蝶よ、花よ!
彼女と私のもとで咲いて、
私達の人生にスポットライトを当ててちょうだい!
今なら私永遠に、
ツー
「ぇ、」
この音は何、なんでこの子は
そんなに嬉しそうに泣いているの?
死んでないよね、死んじゃだめだよ!!!
私を置いて一人で逝かないで、幸せにならないで。
もう一度、お母さんって呼んでよ。
植物状態で幻覚を見て自分を大人だと思い込んだ少女
と
シングルマザーのお母さんのお話
「今日は貴女の誕生日だったのよ
20歳、おめでとう。」
「太陽」
太陽かジリジリ照りつける2015年の夏に
僕は君に恋をした
赤茶の肌に澄んだ黒い瞳は僕の姿しっかり捉え
太陽のように明るい笑顔で僕を照らしていた
家族ぐるみの付き合いと目ではいかずに、
彼女の父親しか見たことはなかった。
でも、そのときの僕はこの人が僕のお義父さんになるのだと信じて疑わなかった。
2024年になった今、
彼女が何をしいてるのかすら分からない
最近、彼女が住んでいた町で殺人事件があったって噂で少し心配だから、久しぶりに帰った実家。
彼女のことを考える時間は日に日に増えていった。
そして必ずと言っていいほど思い出すのは
頭の中にこびりついた彼女の明るい笑顔と
最後に見た身体中の赤。
これは僕だけが僕以外は気づかなかったであろう
彼女の秘密。
あの期間、遊んでくれてありがとう。
手を赤く染めた君でさえ
僕は一生好きでいるから。
ゴーン ゴーン ゴーン
鐘の音がなる
君はまだ来ない。
良かったと少し安心したけれど、君がいないとつまらないと言う事実は変わらないし、ここにいる以上君を待っている事になるのだから、本当は来てほしいのかもしれない。やはり僕は少し自分勝手らしい。
でも君は危なっかしいから、道を間違えてこっちに来ちゃった!なんて事があるかもしれないから安心できないし、見張っているだけと言う事にしておこうか。
ふと気を抜くと讃美歌が耳に入ってきてしまうから、イヤホンの音量を上げた。
この類の曲はどうも好きになれなかったけど、君が僕のために歌ってくれたあの曲は好きだよ。
なんだっけ、十字架にかかったイエスは〜みたいなやつ。僕、教会に行ってたけどあんまりイエス様に信仰心っていうものを持てなかったんだ。
そりゃイエス様は今も生きているっていうのは信じてるつもりだけど、心の中では
そんな超次元的な事ができるのか?
とか、
神様って本当にいるのか?
とか人間らしい疑問が次々に出てきて、何かわからないものを信仰することが怖いと思っちゃったからさ。
でも君は違ったよね真剣にお祈りを捧げて、集金だって毎週してたし。不意に笑った時の笑顔も向日葵みたいに輝いてたよ。そんな君を見て、仲良くなりたいと思ったのと同時に、僕のものにしたいと思っちゃったから
僕が死んだんだ。みんなからは想像通りってところ?
教会終わりに君をストーキングしてたらトラックに跳ねられて死んじゃったよ。即死だった、と思う。飛び出しってやつで100僕が悪いんだけどね。
僕が跳ねられた事に気づいた君は僕に駆け寄って必死にお祈りしてたよね。お葬式の時に歌ってくれた讃美歌も僕に届いてた。嬉しかったよ。
でも、君は最近教会に来るようになった女の子と楽しく遊んでるらしいじゃん。それを僕はどうも気に食わない。
もっと僕の死を引きずってくれると思ってたから、
だって君には僕しかいないと思ってたから、
すごい人見知りだと思ってたから、
そんな君しか僕は好きじゃなかったから。
最初は君も死んで僕と同じところに来ればいいと思った。幸運な事に僕がきた場所は天国らしいから。
でも今は君にはきてほしくない。
こんな薄汚れたやつが天国にいる現実を突きつけられた君はイエス様を信仰していたときの君じゃなくなるような気がするから。
でも知らないうちに僕は君を少し縛っていたという事に最近気づいた。
君、段々僕に似てきてるよね?
信仰心、薄れてきてるよね?
それはやめてほしい。
僕が死んだ意味がなくなってしまうじゃないか。
ゴーン ゴーン ゴーン
鐘の音が鳴る
君は来てしまった。
天国という名の支配がない無法地帯に。
絶対変になってる。物語描ける人尊敬します。
最近思うことがある。
私は大抵の人が笑わないところや退屈に思うところで、変に笑ったり楽しんだりすることが多々ある。
所謂ゲラ、とか暇つぶし名人とでも言うのだろうか。そんな私がつまらないと思う時間が今一つ思い浮かんだ。
それはカラオケで自分が歌うまでの待ち時間である。
最初の方は自分が歌ったり友人と点数で競ったりして楽しんでいる。が、最後の方になってくると各々の歌いたい曲を入れたり流行りの聞き馴染みある曲を歌うフェーズにどうしてもなってしまう。
そうなるともうダメで、デンモクをいじったり適当にマラカスを振ったりなど、表面上では盛り上げているようで結構手を抜いてしまう。
すると雰囲気はまるでディズニー帰りの高速道路。ワイワイと話すわけでなく、疲れて眠っているのを起こさないように注意する運転手気分。
一人はスマホを触り、一人は公式MVで騒ぎ、一人は食べ物を黙々と食べ、私はマラカスで下手にリズムを取る。みんなのダラダラペースに呑まれないようにと注意を払っているつもりでも、やっぱり少し呑まれてしまう。私もどちらかにしろと思っている。
でも自分の番が来たらマイナーなノリのいい曲を入れて一人で勝手にノリノリになる。こう言うところで、やっぱり私も自分勝手だなとか思ったり思わなかったり。
それでもカラオケに行ってしまうのは、そう言うつまらない時間も含めて友人といる時間を長くしたいという私の無意識の願いがあるからかもしれない。
初がきで難しいと思いました。はい。
お題「つまらないことでも」