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12/10/2023, 1:44:59 PM

「仲間」



仲間と書いておきながら、私の中で差別します。
上っ面で笑っていれば、彼ら彼女らは何も違和感なく話しかけてくる。
笑顔で接していれば、疑いもしない。
心の中で、強烈な差別意識を持っているにも関わらず。

私は、そうですね……社会人10年目に入るところです。
学校の出来事は、もう遠い昔の記憶です。
何かあったかと思えば、特に無いんですがね。

仲間意識が高いのが、学校生活だと思います。
あ、社会人でもそうなんじゃないかと思われますが、全然違いますね。むしろ愛想振りまいていればいい、みたいな感じであればいいんですよ、本当に残酷です。

あとは、妊娠出産、既婚と独身の差別とか?
どこからどこまでが「仲間」とか「友達」なんて分からないんですよ。
30歳近くになれば、自然に結婚生活できるかとおもったんですけどね。なかなか難しいものです。

でも、仲間になれるのなら、なりたいですよね。
どうなれるかなんて、今も私ですら分かりませんが、仲間は少ない方がいい……って思ってます。

12/10/2023, 2:58:27 AM

「手を繋いで」


「ねえ、お母さん!手、繋ごう?」
「……」
「ほら、ね?もう寒くないよう、2人ぼっちだね」
「……」

手を繋いで、ぎゅっと強く握る。
もうボロボロで『お母さん』の代わりにならない。
それでも、僕が『お母さん』と言っているのは、唯一無二の存在だから。
お母さんしか、僕を認めてくれないから。

「お母さん、あのねっ、今日もねっ、喧嘩したの」
「……」
「うりゃあっ!って殴ったらね、アイツら、無様に倒れちゃって!さっきまでの威勢はなんだったんだ?って煽ってやった!そしたらさ、アイツらってば『しね!』とか言いながら逃げてやんの!あはっ、僕ってば強いなぁ」
「……」
「ね、凄いでしょ、お母さん!僕ねぇ、力だけは自信あるんだぁ!凄いもん、お母さんから貰ったこのチカラ。凄いもん!」

答えてくれないし、無視される。
一点を見つめては、何も動かないお母さん。
そんなお母さんが愛おしくて、話しかけてしまう。

ああ、もっと前から殺っておけばよかった。
これが『自由』なんだって、証明できたのにね。
ははは、ざーんねん。

12/9/2023, 4:57:09 AM

「ありがとう、ごめんね」


拾った小鳥は、まだ小さくて怯えていた。
優しく撫でながら「大丈夫、大丈夫」と声をかけていると、小鳥は少しずつ安堵した表情へと変わった。

そんな小鳥との出会い。
偶然なのか、必然的なものなのか。

次の朝になると、何かが窓をコンコンとクチバシで叩く音で目が覚めた。
時間は、午前7時前である。
スマホで確認した時間と同時に、布団から顔を出す。
すると、昨日出会った小鳥が、こちらを向いてチュンチュンと鳴いている。

「ごめん、今起きたよ。ほら、ご飯だよね?」

そう言って、引き出しの中に隠していた木の実などを取り出した。
小鳥は待ちきれんばかりに、飛びながら家の中に入ってきた。わ、わっ、と私が変な声をあげていると、私の掌の上で、小鳥が無我夢中で木の実を食べていた。

「なんだ、お腹空いてたのか。可愛い奴め」

なんて思いながら、小鳥の背中を見ていた。

──その後、なぜか私の記憶が無い。
ハッとして我に返った時には、小鳥を土に埋めていた。
しかも、ズタズタに切り刻んだ状態のまま。

思わず、その場で嘔吐しそうになった。

だが、これがもし、相手が小鳥でなければ、一体私はどうなっていた?
殺人事件として逮捕?
それとも、今のように証拠隠滅を図る?

嫌な感じだ。
ああ確かこの感覚、前にも感じたことがある。

両親が喧嘩ばかりしていて、ムカついた私が、殴り殺したこと。
女性が?って思ったでしょ。
本当にあるんだよ、私みたいに人間というものを超える奴が……とまぁ、私のことはいい。

両親の件もあって、ちゃんと罪を償った。
人里を離れて、そして、一人で生きていくと決めていた。
なのに、またこんな──……

「ううう、ごめんなさい」

でも、小鳥の表情を見たら、なんだか安らかな死を迎えたように思えた。
もう大丈夫だよって、無理しないでねって言われているみたいで、涙が零れてきた。

「ありがとう。それと、ごめんね」

そう言った私は、小鳥に手を合わせた。
もう二度と罪は重ねない……そう決めたからこそ、私はまた、遠い夢を追いかけることにした。

12/7/2023, 9:20:20 PM

「部屋の片隅で」



もう嫌だ、学校に行きたくない。どうせ虐められる。俺なんかが居なければいいんだ。
なんて思いながら、今日も学校を休んだ。
お母さんもお父さんも、俺のことを一ミリも気にしていないようだった。
家に帰れば夫婦喧嘩。お金関連で上手くいっていないように思う。なのに、両親がいる部屋では、大人の行為をしているようだった。

「大人の考えていることは、分からないな」

助けを求められる状況でもなければ、弟がいるのに兄としての役割を果たてもいない俺は……。
だからって学校に行ったら、また同じような虐めが……。
頭がこんがらがって嫌になる。部屋の片隅でただ蹲るだけの生活はよくないにしても、今はそれだけが唯一の抵抗みたいなものだ。

「両親に言ったら、助けてくれるのかな」

そんな期待、抱くだけ無駄なのは分かる。
でも、もしもの事があれば、きっとわかってくれるだろうか。期待してもいいのかな。
なんて……俺のワガママで良くないことだと言われちゃうよな。だって俺、兄貴だし。弟がいるし。
平和ボケしてアホヅラをしても、良い点数取って両親に喜ばれて、しかも友達がすぐできやすい弟とは大違い。
……俺は、出来損ないの兄貴だ。

「そんなの、思いたくない。のに、思っちゃうんだよ。どうすりゃいいんだよ。嫌だ嫌だ嫌だ」

目の前で行われていた大人の行為を見てからも、胸の変な違和感に悩まされてる。モヤモヤと言えばいいのか、それとも苦しいと言えばいいのか。
弟がいるから、という言い訳だって、本当はしたくない。でも言わなきゃ、お母さんがヒステリック起こして怒鳴るんだもの。
男の子でしょ!とか、男のくせに泣くな!とか。
『男だから』って何?男として何も果たしていなければ、俺が虐められていてもいいんだ?

「親が分からない」

「助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて」

涙が止まらなくなってしまった。
人生を終わらせるには、今しかないと思う。
なので、遺書とか残さず、首を吊ろう……ああ、やっと楽になれる……。

なんて思ってたのに、ロープを柱と自分の首に括り付けてから、まだ死にたくないと思ってしまった。
最低だ。もう嫌なのに。生きたくないっていうのに。
溢れ出る涙に、俺は崩れ落ちた。また、部屋の片隅へと、落ちた。

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

結局、部屋の片隅で蹲ることしかできなかった。
本当に最低な生き様だよ。だから今日も、学校を休んだ。