「やわらかな光」
僕は朝が嫌いだ。
眩しくて僕に起きろと言う太陽も。
でも、君に会える朝は好きだ。
君に出会って、好きになってから朝が少し好きになった。
君は僕にとってやわらかい光に包まれているように見える。
君だけは少しだけ周りよりも光り輝いて見える。
君の声も笑顔も僕には全部愛おしい。
いつか君に伝えられたらな。
僕は臆病だ。
君に想いを伝えたら今の関係が壊れることが怖い。
君に想いを伝えたいけど、結果が分からないことは僕は苦手だ。
でも、僕だけの光になって欲しい。
だから、ちゃんと伝えるよ。
夕方、夕日に包まれている教室で僕は君に
僕と付き合って欲しいと伝えた。
君はいいよと言って僕の手を取ってくれた。
やわらかい光に包まれて僕は温かい気持ちになった。
君はやっぱり僕の光だ。
「鋭い眼差し」
これは僕が学生だった頃の話。
僕にいつも鋭い眼差しを送ってくる女の子がいた。
僕は正直少しその子が怖かった。
でも、その女の子の視線は嫌じゃなかった。
目が合えばその子は目を逸らしてしまう。
その子に僕は次第に惹かれていった。
彼女のよく見ると可愛い瞳に吸い込まれた。
彼女も僕に好意を抱いてくれていることがある日分かった。
僕のことをこんなにも好いてくれている女の子がいることが素直に嬉しかった。
ある日の帰り道彼女が海辺を歩いているのを見かけた。
僕は思わず声をかけてしまった。
「ねぇ、何してるの?」と僕が言うと彼女は
「笑顔の練習、好きな人に好かれたいから。」と答えた。
「好きな人って誰?」と僕が言うと彼女は慌てていた。
「それは秘密。」と彼女が言った。僕は思わず
「僕は君が好きだけどなー。」と言ってしまった。
「えっ?」という彼女に
「僕のこと好きになってくれる?」と僕は言った。
「もう、好きだよ。」と彼女が答えた。
「ねぇ、こっち向いて。」と僕が言うと
「ん?」と言いながら彼女がこっちを向いた。
「前髪切らないの?」と僕が言った。
「何で?」という君。
「君の目が好きだから。」と僕が言うと君は照れて目を逸らした。
「高く高く」
僕は鳥になりたかった。
高く高く空を飛ぶ鳥に。
人生がどん底に落ちたあの日。
僕は鳥になりたいと願った。
鳥なら何も考えずに空を飛んでるだけ。
そう思ったから。
でも、君に出会って僕は変わった。
ちゃんと生きようって、幸せになりたいって。
だから、僕は君と高く高く綺麗な空を見ていたい。
鳥にはなれないけど君がいれば大丈夫。
「子供のように」
「君は本当に子供だなー。」と君は僕に向かって言う。
「まぁ、そういうところが好きなんだけど。」と君が付け足す。
僕は昔から子供っぽいとか言われ続けている。
「私たちが会った時のこと覚えてる?」
「覚えてるよ。」と僕が言うと君は
「君は子供の時のまんまだよね。」と言った。
「君も変わってないけどね。」と僕は言う。
僕たちは幼なじみでずっと一緒に育ってきた。そして、今は恋人同士。
「ねぇ、私のことずっと好きでいてくれる?」と君が言う。
「当たり前でしょ。」と僕は言う。
子供の頃のように僕たちは笑い合う。ずっとこの時間が続けばいいのにと願った。
「放課後」
放課後一緒に帰ろう。
君に勇気を出して、そう言った。
内気でいつも言いたいことが言えない僕に勇気を君がくれた。
今日は放課後のことで頭がいっぱいだった。
放課後になり下駄箱に行くと君が待っていた。
おまたせ。と僕が言うと遅いよーと君は怒っていた。
ごめんね。と僕が言うと君はしょうがないなーと僕に言った。
可愛い君の姿に僕は思わず笑みがこぼれた。
帰ろっか。と君が言う。
ずっと君に伝えたい言葉があったのになかなか言えない僕は自分に嫌気がさす。
ねぇ、君はよく誰かと帰るの?と君が僕に聞いた。
ううん、そんなことないよ。と僕は答えた。
君には彼女とか居ないの?と続けて君が聞く。
居ないよ、と僕が言うと君はじゃあ、好きな人は?と聞いた。
そういう君は?と僕は聞いた。
私はね、居るよ。という君。
僕も居るよと伝えた。
私はね、ずっと好きなんだ。という君に僕は何も言えなかった。
いつまで待てばいいのかな。と君は言う。
ねぇ、ちょっといい?と僕は言った。
何?という君に僕はずっと君が好きだった。と伝えた。
やっとか。という君に僕はえっ?という言葉が出た。
ずっと待ってたよ。私も好きだよ。と君が言った。
これが僕の今の彼女との甘い放課後の思い出。