「鋭い眼差し」
これは僕が学生だった頃の話。
僕にいつも鋭い眼差しを送ってくる女の子がいた。
僕は正直少しその子が怖かった。
でも、その女の子の視線は嫌じゃなかった。
目が合えばその子は目を逸らしてしまう。
その子に僕は次第に惹かれていった。
彼女のよく見ると可愛い瞳に吸い込まれた。
彼女も僕に好意を抱いてくれていることがある日分かった。
僕のことをこんなにも好いてくれている女の子がいることが素直に嬉しかった。
ある日の帰り道彼女が海辺を歩いているのを見かけた。
僕は思わず声をかけてしまった。
「ねぇ、何してるの?」と僕が言うと彼女は
「笑顔の練習、好きな人に好かれたいから。」と答えた。
「好きな人って誰?」と僕が言うと彼女は慌てていた。
「それは秘密。」と彼女が言った。僕は思わず
「僕は君が好きだけどなー。」と言ってしまった。
「えっ?」という彼女に
「僕のこと好きになってくれる?」と僕は言った。
「もう、好きだよ。」と彼女が答えた。
「ねぇ、こっち向いて。」と僕が言うと
「ん?」と言いながら彼女がこっちを向いた。
「前髪切らないの?」と僕が言った。
「何で?」という君。
「君の目が好きだから。」と僕が言うと君は照れて目を逸らした。
10/15/2024, 10:27:16 AM