ずっと続くと思ってた。
煌めく夜空の帳に、ゆらゆらと揺れる月の揺り籠。
抱かれて眠りに就くような心地良さに甘んじた。
ずっと続くと思ってた。
何処までも広がる青を見上げて、描いた太陽の夢。
君と一緒ならきっと掴めると信じられた。
ずっと続くと思ってた。
少しの違和感を口にした私に、困った様に笑う君。
君の言葉を信じた私を、くつくつ嘲笑う逢魔ヶ刻の影法師。
ずっと続くと信じたかった。
いつか君は居なくなると、初めから心の何処かで確信していたのに。
それを信じたくなくて、真実に瞳を背ける。
君のやさしい嘘を信じて瞳を背けた私は、最後の機会すら掴めずに。
あの日描いた夢はいつの間にか砕けてた。
それなのに君への憧憬は消えないまま、あの日の嘘の意味を探し続けた。
答えを手にした時、ずっと思い描いていた答えと真逆で―――君の愛の深さを知った。
最初から最後まで、私の為のやさしい嘘。
君のために生きていた私と、私のために傷付いた君。
あの日言えなかった言葉を、いつか君に伝えるために。
迷いながら生きていくと決めたんだ。
この手を放してしまった後悔と言い表せない程の感謝を。
届く日が来る事を願いながら、今日も私は―――君のくれた嘘(せかい)の中で生きていく。
失意の果てに底に着き、深淵の中を彷徨って。
その手に掴んだモノは何だった?
折れた剣から、滴り続ける紅(あか)は誰のモノ?
仄暗い眼窩に、見据えていたはずの光を見失う。
神にも縋る気分。
幾度祈りを捧げても、紅に塗れた両の手に祝福はなく。
やっと掴めたモノは何だった?
右手に銃を、左手には折れた剣を。
縫い止められた瞳を、もう一度開くために。
溢れた紅に刃を立てて、心(いのち)を燃やせ!
瞳を閉じて、呼吸を整え。
瞳を閉じて、鼓動を聞いて。
瞳を閉じて、そこにあるモノを感じ。
瞳を閉じて、世界(じぶん)を見据える。
瞳を開けて/片目を開けて
そこにある―――。
当たり前を疑え!/常識を穿て!
心に火を灯せたなら、私はまだ戦える。
傷だらけでも泥だらけでも、どん底ならそれ以下なんてないから―――いつかまた、光のもとに進んでいこう。
私が辛い時、悲しい時。
そっと寄り添って話を聞いてくれたあなた。
楽しい事も嬉しい事も、怒りで我を忘れそうな時も。
隣りに居て一緒に喜んだり、諌めたり。
色んな事を教えてくれた。
バレンタイン、誕生日、クリスマス。
あなたがくれたモノは今でも大切な宝物。
あなたとの思い出も、あなたからの言葉も。
あなたにとって私の贈り物もそうであったら良いなと思うのは、傲慢な気がするけれど。
もしも、そうであったなら幸せだと思うのです。
今、私は隣には居ないけど。
優しくて我慢強いあなたが少しでも長く、幸福の中で笑っていられたらと今も願っています。
あなたがそうしてくれた様に、願い続けるから。
どうか幸せでいて、笑顔の溢れる日々を送っていてください。
その祈りが―――今の私があなたに贈れる、唯一の贈り物。
暗闇の中右往左往、羅針盤見ながら歩いても彷徨って。
行きたい場所を定めても泥濘んだ道に足を取られてる。
何度も転んで傷付いて、泥だらけになっても信じるしかない羅針盤。
それが正しいのか、間違っているのかもわからないまま。
進んで行っても闇は晴れなくて、不安は募るけど。
いつかあなたが言った言葉を頼りに、立ち上がって歩いていく。
『どんな不幸も痛みも全部、力に変えて。
必ず幸せを掴んでみせる』と。
笑顔で言ったあなたの姿が、私の大切な心の羅針盤。
あなたが諦めない限り、私も何度も立ち上がってみせるから。
いつかまた出会えたら、あの日あなたが望んでくれた笑顔で迎えられるように。
今日もまた、迷いながら進んでいくよ。
明日に向かって歩いて行くと言う。
でも、時には立ち止まって休んでもいいんだと私は思う。
過去を振り返っても無意味だと言う人がいる。
でも、たまに振り返るとあの時気付けなかった事に、気付く事がある。
無駄という言葉を使う人がいる。
でも、本当に無駄な事ってあるのかな?
考え方次第で、今見ている世界はがらりと変わる。
今、あなたが見ている世界はどんなもの?
過去の私が見ていた世界を思い出して。
未来は真っ暗で前を向いても見えないけど、過去は変えられなくても振り返ればそこにある。
酸いも甘いも全て私の糧になって、現在に繋がる道になる。
明日に向かって歩いて行く、でも―――私は今を過去に変えて、あなたと一緒にゆっくりと歩いていきたい。