紅月 琥珀

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1/20/2025, 7:55:03 AM

拝啓、ただひとりの君へ

 あの日言いたかったこと、言えなかったこと。
 伝えたかった気持ちもやりたかったことも。
 全てを飲み込んで笑っていた君に、あの日の私に何が出来ただろうか?
 今もずっと答えの出ない思考に溺れて、今日もまた君を想う。

 掴んでいたかったその手に、寄り添っていたかったその心に。
 もう一度触れられたならその答えは出るのだろうか?

 もしも願いが叶うのならば、あの日の答えを教えてほしい。
 そして君にもう一度触れられたのなら、もう二度とその手を離さないと誓うから。
 もう一度笑ってほしいと願ってしまう私を許して。
 もしもなんて起こらないとわかっているのに、それを願ってしまう愚かな私を――――どうか嘲笑ってほしい。



                        敬具