失意の果てに底に着き、深淵の中を彷徨って。
その手に掴んだモノは何だった?
折れた剣から、滴り続ける紅(あか)は誰のモノ?
仄暗い眼窩に、見据えていたはずの光を見失う。
神にも縋る気分。
幾度祈りを捧げても、紅に塗れた両の手に祝福はなく。
やっと掴めたモノは何だった?
右手に銃を、左手には折れた剣を。
縫い止められた瞳を、もう一度開くために。
溢れた紅に刃を立てて、心(いのち)を燃やせ!
瞳を閉じて、呼吸を整え。
瞳を閉じて、鼓動を聞いて。
瞳を閉じて、そこにあるモノを感じ。
瞳を閉じて、世界(じぶん)を見据える。
瞳を開けて/片目を開けて
そこにある―――。
当たり前を疑え!/常識を穿て!
心に火を灯せたなら、私はまだ戦える。
傷だらけでも泥だらけでも、どん底ならそれ以下なんてないから―――いつかまた、光のもとに進んでいこう。
1/23/2025, 2:29:45 PM