「冷たかったな。ごめんな」
細い指を掬い、なんて華奢なんだと思った。この指で雪を掻き出していたのか…と自然に口付けていた。
「ちょ…!」
すぐに引っ込められてしまった。それに少しだけいらっとした。なんだ。見られたくないのか。
「なんだよ。心配だったってのは嘘なのか」
「嘘じゃ、ない…けど」
「オレだってお前さんの体が心配だったんだよ確認ぐらいさせろよ」
確認……。ああ、そうだ。自分で言って気付いたけどこれは確認なんだ。
ベッドに彼女を押し付ける。今度は雪ではなくて白いシーツと毛布に沈むのだ。
凍傷になりかけた耳を唇で辿る。湯浴みの香油の匂いしかしない。甘くて涼やかだ。
「ひゃ」
縮こまった首に顔を埋め、凍っていたかもしれない細めの体躯を辿る。
「や…」
猫のように身体をよじり逃げ出す素振りにまた余裕が無くなる。
確認させろよ。
服の合わせ目を探して指が苛立たしげに這い回るけど、無茶したお前のせいなんだからな。
ゴミの日。娘の部屋のゴミを集めていると、包装紙に鉛筆で書いただろうメモがありました。
クリスマスプレゼントを包んでいた紙でした。
「サンタさん プレゼントありがとう!」
母は、ぽろりと泣いてしまいました。
身体が上がっていかないように肩を抱き締められた。
私は彼の胴にしがみつく。優しい温かさと汗で濡れる肌が、どこかに行ってしまいそうな感覚を現実に引き留める。
匂いがして激しい動きに今までの思い出がフラッシュバックする。ここはただの経由地なんだと思ったら期待が止まらない。
お互いがお互いを離さぬように強く抱く。
言葉さえも無くなって求め続ける獣となり下がった。あまりの波に声をあげるとただ静かに名前を呼ばれて意識が飛んでいく。
こんな日になんて滑稽なんだろう。
クリームチーズ200g
砂糖80g
卵3個
生クリーム200cc
小麦粉かホットケーキMIX60g〜80g
レモン汁 少々
クリスマスどころか休みの間、子ども達をどこにも連れてってあげられないからね…
せめてみんなでお菓子作りをしようと思って、昨日チーズケーキを皆で焼きました。
卵は分離しちゃうから少しずつ入れて下さいね。
泡だて器でまぜるだけで出来ちゃうんですよ。粉もふるわなくて大丈夫。
あとはオーブンへ。
水分が多いものは低め温度でじっくりが基本です。
焼いてるうちからいい香りが漂ってきて、ほんとお菓子作りって好き。
「美味しい!」「最高!」
って声が何よりも嬉しいです。
久しぶりに逢えて、ちょっとたがが外れてしまっている気がする。
薄暗くした浴室で、湯船にどぼんと彼が入ってきた。すぐに大きな手が腰に絡み付いてきてそのまま上がってくる。少し抵抗をしたのに、首筋に冷たいキスが落とされた。
温まっている身体との温度差に自然と硬直する。悲鳴みたいな変な声が出てしまった。
「会いたかった…」
いつもと違って少し反響して聞こえる。
でも低くて優しいいつも通りの声。
首の後ろを支えられたから、「私も」と言う代わりに身体をねじって私からキスをした。終わらない夜が始まる。