また眠れなかった。
闇に飲まれたような暗さと静寂の中でただ、ぼーっとしていた。気が付くとカーテンの隙間から少しの光と暖かさが差し込んで、バイクの音。母親の足音。鳥のさえずり。少しして、飛び立った。
そんな静かな夜明けをまた見届けて、ベッドを降りた。
君と最後に会ったのはもう何ヶ月も前のことだ。
でも僕は、僕だけがずっと忘れられなくて、毎日頭の中に君がいる。君との思い出を毎日頭の中で再生している。
なんて馬鹿馬鹿しくて女々しいのだろう。
ふと、目の前に何かが翻る。
ハンカチだ。
「あの、落としましたよ」
「あっ、ありがとうございます」
その瞬間、僕の時間が止まる。
目の前にいるのは、毎日僕が焦がれていたあの子だからだ。
「…えっ、あ〜!びっくりした!拾ってくれたのあなただったんだね、ありがとう。あと久しぶり!」
「う、うん」
離れてしまう前のあの子のまま。
「わ〜、懐かしいね。元気そうでよかった。…なんか久しぶりに会うと、緊張するね」
ああ、そうか、そうだよな。
毎日君との会話を思い出して、毎日目で追って、万が一、いや、億が一君に会えたらどうやって話そうと考えていたのは、僕だけだ。
君は僕のことなんて忘れて日々を生きているのに。
君が僕に最後に会ったのは何ヶ月も前のこと。
だけど、僕が君に最後に会ったのは、まるで昨日のことの
ようで。
「私待たせてる人いるから、もう行くね。」
今日、君と最後に会った日が更新された。
けれど僕にとってはいつまでも、昨日のままなんだろうな。
ー君と最後に会った日ー
蝶を、花を、繊細なものを触るように彼女に触れなさい。
そんなばあちゃんの教えをずっと守ってきたはずだったのに、俺の隣で彼女は泣いている。
「不安だった」
「もう私なんていらないんだって思った」
「ねえ、何か言ってよ」
彼女は繊細であり、蝶であり、花である。
そんな繊細な花を壊さないよう、俺は彼女をより一層優しく扱わねばならない。
「ごめん」
ようやく絞り出した言葉に、彼女はなぜかまた涙を流してしまう。
「もう、いい」
俺はなにか、間違えたらしい。
彼女の中のガラスは壊れ、蝶は飛び、花は散ってしまったようだ。
ー繊細な花ー
お腹すいたな。
おなかいっぱいまで食べても1時間後にはお腹が空く。
でも痩せたいから我慢する。
どんなに食べても太らない体になりたい。
神様お願い!明日朝起きたら5キロ落ちてますように!!
おばあちゃん家にいくよ。
列車に乗って。
おばあちゃんのご飯、熱いお風呂、無限に出てくるおかしとジュース。
大好き、早く会いたいな。