君と最後に会ったのはもう何ヶ月も前のことだ。
でも僕は、僕だけがずっと忘れられなくて、毎日頭の中に君がいる。君との思い出を毎日頭の中で再生している。
なんて馬鹿馬鹿しくて女々しいのだろう。
ふと、目の前に何かが翻る。
ハンカチだ。
「あの、落としましたよ」
「あっ、ありがとうございます」
その瞬間、僕の時間が止まる。
目の前にいるのは、毎日僕が焦がれていたあの子だからだ。
「…えっ、あ〜!びっくりした!拾ってくれたのあなただったんだね、ありがとう。あと久しぶり!」
「う、うん」
離れてしまう前のあの子のまま。
「わ〜、懐かしいね。元気そうでよかった。…なんか久しぶりに会うと、緊張するね」
ああ、そうか、そうだよな。
毎日君との会話を思い出して、毎日目で追って、万が一、いや、億が一君に会えたらどうやって話そうと考えていたのは、僕だけだ。
君は僕のことなんて忘れて日々を生きているのに。
君が僕に最後に会ったのは何ヶ月も前のこと。
だけど、僕が君に最後に会ったのは、まるで昨日のことの
ようで。
「私待たせてる人いるから、もう行くね。」
今日、君と最後に会った日が更新された。
けれど僕にとってはいつまでも、昨日のままなんだろうな。
ー君と最後に会った日ー
蝶を、花を、繊細なものを触るように彼女に触れなさい。
そんなばあちゃんの教えをずっと守ってきたはずだったのに、俺の隣で彼女は泣いている。
「不安だった」
「もう私なんていらないんだって思った」
「ねえ、何か言ってよ」
彼女は繊細であり、蝶であり、花である。
そんな繊細な花を壊さないよう、俺は彼女をより一層優しく扱わねばならない。
「ごめん」
ようやく絞り出した言葉に、彼女はなぜかまた涙を流してしまう。
「もう、いい」
俺はなにか、間違えたらしい。
彼女の中のガラスは壊れ、蝶は飛び、花は散ってしまったようだ。
ー繊細な花ー
お腹すいたな。
おなかいっぱいまで食べても1時間後にはお腹が空く。
でも痩せたいから我慢する。
どんなに食べても太らない体になりたい。
神様お願い!明日朝起きたら5キロ落ちてますように!!
おばあちゃん家にいくよ。
列車に乗って。
おばあちゃんのご飯、熱いお風呂、無限に出てくるおかしとジュース。
大好き、早く会いたいな。
学校行きたくないなあ。
楽しくないわけじゃないけど、面白くない。
今ここで電車を降りて、反対方向の電車に乗る勇気があればなあ。いつまでもそんな勇気は出ないけれど、いつか行けたらいいな。遠くの街まで。
【遠くの街】