yagi

Open App
4/13/2024, 11:15:24 PM

「快晴」


曇りひとつない綺麗な青空。
休日にどこかへ出かけるならピッタリの天気である。

「「…」」

そう思う人が多ければ多いほど道路は渋滞する。
車のハンドルを握る手が無意識にイラつきを現す。
高速道路とは何だったのかという程の渋滞のど真ん中にいるのである。

「これ、下道で行った方がはやくないか…?」
「そうだよね…次で降りようか」

3/17/2024, 2:29:25 PM

「泣かないよ」


君がいなくても泣かないよ、1人で生きていける。
だけど何故だろう。
世界ってこんなにもつまらないものだっけ。

3/13/2024, 1:49:05 PM

「ずっと隣で」


ずっと隣で君を見ていたい、君と一緒に過ごしたい、君を幸せにしたい……他にもたくさん理由はあるけれど。

「―――結婚しよう」

そう言って彼女の前にひざまづいて、婚約指輪を差し出す。
覚悟は出来ていたハズなのに返答が怖くて君の方を向くことができない。
呼吸がはやくなる、無言の彼女が怖い。

「…うん」

ギリギリ聞こえるような声量だったけど、確かに聞こえたその声に勢いよく彼女の方に顔を向ける。
すると、真っ赤な顔で涙目になった彼女と目が合った。
あまりの可愛さに思わず抱きしめて指輪を左の薬指にはめてありがとうとキスをすると、彼女は俺の胸に顔を押し付けて本格的に泣き出してしまった。

「…ガノ、死ぬまでずっと隣に居てね」
「ああ、キティア、お前もずっと一緒にいてくれよ」

3/12/2024, 1:26:53 PM

「もっと知りたい」


美しい君の後ろ姿を追う。
届かないと知っていながらも追うことを止められないのは、君が持つ中毒性と言うやつだろう。
ああ、今日も君はこの道を通ってコンビニに寄りつつ学校へ通い、この時間にこの道で帰るんだね。
ああ、もっと君のこと知りたいな…。

唐突に君がこちらに振り返る。
少し近づき過ぎたかと、電柱の影に隠れる。
君はキョロキョロとあたりを見渡して、いきなりダッシュで家とは別の方向へ走り去ってしまった。
突然の出来事に驚いてつい、君を見失ってしまった。


「はぁ、はぁ……ここまで来れば大丈夫かな…」

挙動不審な人物がひとり後をつけてきていることに気がついた。
きっかけは普段はいない路駐の車だった。
綺麗に手入れされた車はミラーのように自分とその背後を見せてくれた。
物陰に身を寄せながらこちらの様子を伺いつつ歩く人物。
見覚えは無い。
家までの中間地点であたりを見渡すと電柱の影に隠れる奴がいた。

そこからは無我夢中で適当な方向に向かって走った。
走っては振り返って走っては振り返ってを何度も繰り返して、空が完全に闇に包まれたところで、着いてきてないのを確認して帰路に着いた。

「ふぅ、ただいまー」

「おかえり」

奥から知らない声がする。
だって自分は一人暮らしのハズで……

「ごはんできてるよ、―――」

2/28/2024, 2:32:18 PM

「遠くの街へ」


これ以上この街には居られない。
もっと遠くへ、遠い場所へ行かなくては。

全身の傷がビリビリと痛む。
ああ、身体が限界だと叫んでいる。

「キティア…」

無意識に愛しい人の愛称を口にする。
身体だけではなく心も限界に近いのかもしれない。

彼女に無性に会いたい、死ぬ前に、必ず…。

Next