誰かの居場所に

Open App
9/2/2025, 2:32:17 PM

ページをめくる

1日24時間365日。決まった日数で決まった秒数で1日が進み一年が終わり歳を取り天命がつき無に戻る。

それが命というもの。

本を買った。短編だったためとても薄かった。365ページ。私がこの本を読み終えるまでは、私の中ではこの本が完結することはない。

だが、本としてはずっと前に終わりが作られ完結している。 

決まったルートを捲り終わりに近づく。

1ページ、1ページ。

やがて最後となり、パタリと本を閉じる。

この本は完結してしまった。


人生も同じようなものだ。決まった終わりに向けて1日1日進んでゆくだけ。

側から見たら完結済み。

だが、私達は完結を実感するまでは生と共にある。

昨日を終え今日をはじめ、明日に向かう。



ページをめくるその手のように。

6/6/2025, 5:25:30 PM




私達はそんなに強くないから。

すぐ泣くし、すぐ落ち込むし、すぐ怒る。

でも、全部誰かに知られることなくひっそりとただただ

ひっそりと涙を枯らして暮らしてる。

たとえば誰かがこの乾いた瞳を見つけても、

決して期待してはいけないの。

喉が渇いて、目の前に蛇口があってなのに故障で

水が出なくて

そんな出ない蛇口を捻る時ほど辛く苦しい時は無いから

だから期待なんてしちゃいけないの。

枯れた涙を流すのは何より辛いから。

ただ、もし、私達に日が当たるなら

走ってでもつかみに行きましょう。

その光を。

ひとりじゃないから怖くないよ。





「さぁ行こう」

3/31/2025, 10:13:31 AM




動かなくなった、あなたの頬にそっと触れて

もう、話すことも笑うことも出来なくなった

あなたの髪を撫でて、

思ったより、つめたくて、重くなった

足を持って、

私にかけた愛情をこぼすことなく

あなたへの愛に変えて

全身に触れて

私の最後のエールを送る

御伽噺でも、信じていればきっとある

空の上が。

あなたは素敵な人だったから、

きっと上に逝く

これが最期じゃないと信じているから

だから




「またね!」

あなたとひと時のお別れを。





グッと噛み締めた喉の奥の

「さようなら」は、絶対に言わない。

3/27/2025, 2:46:37 PM

春爛漫

春と言えば、出会いと別れの季節。

私はね、卒業とか入学とかそういう意味だと思ってた。

それなのに、永遠の別れを告げた貴方。

冬が長引いた今年は桜の開花が遅くなって。

本当なら、貴方と花見に行くはずだったのに

どうですか?

そちらは、桜は咲いていますか?

こちらは、まだです。

きっと、景色も心模様も桜が咲くのはしばらく先でしょう。

春爛漫、天真爛漫。

さようなら。またいつか


3/21/2025, 5:30:27 PM

君と見た景色

思い出は美化されるって言うけどさ、

まさかこんなにとはね。

公園に行った道も、お茶を買った自動販売機

も、全部全部思い出。

もう会えないけどさ。私、貴方の孫になれて

良かった。愛してる。来世でも、また、貴方と同じ景色見せてくれますか?あなたの隣で孫として。

Next