部活が嫌いでした。
自分より秀でてる人が嫌いでした。
私が一番になれない場所が嫌いでした。
私を叱る人が嫌いでした。
私よりモテてる子が嫌いでした。
無駄な努力が嫌いでした。
バカにされるのが嫌いでした。
疲れることが嫌いでした。
自分と向き合うのが嫌いでした。
自分の欠点を知るのが嫌いでした。
初めて、嫌いと向き合いました。
やはり嫌いでした。
でも、ここで変わらない自分が嫌いでした。
私は、嫌いは絶対に許しません。
嫌いとはこれからは絶対に向き合いません。
だから、このままの私を許しません。
嫌いは嫌いです。
でも、これは変われる嫌いです
無駄な努力は嫌いです。
この努力は無駄では無いです。
無駄では無い努力は、
好きです。
好きを貫かない私は嫌いです。
お題「大空」
ほんとにそれでいいの?
うん!!
私は、小学生になった弟を連れて、デパートに来た。世の中はクリスマス気分で浮ついている。本当はこの時期に買い物には来たくなかった。というのも両親は、弟と私を残して交通事故でなくなってしまった。あの日はちょうどクリスマスの前日で、プレゼントを買いに行った帰りだったらしい。まだ、小学生だった私と赤ん坊だった弟は、世話が掛かると言う理由で親戚間でたらい回しにされていた。いちばん辛かったのは、サンタというものに憧れ、プレゼントが来ないことに悲しみ、密かに泣いている弟を見ることだった。部外者である私たちにまで、プレゼントを用意してくれる人なんておらず、目の前で喜ぶ親戚の子を見て羨ましいと爪を噛むばかりだった。そんな年を重ね続け、私は高校生になった。バイト出来る高校を選び、親戚の援助を貰い通い始めた。来る日も来る日もバイトをしてこの日まで備えた。クリスマスまで
弟にはずっと嘘をついていた。「サンタさんはね、迷子なんだよ。私たちのこと見つけられてないだけ。」と、
もしかしたら、薄々わかっているのかもしてない。だけど、どうせならずっと楽しみにしていたんだから全力で楽しんで欲しかった。だから、私がサンタになることにした。「今回はね、サンタさんが忙しくて来れないからお姉ちゃんが頼まれたんだ」と言った。
そして、現在に至る。本屋まで一直線に走る弟を追いかけて、手芸コーナーに来た。小さな手に握られた分厚めの本には、折り紙の折り方
と書いてあった。
これが欲しいの?
うん!!
おもちゃでもいいんだよ?
これがいい!!
驚いた、、、てっきり、ぬいぐるみとかフィギュアとかそういうのを選ぶと思って財布を重くしてきたのに。まさかのワンコイン。
後で、こっちが良かったと泣かないでくれよと怯えながらも会計をし、帰路に着いた。
なんで、それにしたの?そう聞くと、満面の笑みで答えた。
「サンタさんってね、いっぱいいるんだって!!それでね、僕のサンタさんもいればお姉ちゃんのサンタさんもいるんだよ!!でもね、お姉ちゃんのサンタさんはまだ迷子だからおっきい折り紙でね紙飛行機作って、大空に飛ばして、ここだよってわかるようにするの!」
降り始めたゆきが街灯の光に反射してキラキラと光る。だんだんとぼやけ始める、視界を擦り、顔が熱くなっていくのを感じる。
家の中から聞こえる、子供の甲高く嬉しそうな笑い声がまるで鈴のようで、今まで耳を、目をふさぎたかったこの日が、どうしようもなく愛おしく変わっていくのを感じた。
「そっかぁ、じゃあ来年は私にもサンタさん来るね。ありがとね」
「うん!!」
来年は、ふたつプレゼントを買うことになるなぁ。いつもならきっと、お金の心配だろうけど今はそんなことどうでもいいほど幸せだった。こんな身近にいたんだ私のサンタさん。雪の反射に白くなった大空を見上げ、頬に伝う雫を感じながら、息を吐く。この日を、この大空を決して忘れないように目に刻む。
「私のサンタ」
夢と現実というのはひとつの境界線で区切られている。果たして、夢か現実かどちらにいるのか。本人には分かるわけあるまい。
「はやくはやく!!もうお母さん行っちゃうよ!」
「わかってるって」
妹のあまりの急ぎようにまるで妹を操ってるプレイヤーのように感じる。
カゴいっぱいに入った林檎は赤く熟れ、芳醇な香りを漂わせてくる。
「おい!絶対落とすなよ!!」
僕が声をかけると、わかってると言わんばかりの、笑顔で振り向く。
ここでの林檎は本当に貴重なのだから。
約3年前、世界は地球温暖化の影響で一気に砂漠化してしまった。食べ物も、生き物もろくに育たず、今や水1本で1万弱するのだ。
生きるだけで地獄を見る世界。それでも僕らはまだ、幸せな方なのだ。
奇跡的に叔父の家で、久々になった林檎を貰うことが出来た。
5つ貰って、2つは病院にいる母に持っていけど言われたので渋々了解し、今運んでいるのだ。
妹にはいってないが、母の病はもう治らない。
骨と皮だけになっただけの人間を置いておけるほど病院には余裕が無い。
だから、連れていかれるのだ。
遠いどこかに。母はこの国にとってのお荷物なのだから。
「兄ちゃん!!もうちょっとだよ!」
「あぁ、そうだな」
「兄ちゃん、うちね夢があるの。いつか、お医者さんになるの。お母さんを治そうとしてくれたお医者さんみたいになるの!」
「そうか、」
呑気なもんだ。何が医者だ、只々母を見捨てた癖に。
「兄ちゃんは?どんな夢?」
「あぁ、そうだなぁ、、、」
僕の夢、、、一体なんだろうか、そんなことを考えているうちに妹の声が聞こえてくる。
「見えた!!お母さんの乗る車だ!!」
「ほんとだな、」
母以外にも捨てられる人がいるのだろう。そこには大量の車があった。
これでは到底母を見つけるのは不可能だ、仕方ない、
「すみません、今日出発予定の須田の子供です。母に渡したいものがあって、」
迷惑そうに向けられた目にビビりながらも何とか妹を呼び止め、カゴを渡す。
「確かに受け取りました。どうも」
「はい、ありがとうございます。ほら、お前も」
「あ、ありがとうございます」
「さて帰るぞ、」
「お母さんは?お母さんには会えないの?」
「ああ、会えないよ、まぁでもきっといつか会えるさ」
「そっか、本当はうちの夢伝えたかったな」
「、、、伝えなくてもきっとわかってくれるさ。林檎は栄養満点なんだ、病人にとっては薬のようなもの、お前は、お母さんにとっての医者だよ。」
「ほんとに?!やったー!!!」
「良かったな」
「うん!あとは兄ちゃんの夢叶えるだけだね!!」
「ん?ぼくは今もう叶ったよ。僕の夢は、お前の笑顔を見ることだからな」
ピコンピコン
TRUEEND
「くっそーまたトゥルーかー、なっかなかバットエンド来ないなぁ」
まぁそりゃそうか、何通りあるんだって話だよなぁ。次は、リンゴ落としてみるか、
さて、セーブデータ、セーブデータと、、、、、、、、、、、、、、
てか、途中お兄ちゃんプレイヤーみたいみたいなこと言ってたけど、メタイなぁ〜
果たして、彼らのいる場所は現実世界だったのか、夢の世界だったのか。プレイヤーと称した男は本当に現実世界の人間なのか、、、それは誰にも分からない。
ただひとつ言えるならば、夢と現実の境界線は浅いようで深く超えることは出来ないということ、、、
紅茶の香り
紅茶が嫌い。匂いも見た目も、味も。全部嫌い。紅茶には嫌な思い出がこれでもかってくらい詰まってるから。
大好きだったバイト先の店長も、同じバイト先の片思いしていた先輩もみんな紅茶が好きだった。
この紅茶はどこ産で、この紅茶は、ここが特徴でー、とか紅茶の話をする時はみんな決まって笑顔だった。そんな笑顔で話すみんなの顔が大好きだった。みんなで、紅茶を囲んで話時間が何よりの宝物でずっと続くと思ってた。
衝撃だった、先輩の死亡を聞いた時は。猫の餌を買いに行った帰りに車に轢かれたと店長から聞いた。
その猫は、店長が道に捨ててあったのを保護した薄く茶色がかった毛色の猫だった。
憎らしくて憎らしくてたまらなかった。お前のせいだとお前が殺したんだと行き場のない怒りが涙と共に流れ落ちた。
それからしばらくして、店長もなくなってしまった。元々、持病がありだいぶ頑張ったのだと奥さんから聞いた。その頃からだ。紅茶が嫌いになったのは。紅茶を見るとあの時の幸せな光景を思い出してしまうから。泣いたって泣いたって彼らは戻ってこないのに、紅茶の匂いを嗅ぐと彼らがいるような気がしてならないのだ。すがりたかった、本当は、紅茶にすがりたかった。でも、それは紅茶がすきなかれらに失礼な気がして出来なかった。
一人暮らし、友達も居ない。唯一の居場所だったバイト先もなくなってしまった私にとって生きる意味を見いだせなくなってしまった。そんな私を心配し、店長の奥さんがあの時の猫の子供を育ててみないかと話をくれた。店長が、大切に育てた猫の、子供。さすがに、4匹は引き取れないので、一匹だけ引き取り育ててみることにした。
奥さんから、抱き方を学び猫を育てるための方法を知り、猫が何たるかを学んだ。
猫とご対面、ちっちゃかった。あの日保護したあの子と同じ顔だった。あぁ、親子なんだとわかる毛色だった。綺麗な顔から目を離し全体を見るともう首輪がつけてあることに気づいた。
「ごめんねぇ、どうしても貴方にはこの名前の子を育てて欲しくて。」
涙が、溢れて溢れて止まらなかった。
店長が、先輩がそこにいる気がして。
愛しくて愛しくてたまらなかった。
それから数年、私は香水を作る会社で働いている。それも、紅茶の香りが特徴の香水。
大っ嫌いだった、紅茶が今じゃ1番大好きなのだから、人というのは分からないものだなと思う。彼らの死を乗り越えられた訳では無いけれど、あの日、譲り受けた愛猫がいる限り私は紅茶を好きでいれるだろう。
「ありがとね、紅茶」
「にゃー」
薄く茶色がかった毛並みに、上品な顔立ちの私の愛猫の名前は、紅茶。
私の世界で1番の宝物。
なぁ、衣替えと模様替えって何が違うん?
はぁ?ほんなん、全然ちゃうやん。衣替えは、服を季節によって変えんねん。ほんで、模様替えは部屋の家具をこれまた季節に合わせて変えんねん。服と、家具の色合わせるとちょー可愛いんやぞ。こんなんもわからんとか、ホンマに阿呆やなぁ笑笑
そう応えてくれた、貴方はもう居ない。阿呆って言いながら優しく笑った顔が大好きだった。
今日がやまばです。気持ちをかためておいてください。
そう言われたあの日は、10月。丁度、衣替えと模様替えの季節だった。
制服も部屋も冬仕様にしたからね、安心して退院してね。って伝えた次の日だった。
おぉ!!ちゃんと色あわせたか?新しく借りた部屋汚すなよ笑!!って優しく笑ってくれたのに。来てくれなかったね。
このカーディガンね、新しく買ったソファの水色に合わせてみたんだよ、ねぇ、もう1着買ったんだよ、お揃いするんでしょ、、、、、
虚しくちった、墓石に添えられた花は、冬の終わりと、春のおとずれを知らせ、
また、衣替えと模様替えの季節をもたらす。
「誰も居ない模様替え」