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1日24時間365日。決まった日数で決まった秒数で1日が進み一年が終わり歳を取り天命がつき無に戻る。
それが命というもの。
本を買った。短編だったためとても薄かった。365ページ。私がこの本を読み終えるまでは、私の中ではこの本が完結することはない。
だが、本としてはずっと前に終わりが作られ完結している。
決まったルートを捲り終わりに近づく。
1ページ、1ページ。
やがて最後となり、パタリと本を閉じる。
この本は完結してしまった。
人生も同じようなものだ。決まった終わりに向けて1日1日進んでゆくだけ。
側から見たら完結済み。
だが、私達は完結を実感するまでは生と共にある。
昨日を終え今日をはじめ、明日に向かう。
ページをめくるその手のように。
9/2/2025, 2:32:17 PM