カメレオンはどう足掻いても透明にはなれない。
もしも透明な世界で捕食者と鉢合わせたならば、彼等はきっと擬態能力をかなぐり捨てて、全力で一矢報いるに違いない。
ゴミ箱から発掘されたハーゲンダッツの新作【鉄観音ミルクティー】の残骸を前に、対峙するパパと私。
ポーカーフェイスだし、心は透明で見えないけれど…
パパの口元の微かな白を–––– 私は見逃さない。
『心は透明で』
年収2.000~2.500万
賞与638万
非課税枠が1.200万
自分自身に上手く献金すれば三割還付
公共交通機関も上手く使えば実質無料
破格の値段で日本中から集めてきた旬の美味いランチを楽しめる。
団体を作って上手くやれば相続税が実質0
パーティーを上手く開催すればお金沢山貰える
視察という名目を上手く使って海外旅行ゲット
税金誤魔化してもごめんなさいして上手くやれば許される
仕事中お昼寝してものらりくらり上手く凌げば結局許される
とりあえず遺憾を上手く使っとけば何とかなる
理想をツラツラと挙げてみたけど、浮世離れし過ぎ(笑)
なろう系のチート主人公みたくなったわ。
まあ、実際にこんな奴等が沢山いたら国が傾くレベルだね。
そもそも国民が黙ってないか…こんな特権階級。
さて、くだらない妄想は止めて残業残業っと。
『理想のあなた』
父が泣いている。
ポロポロと大粒の涙が頬を伝う。
「奈々ちゃん。また来て…ねぁぅぅぅぁぁぁぉ」
父は少女のように泣きじゃくって、語尾をバグらせた。
そして乙女のように口元を押さえて、家の中に消えてった。
…。
アホくさっ!
初孫が可愛いのはわかるけど…
お隣ですやん。
案の定、二階の窓からコッチ見とるし…こっわ!
隠れてるつもりなん?アレで?
ちょ、まだ泣いてんねんけど…
今年、還暦やで?
いや、ありがたいよ?
ありがたいんやけどさ…あんなんやったけか?
ウチのオトン。
厳格な父との別れは唐突に訪れた。
『別れ』
20年前に始まった恋物語は今もまだ続いている…かろうじて。
あの頃のような鮮烈さは微塵も無い。
【起承転】まで終えた物語は、残すところ【結】のみ。
同居人と成り果ててから長い年月が流れた。
こんなはずではなかった。
あの頃思っていた、なりたくない夫婦の形となってしまっていた。
心身共に触れ合うこともなく、ただその場に居続けるだけの存在。
先方からのコンタクトは、全てがお金絡み。
いつもの始まりは「ねえ」だ。
私は「ああ」と返すだけのマシーン。
繋ぎ止めるは【子供】
後10年もの間、私はあと何回「ああ」を繰り返すマシーンでなければならないのだろうか…正直、気が滅入るが、今更人に戻る気はさらさら無い。
それなのに、お互いがチキンレースを仕掛けあっている。
先に【結】を切り出した方が負けな空気感が存在している。
「ねえ」と「ああ」の関係は、もうしばらく続くだろう。
リアルな恋物語の終盤は結構グロかったりする。
『恋物語』
日本刀の研磨(刀磨き)は、専門の職人(研師)が数十種類の砥石を使い分け、約2週間かけて一振りを仕上げるそうだ。
我々は思い出を研磨する。
数十種類の解釈を使い分け、都合の良いストーリーに仕上げる。
甘味成分しか通過できない濾紙にて濾過して抽出し、ソイツをこれでもか!って具合に煮詰めれば…sweet memories爆誕☆
煮詰める時間は月日に比例する。
時が経てば経つほど苦味(bitter)を伴う。
お年を召した方がbittersweetを好むのは、正にそういった理由からなのだと、以前、恋愛心理学の第一人者であるケンブリッジ大学のワトソン教授がTVSHOWで仰られていた。
残念ながら、そんな人物はいない。
適当に書いてごめんなさい。
『sweet memories』