時は流れていく。
自らを慰めたり鼓舞したりして、ほんの少しだけ区切りを打ちたいのに残念ながら彼奴らは一時も待ってくれない。
無粋な奴だ。
鏡を見ると目が浮腫んでいる。
良い小説を読み終えた後は感傷に浸るもの…だとすれば昨夜までの私達の物語は私が思っていたよりも良いモノだったのだろう。
目の周りに温冷マッサージを施し、終焉の痕跡を必死で消し続けた甲斐あって、次第に滞っていた血流が息を吹き返し始めた。
もう大丈夫。
昨日までの血液やらは心臓へと追い出した。
今より、私の物語の新章が始まる。
——— 終わり、また始まる、 ———
3/12/2025, 11:47:20 PM