BERA

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10/29/2024, 5:59:34 PM

白雪姫が毒林檎を口にして
深い眠りにつき王子様のキスで
目覚める話しは良く聞く話し。

でも私が知ってる話しは違う。

魔法の鏡なんてものは無い。

「君は世界一美しいよ」と言うのは
白雪姫にキスをするあの人。

いつからかあの人はこう言う。
「世界一美しい君を白雪姫が見てる。
僕らの未来のために白雪姫を
眠りにつかせよう」

私は毒林檎を作った。

あの人との未来を信じてたから。
愛していたから。

でもあの人は私の前から消えた。

そして聞こえてくる話しでは
あの人が白雪姫にキスをして
結ばれたと。


あの人は白雪姫が欲しくて欲しくて
私の心を犠牲にして手に入れた。

私を後に継がれるヴィランに変えた。

これがもう一つの物語。

こんな話しをしたところで
誰も信じてくれはしないだろう。

10/27/2024, 5:11:32 PM

白いうさぎをずっと追いかけていた時

「紅茶を一杯いかがでしょう?」

シルクハットを被った貴方が声をかけてきた。

甘い香りがするテーブルに案内し
私に暖かい紅茶淹れてくれた。

その紅茶の味はとても美味しくて
その紅茶の香りはずっと忘れられない。

貴方はイカれてるわ。

相手にされない白いうさぎを追って
こんなボロボロの私に暖かい紅茶を
淹れてくれた。

「あたまがおかしい」と
指をさされて笑われる私をお茶会に
誘ってくれた。

もう白いうさぎなんてどうでもいいわ。







10/26/2024, 4:04:23 PM

足音が近づき、ベルが鳴る。

「誰なの?」
「僕だよ」

「誰を愛してるの?」
「君を愛してるよ」
とてもシンプルな愛言葉。

でもいつもシンプルで都合の良い
ただの合言葉。

やっと鍵をかけられたの。
もうドアを開けることはない。

8/21/2024, 2:47:20 PM

昔の夢はあの鳥ように翼を広げて
色々な所に飛んで旅をする事だった。

誰もがそれを優しく笑って
頷いてくれていた。

今は鳥籠の中に居るだけ。

鳥籠の扉が開いたとしても
翼を広げて飛んでいく勇気はもうない。

誰もがそれが当たり前だと言う。

この翼はただの羽。

8/20/2024, 12:26:01 PM

真っ暗な部屋で眠っていたの
ある時光が差し差し込み

貴方の小さな手が私をそっと
包んでくれたわね。

それから毎日貴方は私に
可愛いワンピースを着せてくれて
優しく髪を撫でてくれた。

どこに行くにも私を連れて行ってくれて
色々な景色を見せてくれた。

眠るときは私を抱きしめてくれた。

貴方から貰った名前は最高のプレゼント。

貴方がローズ色の口紅をして、
綺麗な宝石をつけ、自分のお世話をする頃
私の眠る場所は星が見える窓の側

私の役目は終わってしまった。

明日になれば私はここを離れ
貴方に貰った名前では呼ばれなくなる。

明日さよならの前に私との日々を
思い出してくれたら、
最後に名前を呼んでくれないかしら。

その大きな手でそっと
暗い部屋に戻してくれたら嬉しいわ。

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