虹の架け橋🌈 cloudy 僕と一緒に 時計の針が重なって パラレルワールド コーヒーが冷めないうちに 涙の理由 永遠なんて、ないけれど です。
読み直しはしていないので、誤字脱字ありましたら、すみません。
パラレルワールドの意味がわからなくて、違っていたら、合わせて、すみません。
虹の架け橋🌈
「わぁ、すごい」
急に振り返り、感嘆するキミ。何事かと振り返ると
「おぉ」
大きな虹が架かっていた。
「キレイな虹。大きな橋みたいだね」
歩いていた足を止め、キミは虹の写真を撮っている。
「そうだね。虹の架け橋🌈歩いて渡ってみたいね」
「ねー。どこに着くんだろう」
見えている虹の両端が、どこにあるのかはわからない。
「着いた場所が、キレイな所だったらいいな」
「たとえばどんな?」
「うーん…花畑とか」
「いいね。俺は、虹を渡って海外に行けたらすごいだろうな。って思う」
「どこに着くかは行ってみないとわからない。それ、すごく楽しそう」
虹が消えてしまうまで、着いた先がどこがいいか。で盛り上がるのでした。
cloudy
「…今日は曇りか」
カーテンを開けると、どんよりとした雲が、空を覆っていた。
「空が曇っていると、気分が暗くなるのは、何故なんだろう」
外を見ながらため息を吐いていると
「おはよう」
寝室のドアが開く。
「おはよう。どうしたの?」
寝室に入って来たのは僕の妻。普段、朝、寝室に来ることはないのだけれど。
「リビングに来ないから、様子を見に来たのよ」
寝坊してるのかと思ったわ。と微笑むキミの表情が
「cloudyがsunnyになった」
太陽のように、僕の気分を晴れやかに変えていく。
「え?」
「いいや、なんでも」
不思議そうに僕を見るキミに
「キミがいれば、どんな気分でも、sunnyになるな」
僕は微笑む。
「さ、お腹すいたから朝ご飯にしよう」
僕はキミの手を取り、寝室を後にしたのだった。
僕と一緒に
「僕と一緒に、プラネタリウムに行きませんか?」
「え?」
就業後、キミが出てくるのを待ち声をかける。課のみんなと仲が良いキミ。僕と特別仲が良いわけではないが、みんなと同じくらいだと思っている。
「えっと、どうしたの急に?」
イヤそうではないが、突然のことに戸惑っている。という感じだ。ま、逆の立場なら、僕も同じようにするだろう。
「ここのところ、仕事忙しいでしょ。疲れちゃったから息抜きしたくてさ。1人で行くのも淋しいし、一緒にどうかな。って」
「でも…」
と、戸惑うキミに
「…いつもより、元気がないように見えたんだ」
「え?」
「疲れたなぁ。って思ったとき、僕はプラネタリウムに行くんだ。キラキラ輝く星たちをぼんやり眺めてると、癒やされるんだよね。だから、もし、良かったら。だけど…」
誘った理由を告げ、キミの顔をチラチラ見ながら様子を窺っていると
「誘ってくれてありがとう。ご一緒させてもらうね」
キミは微笑む。
「あ、じゃあ行こうか」
オッケーしてもらえるとは思わず、ドギマギしてしまったけれど、思い切って誘ってみて良かった。と思ったのだった。
時計の針が重なって
キミと僕の、時計の針が重なって、動き出すストーリー。
この先何が待っているのか、誰にも、僕たちでさえわからない。
けれど、臆することなく進んで行こう。
キミと僕なら大丈夫。
自信を持って、言えるから。
パラレルワールド
「ねぇねぇ、パラレルワールドって、何?」
読んでいた雑誌から顔を上げ、不思議そうな顔で僕に聞いてくる。
「僕も、詳しくは知らないんだけど、パラレルワールドって、僕たちがいる世界とは別の世界が存在してる。ってことみたい」
「へぇ、そうなんだ。じゃあ、別の世界にはどんな人が住んでるんだろう?」
「パラレルワールドは、この世界と並行して存在している。つまり、住んでるのはこの世界と同じ人たちだね」
「え、そうなの?」
と驚いた顔をしたあと
「同じなら、パラレルワールドって、なくていいんじゃない?」
眉を寄せる。
「ああ、ごめん。説明が下手だった。パラレルワールドは、住んでる人は一緒でも、別の道を選んでるから別世界なんだ」
「別の道?」
「そう。つまり、パラレルワールドの僕は、キミと付き合ってない。ってこと」
と説明すると、キミはホッとしたような顔になる。
「どうしたの?」
「…私、この世界にいて良かったな。って思って。あなたと一緒にいられない。なんて、考えたくもないから」
そう言って、ふふっと笑ったキミを、僕は思い切り抱きしめたのだった。
コーヒーが冷めないうちに
毎朝キミが入れてくれる、コーヒーが冷めないうちに起きないと。と思うんだけど
「ねえ、起きないと遅刻しちゃうよ」
と、僕が起きるまで何度もキミが起こしに来る。それがうれしくて、狸寝入りしているのだった。
涙の理由
キミとテレビを見ていると、キミが静かに涙を流す。
「どうしたの?大丈夫?」
ティッシュを渡しながらそう聞くと
「うん」
ティッシュで目元を拭きながら、キミは答える。
「あの子、幸せになってほしいな。って」
見ていたのは動物番組。捨てられていた子猫に飼い主さんができた。という内容で。
「そうだね」
キミが流す涙の理由。
それは、キミが優しいから。
そして、そんなキミが僕の彼女になってくれて、幸せだな。と思うのだった。
永遠なんて、ないけれど
「うわ~。ぷにぷにふわふわだぁ」
キミの手に触れながら、キミを優しく抱きしめる。
「あ~幸せ」
キミに頬ずりすると、うれしそうに、キミは目を閉じる。
「わかってる。永遠なんて、ないけれど、できるだけ多くの時間、一緒にいようね」
キミの頭にキスすると
「ニャ~」
応えるように、キミは鳴いてくれるのだった。
「おはよう」
「いってきます」
「ただいま」
「おやすみ」
何を送っても、既読がつかないメッセージ。
「まだ、怒ってるんだよな」
些細なことでケンカして。でも大好きだから、仲直りしたい。
「キミの気持ちをわかってあげられなくて、本当にごめん。お願いだから、返事して。キミがいないと、俺は…」
きっと、メッセージで謝るなんて、ダメなんだ。
そう思った俺は、キミの家へと向かうのだった。
空白 君と見上げる月…🌙 センチメンタル・ジャーニー 答えは、まだ 靴紐 もしも世界が終わるなら 秋色 です。
空白
「はぁ」
何もする事がないと、思い出してしまう、キミのこと。
忙しいときは思い出す暇がないから、今は忙しいことが有り難い。
「いつになれば、キミのことを忘れられるかな」
こんなにも好きなのに、離れていってしまったキミを、忘れられずに、未練がましく想ってる。
「早く、キミへの想いを断ち切って、キミで埋まった心を空白にしたい」
空白ができたとき、次の恋に進めそうな気がする。
「ムリに忘れようとするから、忘れられないのかもしれないな」
ゆっくりでいい。前を向こうと思うのだった。
君と見上げる月…🌙
「おいしかったね」
「うん。けど、大分暗くなったね」
君と外食をし、食べ終わって外に出ると、辺りは暗くなっていた。
「前より暗くなるのが早くなったね」
「そうだね。それにこの空だし、余計だよね」
空は一面雲に覆われていて、光は見えない。
「あーあ、残念だなぁ」
空を見上げ、君はため息を吐く。
「どうかしたの?」
「最近忙しくて、ゆっくり夜空を見ることがなかったの。晴れてたら、見れたのになぁ。と思って」
余程残念なのか、君はがっくりと肩を落とす。
「そっかあ。…そうだ。じゃあ次は、海にドライブに行こうか。海の方が、月も星もキレイだと思うし」
そう提案すると
「いいの?行きたい。絶対行こう」
落ち込んでいたのが嘘のように、君の目がぱあっと輝く。
「君と見上げる月…🌙1人で見るよりキレイだろうな」
「そうだね。あなたと一緒に見る方が、輝いて見えるだろうね」
君は俺を見つめ、微笑むのだった。
センチメンタル・ジャーニー
「はぁ~。画像で見るより、遥かにキレイ」
センチメンタル・ジャーニー。という名目で来た、日帰り旅行。男の俺がセンチメンタル・ジャーニー?とも思うけど、来たかったんだよね、ここに。できれば、彼女と一緒にさ。
「けど、フラレちまったもんは、しょうがねぇしな。あんまり本とかでも紹介しないような穴場であるここに、来られなかったことを後悔しやがれ」
写真をたくさん撮り、見せつけるようにSNSにアップする。
「さぁてと。美味いもんでも食って、あいつのことなんか忘れよ」
うーんと伸びをし、美味しいものを食べるため、その場を後にするのだった。
答えは、まだ
どんなにたくさん考えても、答えは、まだ出ない。
「どうするのが最善か。僕にはわからない」
情けないけれど、弱音を吐く僕に
「そんなに深く悩まないで。どんなに悩んでも、なるようにしかならないから」
キミは優しく微笑む。
「それに、あなたには私がいる。だから、1人で悩まないで私を頼ってよ」
その言葉に、僕はハッとする。
「私が聞いても解決にはならないかもしれない。そのときは、あなたと一緒に悩んで、悩んで、悩み抜いて、答えを出せたらいいと思う」
「うん、そうだね」
僕は1人じゃない。一緒に悩んでくれる人がいる。それだけで、重かった心が軽くなったのを感じる。
「じゃあ早速なんだけど…」
と話し出した僕に、キミは笑った。
僕に寄り添い、力になってくれるキミを、これからも大切にしようと思うのだった。
靴紐
ほどけてしまった靴紐を、結ぶためにしゃがみ込む。
「え?あれ?え?え?」
が、紐を結ぼうにも、ぽよんと出っ張ったお腹が邪魔して結びづらい。
「いつの間にこんなに…」
お腹が出たんだろう?
「はぁ…」
何とか靴紐を結んだ僕が、ダイエットを決意したのは言うまでもない。
もしも世界が終わるなら
「もしも世界が終わるなら、何がしたい?」
キミとディナーを楽しんでいると、不意にそう聞かれる。
「どうしたの?急に」
食事の手を止め、キミに視線を合わせると
「この前読んだ雑誌に、アンケートがあってね。あなたならどうするかなぁ。って」
ふふっと笑われる。
「うーん、そうだなぁ。ありきたりだろうけど、美味しいものを食べる。とか、旅行に行く。とか」
そう答えると
「やっぱり、そんな感じだよね」
キミは頷く。
「たださ」
「ん?」
「何をしてもいいんだけど」
「うん」
「キミと一緒。なのは必須だね」
キミに微笑むと
「ありがとう」
キミは頬を紅くするのだった。
秋色
「大分、涼しくなったね」
長引いた残暑が終わり、一気に、秋の気配になる。
「今はまだ半袖1枚で過ごせるけど、薄手の長袖も用意しなきゃな」
歩いているからか、半袖1枚でも、寒くはない。
「そう?私はちょっと寒いかな」
隣を歩くキミは、腕を擦っている。
「でも、少し寒く感じるから、秋だな。って思うけど、周りは全然、秋って感じじゃないよね」
確かに、歩く街の様子、木の葉も緑色だし、秋とは到底言えなそうだ。
「そうだね。でもきっと、景色が秋色になるのはあっという間。今しか感じられない今を、楽しもう」
キミにニコッと笑いかけ、僕はキミの手をつないだのだった。
ひとりきり 台風が過ぎ去って です。
ひとりきり
キミを家に送って、今は家にひとりきり。
さっきまでキミと話して笑って、楽しかった時間が嘘みたいに、シーンと静まり返っている。
「何か見るか」
静けさに耐えられず、テレビをつけてみるけれど、ひとりきりだと、何を見ても面白くない。
「キミと付き合う前は、これが普通だったのにな」
ひとりきりでいることの淋しさ。キミがいなければ、知ることはなかったかもしれない。
「でもきっと、ひとりきりの淋しさを知ることも、キミへの想いを強くするのに必要な時間なのかもしれない」
そう考え、ひとりきりの時間を過ごすのだった。
台風が過ぎ去って
台風が過ぎ去って、気持ちの良い青空が広がっている。
「台風一過。だね」
少し、風の強さは残っているものの、昨日の雨風が嘘のように、太陽がキラキラと輝いている。
「嘘だったら、良かったのになぁ」
風に吹かれて飛んできた、ゴミや葉が庭のあちこちに散らばっている。
「掃除、しなきゃ」
庭の現状にため息を吐きながら、ゴミ拾いを始めたのだった。
フィルター Red,Green,Blue です。
実際に試したわけじゃないので、間違っていたら、すみません。
フィルター
「お疲れさま」
仕事帰り、仲の良い同僚と飲みに来ていた。
「うま~い」
「1週間のストレスと疲れが吹き飛ぶな」
まずはお決まりのビールで喉を潤し、一息つく。
そのあと、いろんなお酒やおつまみを注文し、他愛もない話をだらだらとしていた。
「そういやおまえ、この前気になってる子がいる。って言ってたよな」
いい感じに酔ってきたころ、そんな話題を出される。
「ああ、言ったな」
「その子とはどうなってるんだよ」
ニヤニヤしながら聞かれたが
「…どうもしてないが」
残念ながら何もなく、そう答えると
「は?どうもしてない?」
俺の答えに怪訝な顔をする。そして
「なんだよ、気になるならもっと積極的にいけよ」
呆れた顔をしながらそう言うが
「俺だって、できるなら仲良くなれるようにしたいさ。でもその子、仕事以外で話しかけようとすると、上手く逃げるっていうか、避けられるっていうか…とにかく、話ができないんだ」
俺だって、言われなくてもそうしたい。
「なあ、もしかしてその子って、おまえと同じ部署の子?」
「ん、そうだけど。何で?」
少し、考える素振りを見せたあと
「前に、同じ部署の子が話してたことがあるんだ。違う部署に、彼氏に裏切られて、男性不信とまでは言わないが、男性が苦手な友だちがいるって。これって、もしかしたらその子のことじゃないか」
と話してくれる。
「え…」
「名前は知らないから確定ってわけじゃないけど」
違ってたら悪いな。と言われたけど
「いや、教えてくれてありがとう。俺、そういう人もいる。ってこと、理解してなかったわ」
ため息を吐くと
「じゃあ、その子のこと、諦めるのか?」
と聞かれ
「いや、教えてもらったことを考慮しながら、心のフィルターを外してもらえるように頑張るよ」
俺は微笑むのだった。
Red,Green,Blue
「ねえ、Red,Green,Blueを混ぜると、何色になるか知ってる?」
絵の具3つと筆を手に持ち、キミに聞かれる。
「え?何色だろ」
わからなかった俺が、素直に答えると
「聞くより見た方が早いし、納得できるよね」
ニコッと笑われ、絵の具と筆を渡される。
「確かにそうですね」
その通りだな。と、早速絵の具を…出せる場所がなかったので、自分の手のひらに少しずつ出し混ぜてみると…。
「…黒っぽい」
黒っぽい色になった。
「ああ。出した量によって少し変わるけど、だいたいそんな感じだね」
キミは俺の手を取ると、そっと手を拭く。
「ありがとうございます」
「私たちもさ」
「え?」
「私たちも一緒だと思うんだ。付き合う相手によって、何かしら影響を受ける。だから、相手は選ぶようにして」
俺が、付き合い始めた彼女。ちょっと。と思うところはあっても付き合っているけど、何か、心配なことがあるのかもしれない。
「はい。わかりました」
俺の返事にキミはホッとしたような顔をする。一緒にいるならキミのような人がいいんだろうな。と、俺は思ったのだった。