YOU

Open App

フィルター Red,Green,Blue です。
実際に試したわけじゃないので、間違っていたら、すみません。

フィルター

「お疲れさま」
仕事帰り、仲の良い同僚と飲みに来ていた。
「うま~い」
「1週間のストレスと疲れが吹き飛ぶな」
まずはお決まりのビールで喉を潤し、一息つく。
そのあと、いろんなお酒やおつまみを注文し、他愛もない話をだらだらとしていた。
「そういやおまえ、この前気になってる子がいる。って言ってたよな」
いい感じに酔ってきたころ、そんな話題を出される。
「ああ、言ったな」
「その子とはどうなってるんだよ」
ニヤニヤしながら聞かれたが
「…どうもしてないが」
残念ながら何もなく、そう答えると
「は?どうもしてない?」
俺の答えに怪訝な顔をする。そして
「なんだよ、気になるならもっと積極的にいけよ」
呆れた顔をしながらそう言うが
「俺だって、できるなら仲良くなれるようにしたいさ。でもその子、仕事以外で話しかけようとすると、上手く逃げるっていうか、避けられるっていうか…とにかく、話ができないんだ」
俺だって、言われなくてもそうしたい。
「なあ、もしかしてその子って、おまえと同じ部署の子?」
「ん、そうだけど。何で?」
少し、考える素振りを見せたあと
「前に、同じ部署の子が話してたことがあるんだ。違う部署に、彼氏に裏切られて、男性不信とまでは言わないが、男性が苦手な友だちがいるって。これって、もしかしたらその子のことじゃないか」
と話してくれる。
「え…」
「名前は知らないから確定ってわけじゃないけど」
違ってたら悪いな。と言われたけど
「いや、教えてくれてありがとう。俺、そういう人もいる。ってこと、理解してなかったわ」
ため息を吐くと
「じゃあ、その子のこと、諦めるのか?」
と聞かれ
「いや、教えてもらったことを考慮しながら、心のフィルターを外してもらえるように頑張るよ」
俺は微笑むのだった。


Red,Green,Blue

「ねえ、Red,Green,Blueを混ぜると、何色になるか知ってる?」
絵の具3つと筆を手に持ち、キミに聞かれる。
「え?何色だろ」
わからなかった俺が、素直に答えると
「聞くより見た方が早いし、納得できるよね」
ニコッと笑われ、絵の具と筆を渡される。
「確かにそうですね」
その通りだな。と、早速絵の具を…出せる場所がなかったので、自分の手のひらに少しずつ出し混ぜてみると…。
「…黒っぽい」
黒っぽい色になった。
「ああ。出した量によって少し変わるけど、だいたいそんな感じだね」
キミは俺の手を取ると、そっと手を拭く。
「ありがとうございます」
「私たちもさ」
「え?」
「私たちも一緒だと思うんだ。付き合う相手によって、何かしら影響を受ける。だから、相手は選ぶようにして」
俺が、付き合い始めた彼女。ちょっと。と思うところはあっても付き合っているけど、何か、心配なことがあるのかもしれない。
「はい。わかりました」
俺の返事にキミはホッとしたような顔をする。一緒にいるならキミのような人がいいんだろうな。と、俺は思ったのだった。

9/11/2025, 9:25:56 AM