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9/20/2025, 7:40:21 AM

空白 君と見上げる月…🌙 センチメンタル・ジャーニー 答えは、まだ 靴紐 もしも世界が終わるなら 秋色 です。


空白

「はぁ」
何もする事がないと、思い出してしまう、キミのこと。
忙しいときは思い出す暇がないから、今は忙しいことが有り難い。
「いつになれば、キミのことを忘れられるかな」
こんなにも好きなのに、離れていってしまったキミを、忘れられずに、未練がましく想ってる。
「早く、キミへの想いを断ち切って、キミで埋まった心を空白にしたい」
空白ができたとき、次の恋に進めそうな気がする。
「ムリに忘れようとするから、忘れられないのかもしれないな」
ゆっくりでいい。前を向こうと思うのだった。


君と見上げる月…🌙

「おいしかったね」
「うん。けど、大分暗くなったね」
君と外食をし、食べ終わって外に出ると、辺りは暗くなっていた。
「前より暗くなるのが早くなったね」
「そうだね。それにこの空だし、余計だよね」
空は一面雲に覆われていて、光は見えない。
「あーあ、残念だなぁ」
空を見上げ、君はため息を吐く。
「どうかしたの?」
「最近忙しくて、ゆっくり夜空を見ることがなかったの。晴れてたら、見れたのになぁ。と思って」
余程残念なのか、君はがっくりと肩を落とす。
「そっかあ。…そうだ。じゃあ次は、海にドライブに行こうか。海の方が、月も星もキレイだと思うし」
そう提案すると
「いいの?行きたい。絶対行こう」
落ち込んでいたのが嘘のように、君の目がぱあっと輝く。
「君と見上げる月…🌙1人で見るよりキレイだろうな」
「そうだね。あなたと一緒に見る方が、輝いて見えるだろうね」
君は俺を見つめ、微笑むのだった。


センチメンタル・ジャーニー

「はぁ~。画像で見るより、遥かにキレイ」
センチメンタル・ジャーニー。という名目で来た、日帰り旅行。男の俺がセンチメンタル・ジャーニー?とも思うけど、来たかったんだよね、ここに。できれば、彼女と一緒にさ。
「けど、フラレちまったもんは、しょうがねぇしな。あんまり本とかでも紹介しないような穴場であるここに、来られなかったことを後悔しやがれ」
写真をたくさん撮り、見せつけるようにSNSにアップする。
「さぁてと。美味いもんでも食って、あいつのことなんか忘れよ」
うーんと伸びをし、美味しいものを食べるため、その場を後にするのだった。


答えは、まだ

どんなにたくさん考えても、答えは、まだ出ない。
「どうするのが最善か。僕にはわからない」
情けないけれど、弱音を吐く僕に
「そんなに深く悩まないで。どんなに悩んでも、なるようにしかならないから」
キミは優しく微笑む。
「それに、あなたには私がいる。だから、1人で悩まないで私を頼ってよ」
その言葉に、僕はハッとする。
「私が聞いても解決にはならないかもしれない。そのときは、あなたと一緒に悩んで、悩んで、悩み抜いて、答えを出せたらいいと思う」
「うん、そうだね」
僕は1人じゃない。一緒に悩んでくれる人がいる。それだけで、重かった心が軽くなったのを感じる。
「じゃあ早速なんだけど…」
と話し出した僕に、キミは笑った。
僕に寄り添い、力になってくれるキミを、これからも大切にしようと思うのだった。


靴紐

ほどけてしまった靴紐を、結ぶためにしゃがみ込む。
「え?あれ?え?え?」
が、紐を結ぼうにも、ぽよんと出っ張ったお腹が邪魔して結びづらい。
「いつの間にこんなに…」
お腹が出たんだろう?
「はぁ…」
何とか靴紐を結んだ僕が、ダイエットを決意したのは言うまでもない。


もしも世界が終わるなら

「もしも世界が終わるなら、何がしたい?」
キミとディナーを楽しんでいると、不意にそう聞かれる。
「どうしたの?急に」
食事の手を止め、キミに視線を合わせると
「この前読んだ雑誌に、アンケートがあってね。あなたならどうするかなぁ。って」
ふふっと笑われる。
「うーん、そうだなぁ。ありきたりだろうけど、美味しいものを食べる。とか、旅行に行く。とか」
そう答えると
「やっぱり、そんな感じだよね」
キミは頷く。
「たださ」
「ん?」
「何をしてもいいんだけど」
「うん」
「キミと一緒。なのは必須だね」
キミに微笑むと
「ありがとう」
キミは頬を紅くするのだった。


秋色

「大分、涼しくなったね」
長引いた残暑が終わり、一気に、秋の気配になる。
「今はまだ半袖1枚で過ごせるけど、薄手の長袖も用意しなきゃな」
歩いているからか、半袖1枚でも、寒くはない。
「そう?私はちょっと寒いかな」
隣を歩くキミは、腕を擦っている。
「でも、少し寒く感じるから、秋だな。って思うけど、周りは全然、秋って感じじゃないよね」
確かに、歩く街の様子、木の葉も緑色だし、秋とは到底言えなそうだ。
「そうだね。でもきっと、景色が秋色になるのはあっという間。今しか感じられない今を、楽しもう」
キミにニコッと笑いかけ、僕はキミの手をつないだのだった。

9/13/2025, 8:02:40 AM

ひとりきり 台風が過ぎ去って です。

ひとりきり

キミを家に送って、今は家にひとりきり。
さっきまでキミと話して笑って、楽しかった時間が嘘みたいに、シーンと静まり返っている。
「何か見るか」
静けさに耐えられず、テレビをつけてみるけれど、ひとりきりだと、何を見ても面白くない。
「キミと付き合う前は、これが普通だったのにな」
ひとりきりでいることの淋しさ。キミがいなければ、知ることはなかったかもしれない。
「でもきっと、ひとりきりの淋しさを知ることも、キミへの想いを強くするのに必要な時間なのかもしれない」
そう考え、ひとりきりの時間を過ごすのだった。


台風が過ぎ去って

台風が過ぎ去って、気持ちの良い青空が広がっている。
「台風一過。だね」
少し、風の強さは残っているものの、昨日の雨風が嘘のように、太陽がキラキラと輝いている。
「嘘だったら、良かったのになぁ」
風に吹かれて飛んできた、ゴミや葉が庭のあちこちに散らばっている。
「掃除、しなきゃ」
庭の現状にため息を吐きながら、ゴミ拾いを始めたのだった。

9/11/2025, 9:25:56 AM

フィルター Red,Green,Blue です。
実際に試したわけじゃないので、間違っていたら、すみません。

フィルター

「お疲れさま」
仕事帰り、仲の良い同僚と飲みに来ていた。
「うま~い」
「1週間のストレスと疲れが吹き飛ぶな」
まずはお決まりのビールで喉を潤し、一息つく。
そのあと、いろんなお酒やおつまみを注文し、他愛もない話をだらだらとしていた。
「そういやおまえ、この前気になってる子がいる。って言ってたよな」
いい感じに酔ってきたころ、そんな話題を出される。
「ああ、言ったな」
「その子とはどうなってるんだよ」
ニヤニヤしながら聞かれたが
「…どうもしてないが」
残念ながら何もなく、そう答えると
「は?どうもしてない?」
俺の答えに怪訝な顔をする。そして
「なんだよ、気になるならもっと積極的にいけよ」
呆れた顔をしながらそう言うが
「俺だって、できるなら仲良くなれるようにしたいさ。でもその子、仕事以外で話しかけようとすると、上手く逃げるっていうか、避けられるっていうか…とにかく、話ができないんだ」
俺だって、言われなくてもそうしたい。
「なあ、もしかしてその子って、おまえと同じ部署の子?」
「ん、そうだけど。何で?」
少し、考える素振りを見せたあと
「前に、同じ部署の子が話してたことがあるんだ。違う部署に、彼氏に裏切られて、男性不信とまでは言わないが、男性が苦手な友だちがいるって。これって、もしかしたらその子のことじゃないか」
と話してくれる。
「え…」
「名前は知らないから確定ってわけじゃないけど」
違ってたら悪いな。と言われたけど
「いや、教えてくれてありがとう。俺、そういう人もいる。ってこと、理解してなかったわ」
ため息を吐くと
「じゃあ、その子のこと、諦めるのか?」
と聞かれ
「いや、教えてもらったことを考慮しながら、心のフィルターを外してもらえるように頑張るよ」
俺は微笑むのだった。


Red,Green,Blue

「ねえ、Red,Green,Blueを混ぜると、何色になるか知ってる?」
絵の具3つと筆を手に持ち、キミに聞かれる。
「え?何色だろ」
わからなかった俺が、素直に答えると
「聞くより見た方が早いし、納得できるよね」
ニコッと笑われ、絵の具と筆を渡される。
「確かにそうですね」
その通りだな。と、早速絵の具を…出せる場所がなかったので、自分の手のひらに少しずつ出し混ぜてみると…。
「…黒っぽい」
黒っぽい色になった。
「ああ。出した量によって少し変わるけど、だいたいそんな感じだね」
キミは俺の手を取ると、そっと手を拭く。
「ありがとうございます」
「私たちもさ」
「え?」
「私たちも一緒だと思うんだ。付き合う相手によって、何かしら影響を受ける。だから、相手は選ぶようにして」
俺が、付き合い始めた彼女。ちょっと。と思うところはあっても付き合っているけど、何か、心配なことがあるのかもしれない。
「はい。わかりました」
俺の返事にキミはホッとしたような顔をする。一緒にいるならキミのような人がいいんだろうな。と、俺は思ったのだった。

9/9/2025, 9:09:28 AM

クラスでいつも、1人で過ごしている人がいる。
他のみんなが話していても気にすることなく、本を読んだり、お昼ごはんも1人で食べている。
「あいつって、静かだよなぁ」
「そうだなぁ」
とは言っても、嫌われているわけではない。
「でも、1人でいて、つまらなくないのかな」
僕は昔、友だちができなくて、焦っていたときがある。友だちができない、どうしよう。あの輪に入りたいけど、仲間になれなくて、泣いたこともあった。
今は気の合う友だちがいるから、毎日が楽しい。
でも、彼を見ていると、友だちがいなくてもつまらなそうではないし、むしろ、孤高の存在のようでカッコよく見える。
仲間になれなくて不安だった自分。今なら、みんなには友だちがいるのに自分にはいない。と焦る必要はないし、仲間になれなくても、自分らしく楽しめばいいんだ。と思えるようになったのでした。

9/8/2025, 9:15:01 AM

「あ、強くなってきた」
就業後、会社を出るとき、邪魔になる程度の雨が降っていた。
「強くなるかもしれないし、念の為、置き傘を取ってくるか」
面倒くさかったけれど、傘を取りに戻って正解だった。
「良かった、取りに行って」
傘を広げると、さらに雨は強くなる。
「…通り雨かな」
でき始めた水溜りを避けながら駅へ歩いていると、コンビニの明かりに照らされた、雨と君が見える。
「あ…」
「傘、持ってないの?」
近くまで行くと、君が僕に気付いたのでそう言うと
「はい。小雨だったので油断しました。傘を買おうと思ったら品切れしてて…また小雨になるまで雨宿りさせてもらってます」
あはは。と笑う。
「良かったら、狭いけど入る?」
と誘ってみると
「いえ、申し訳ないですから…」
思った通り断られる。
「でも、いつ弱くなるかわからないし。ね。」
もう一度誘ってみると
「…ありがとうございます」
君はおずおずと傘に入ってくる。
「じゃ、行こうか」
「はい」
気になっている君と並んで歩く。改めて、傘を取りに戻って良かった。と思ったのだった。

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