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5/27/2025, 9:34:27 AM

そっと包み込んで 歌 やさしい雨音 君の名前を呼んだ日 です

そっと包み込んで

何でも話せる仲の良い友達。
それ以上でもそれ以下でもない。
そう思っていたのに、僕の目の前で泣くキミを、抱きしめたい、そっと包み込んで守りたい。と思うのはどうしてだろう…。
自分の気持ちに戸惑いながらも、涙を流すキミを僕は抱きしめたのだった。




キミと買い物をしていると、店内に流れている歌が聞こえる。
「あ、この曲。最近よく聞く曲だわ」
キミがそう言うので、知ってる曲かな?と、歌に耳を傾けると
「ああ、ホントだ。聞いたことある」
僕でも聞いたことがある曲だった。
「この曲、好きなの?」
何気なく聞いてみると、キミは左右に首を振る。
「そうなの?よく聞く曲なんでしょ?」
「うん、よく聞く曲だよ。いろんなとこでかかってるから。でも、自分では聞かない。…この曲、大好きな人との別れの曲だから」
キミは僕から目をそらし、悲しそうな顔をする。
「そっか」
僕はキミの手をそっと取ると、繋いだ手に力を込めたのだった。


やさしい雨音

「はぁ、疲れたな」
時計を見ると、23時を過ぎている。
「しかも…雨かよ」
会社の玄関から外を見れば、パラパラではあるが、雨が降っている。
「まあ、折りたたみがあるからいいけど、駅まで歩くのがなぁ」
面倒くさい。と思いながら、折りたたみ傘を開き、俺は駅へと歩き出した。
「こんな時間なのに、明るいしにぎやかだな」
残業でこんなに遅くなることはなく、知らなかったけれど、この時間でも外は昼間のようだ。
「雨、降ってるかわからないや」
傘に打ち付けているはずの雨。けれど、音は一切聞こえない。
「疲れてるときに、この騒がしさはキツイな」
俺は、駅までの道を裏道から行くことに決め、歩を進めた。すると
「あ、雨の音」
さっきまで聞こえなかった雨の音が聞こえてくる。
「サーサー、パラパラ…」
静かな道に、響く雨の音。
「…何か、癒される」
やさしい雨音を聞きながら、駅までの道を歩いたのだった。


君の名前を呼んだ日

「好きです、付き合ってください」
君と付き合ってしばらくの間、君を苗字で呼んでた。恥ずかしくて。けど、君の名前を呼んだ日。
胸がドキドキしたけど、今まで以上に君のことが大好き。って思えた。
僕の名前を呼んでもらえた日。胸が幸せでいっぱいになった。
大切な君の大切な名前。これからも大切に呼ぼうと思った。

5/23/2025, 9:54:55 AM

Sunrise 昨日と違う私 です

Sunrise

朝を知らせるSunrise。
外が明るくなると、1日の始まりだ。と新鮮な気持ちになる。けれど、始まりは同じようでも、終わりは同じではない。楽しく過ごせるときもあれば、彼女とケンカして落ち込むこともある。同じような毎日でも、同じ日はない。
だからこそ、1日1日を大切にしようと思う。


昨日と違う私

生まれて初めて彼氏ができた。うれしいけれど、ステキな彼に、私が釣り合うのか自信がない。
だから、彼の隣を歩いても彼も私も恥ずかしくないように、キレイになれるように努力しよう。
昨日と違う私を彼に見てもらいたい。もっと好きになってもらいたい。
恋をするって、こんなにも心が揺れるものなんだね。鏡を見ながら、メイクの練習をするのだった。

5/21/2025, 9:38:36 AM

「フゥー」
彼が吐き出したタバコの白い煙が、空に溶ける。
「煙、かからなかった?」
私を気遣ってくれる彼に
「大丈夫だよ」
と答えると、彼はホッとした表情になる。
「大切な人がそばにいるんだし、タバコ、やめられたらいいんだけど…」
そう言う彼に
「そうだね。健康を考えれば」
そう言うと、彼は苦笑いする。
「でもね、困ったことに、タバコを吸ってるあなたの仕草を見てるのが、私は好きなんだよね」
困ったね。と笑えば、彼はハハッと笑う。
「少しずつ。だけど、やめられるように頑張るね」
「うん」
良いことだけれど、いつか見れなくなる仕草。今のうちに堪能しておこう。と思うのだった。

5/20/2025, 9:31:33 AM

遅れましたが、光輝け、暗闇で 手放す勇気 まだ知らない世界 まって どうしても… です

光輝け、暗闇で

「どうかしましたか?暗い顔、してますけど」
よく行くカフェでコーヒーを飲んでいると、仲良くなった店員さんに声をかけられる。
「暗い顔、してますか?」
確かに悩み事はあるけれど、暗い顔をしているとは、自分では思わなかった。
「ええ。それに、ため息吐いてましたから」
「え?」
思いもよらぬ言葉にハッとすると
「コーヒーを飲んでホッと一息。ではなく、ハァってしてましたからね」
苦笑いされ唖然とする。
「大丈夫ですか?良ければ話、聞きますよ」
店員さんの優しい声に促され
「…仕事のことで悩んでて」
僕は口を開いた。
「なるほど、そうなんですね」
一通り話し終えると、店員さんは顎に手を当て何やら考えているような素振りを見せる。そして、ニコッと笑い
「光輝け、暗闇で」
呪文のような言葉を発する。
「は?」
わけが分からずポカンとしていると
「どうしていいかわからず、暗闇の中にいる。って言ってましたよね。けど、そんな暗闇の中にいても、何とかしたい。という光は灯っている。光は暗闇の中ほど、光輝きます。もっともっと光を輝かせてください。きっと、暗闇は光に包まれ、見えなくなりますよ」
そう言って目を細める。
「そう…そうですね」
店員さんの言葉に、沈んでいた気持ちが軽くなる。
「ありがとうございます。やる気が出てきました。コーヒー、おかわりお願いします」
「はい。お待ちください」
店員さんの言葉に励まされ、頑張ろうと思うのだった。


手放す勇気

「いつまでも取っておいてはダメだ。…ダメなんだ」
俺は今、ある本を片手に苦悩していた。
「これがあると、つい頼ってしまうのは目に見えているんだから」
その本があると楽ではあるが、自分で考えることを放棄してしまう。
「今度は、自分の力でクリアするんだ」
その本は、とあるゲームの攻略本。昔、攻略本を見てクリアしたゲームが再販売されることになり、内容を忘れているし、もう一度遊んでみようと購入することにした。そして今度は、攻略本を見ずにクリアを目指そうと決めたんだ。
「手放す勇気を持たないと」
何度も何度もお世話になり、ボロボロになった本。何となく捨てられずにいた本を、俺はそっとゴミ箱に入れたのだった。


まだ知らない世界


「なあ、何がいいと思う?」
親友に
「相談がある」
と居酒屋に呼び出され、相談内容を聞いたのだけれど…。
「それ、何で俺に聞くんだ?」
俺はテーブルに肘をつき、ため息を漏らす。
「ん?オマエなら答えてくれそうかな。って思って」
「あのなぁ…」
彼女への誕生日プレゼント。何がいいか?なんて相談されても、彼女がいたことがない俺に聞くなんて、見当違いもいいとこで…。
「彼女いない歴=年齢の俺には、まだ知らない世界だぞ?聞く相手間違えんなよ」
そう言うと、親友は
「ごめん」
と苦笑したのだった。


まって

「まって、本当にまって。これって夢じゃないよね」
友達と一緒に出かけたショッピングモール。みんな行きたい店がバラバラなので、お昼まで別行動にしよう。ということになり、好きなお店を見ているとき、片思い中の彼を見つけたのだ。
「こ、こんにちは」
「あ、こんにちは。こんなとこで会うなんて偶然だね」
勇気を出して声をかけると、彼はニコッと笑ってくれる。
「1人?」
「うううん。友達と来てるんだけど、お昼まで別行動なの」
「そうなんだ。買い物楽しんでね」
そう言うと、軽く手を挙げ歩き出す。
「…夢みたい」
普段、なかなか話せない彼。今度からは、恥ずかしがらずに話しかけよう。と思うのだった。


どうしても…

「どうしても…。どうしても聞いてほしいことがある」
「…えっと…何?」
俺は今、好きな子を目の前に、想いを伝えようとしていた。
「急に呼び出してごめん。けど、これだけは言わせてください」
目の前にいる彼女は、少しイヤそうに目を伏せている。
「俺は、あなたが好きです」
「え?」
俺の告白に、彼女は伏せていた目をこちらに向ける。
「え?うそ?でも…」
戸惑う彼女に、俺はもう一度
「あの噂はうそで、俺はあなたが好きです」
素直な気持ちを告げる。
「どうして、俺に彼女がいる。なんて噂が広まったのかわからない。けど、あの噂はうそです。そのうそのせいで、本当に好きなあなたに誤解されるのはイヤなんです。あなたが俺を、何とも思っていなくても」
彼女に笑顔を向けると
「話してくれてありがとう。私、諦めなくていいんだ」
彼女はうれしそうに笑ってくれる。
「…それってもしかして」
「はい。私もあなたが好きです」
彼女に迷惑かも。そう思いながら伝えた言葉。言って良かったな。とホッとしたのだった。

5/14/2025, 11:24:56 PM

目に見えない。けれど、いつもそばにいて、必要不可欠な存在。酸素。
僕たちが生きるために必要で、意識しなくても消えることなく支えてくれている。
僕は、キミにとっての酸素のような存在に、なりたい。

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