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5/5/2025, 8:50:06 AM

sweet memories 青い青い すれ違う瞳 です

sweet memories

「私ね、転校することになったの」
公園のブランコに乗り、何でもないことのようにキミはサラッと告げる。
「…それって、いつ?」
平静を装い聞いてみると
「1週間後だよ」
キミは空を見上げ、答えてくれる。
「1週間…後」
「うん。それまでは、いつも通りに過ごしたいから、みんなには内緒ね」
淋しそうに笑うキミに
「…どうして僕には、話してくれたの?」
と聞いてみると
「…あなたには、知っててほしいと思ったから」
そう、言われる。
キミに片思いをしている僕。
キミと過ごせる1週間の間に、キミにも僕にも心に残る、sweet memoriesを作ろうと決意したのだった。

青い青い

どこまでも青い青い空を見上げふと思う。
みんな、元気かな。って。
学校を卒業してから、親しい友だちとしか連絡をとってないし、進んだ道は、みんなバラバラ。
特に、好きだった子がどうしているか、今でも気になっていた。
卒業式で、想いを伝えようか迷ったけど、その子には好きな人がいる。って聞いていたから、困らせたくなくてやめた。それなのに、どうしているか気になるなんて。
せめて、元気でいてほしい。
どこまでも青く広がる空を見上げながら、願うのだった。


すれ違う瞳

キミとすれ違うとき、ホントなら目を見つめたいけれど、僕の想いに気づかれてしまいそうで、見ることができない。
もしかしたらキミも僕を見ているかも。
そんな淡い期待も持っているけれど、やっぱり怖くて見ることができない。
それでも、キミとすれ違うときには
「すれ違う瞳に、僕を映して」
と願ってしまうのだった。

5/2/2025, 7:50:29 AM

軌跡 風と です

軌跡

僕が今まで歩んできた軌跡を振り返ると
楽しかったことより、辛かったことの方が多かったように感じる。
勉強も運動も人並みで、得意なこともなく、ただただ平凡で…。
そんな人生を歩んできた僕だけど、幸せな出来事が起きた。それは、僕を好きだと言ってくれる人が現れたこと。
それまで、暗い道を歩いていたような人生だったけど、一気にバラ色へと変わる。
他人から面白味がない。そう思われていたとしても、真面目に生きてきて良かったな。
心からそう思えるほどの奇跡に出会えたことに、僕は感謝したのだった。


風と

そよそよと吹く風に乗り、桜の花びらが空に舞う。
「キレイだね」
桜の木の下で空を見上げるキミは、うっとりとした表情で、それを眺めていた。
「そうだね」
空を埋めつくすほど空を舞う桜。その圧巻の風景をキミの隣で見ていると
「キャッ」
とキミが声を上げる。
「どうし…」
理由を聞くまでもなく、キミがかぶっていた帽子が、空に舞っているのが視界に入った。
「あ、待って」
帽子を追いかけ、舞う桜の中に飛び込むキミ。必死になって帽子を追う姿が、僕には、桜の花を身にまとい、風と遊ぶ妖精のように見え、胸の鼓動がドキドキと騒ぎ出す。
「捕まえた」
舞った帽子を手に持ち微笑むキミがあまりにもキレイで、思わず僕はスマホを取り出し、シャッターを切ったのだった。

4/30/2025, 9:29:04 AM

家が隣同士の幼なじみ。
一緒に遊ぶことが多かったけど、意地悪されることも多かったから、私は苦手だった。
そんな、一緒に遊ぶけど意地悪する彼を
好きになれない、嫌いになれない
そう思っていたのに、彼に彼女ができた。って知って、胸がズキッとしたのは何でなんだろう?
これからは、一緒に遊ぶことがなくなっちゃうからなのかな。
痛みの意味がわからないまま、私はため息を吐くのだった。

4/29/2025, 9:05:07 AM

どんなに離れていても ふとした瞬間 夜が明けた。 です


どんなに離れていても

半年間、海外での仕事が決まり、キミにそのことを伝えたら
「え、半年間も会えないの」
と泣かれてしまった。
「時差はあるけど毎日連絡するよ」
キミを抱きしめそう言ったけれど、キミの涙は止まらない。
「…俺のこと、こんなにも好きでいてくれてありがとう。俺もキミと離れるの、すごく淋しいし、油断すると泣きそうだよ。でも仕事だから仕方ない。って、割り切ることにした」
俺は抱きしめる腕に力を込め
「半年間、離れてしまうけどこれだけは覚えていて。…どんなに離れていても、キミを愛する気持ちは変わらない。俺にはキミしかいないから」
そう伝えると
「…私もだよ。私にもあなたしかいない」
俺の背中に腕を回し、抱きしめ返してくれる。
淋しい気持ちは変わらないけれど、与えられた試練は越えられる。俺は確信したのだった。


ふとした瞬間

ふとした瞬間思い出す。転校してしまった彼のこと。気がつけば、目で追っていた彼が転校すると知って、目が腫れるくらい泣いて泣いて…。
彼が学校に来る最後の日。全員が手紙を渡すことになっていたから、私は自分の気持ちを書いた。
返事が来ることはなかったけれど、ずっと彼が忘れられなかった。
「どうしたの?」
大きな木の下で、ジュースを買いに行った彼を待っていた私。
「…大きな木を見ると、学校にあった木を思い出すんだよね」
木を見上げ、広げた枝を眺めていると
「…懐かしいな、校庭にあったよね」
私の隣に立ち、彼も木を見上げる。
「僕たちが再会したのも、大きな木の下だったよね」
「うん、そうだったね」
返事は来なかったけど、偶然会えた私たち。
大きな木を見るたび、切ない気持ちを思い出してしまうけれど、その分、彼への想いはこの木のように大きく大きくなっていく。
「行こっか」
「うん」
これからも、忘れられなかった想いと、偶然会えて彼になってくれた彼を大切にしようと思うのだった。


夜が明けた。

夜が明けた。
また今日が始まる。
昨日終わらなかった仕事を、まずは終わらせないと。
そう思いながらベッドから起き上がると、隣で寝息を立てているキミの寝顔が目に入る。
「大変だけど、キミのためにも頑張らないとね」
俺はキミの頬にキスをすると、寝室をあとにしたのだった。

4/26/2025, 8:18:20 AM

巡り逢い 「こっちに恋」「愛にきて」 です

巡り逢い

「あれ?もしかして…」
休日に、少し遠くにあるショッピングモールに出かけたら、声をかけられる。
「ん?」
「やっぱりそうだ。元気だった?」
振り返った先にいたのは、学生時代の同級生。
「うん、元気だよ。そっちは?」
「見ての通り、元気だよ。それにしても、こんなところで会うなんてね」
「ホントだよ。普段なかなか来ないところに、たまたま来ただけだからさ」
「そうなんだ。こういうのって、巡り逢い。っていうのかな」
「そうかもね」
連絡先を知らない人に偶然会う。そう言ってもいいと思う。
「じゃあさ、その巡り逢いにかこつけて、連絡先交換しない?」
「うん、いいよ」
スマホを取り出し連絡先を交換する。
ここで会えた偶然を、偶然で終わらせないぞ。
と思う俺だった。


「こっちに恋」「愛にきて」


「ねえ、明日会えない?」
仕事が終わり、家に帰っている途中、彼女から連絡が入る。
「大丈夫だよ」
そう返すと
「良かった、突然ごめんね。会いたくなっちゃって」
と、かわいい返事が来る。
「うれしいよ、俺も会いたい。んで、どうする?俺がそっちに行く?それとも、こっちに恋よ…なんてな」
冗談っぽく書くと
「…愛にきて」
彼女に、そう書かれる。
「わかった。愛に行くね」
そう送信しながらも、今すぐ会いたくなってしまったのだった。

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