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3/4/2025, 8:49:01 AM

あの日の温もり 芽吹きのとき 誰かしら? ひらり です。
遅れましたが、これからも頑張ります。


あの日の温もり

「ニャー」
僕が家にいると、僕の体にピタリとくっついてくる、我が家のかわいい猫。
家の中を移動するとあとをついてくる、ホントにかわいい子だけれど、僕に懐くまで大変だった。
近づけば逃げて行くし、撫でようとするとシャーと怒る。
それでも仲良くなりたくて、諦めず、根気良く接していたら、だんだん気を許してくれ、ついには、抱っこすることができた。
この先、何度抱っこしたとしても、初めて抱っこできたあの日の温もりは、忘れることはないだろう。


芽吹きのとき

「はぁ〜、ダルい」
日中も寒い、2月中旬。こたつに入り、ダラダラしていると
「ホントに寒いね。もう動きたくないよ」
洗濯物を終えたキミが、こたつに入ってくる。
「早く温かくなってほしいね」
こたつにうつ伏せになり、ため息を吐くと
「そうだね。でも今頃って、草木が芽を出す芽吹きのときでしょ?温かくなるまでもう少しなんじゃない?」
もうちょっとの我慢だね。と、キミは笑う。
「芽吹きのとき…か。じゃあ僕たちも温かくなるときに備えて、今は充電期間。ってことで、のんびりしようか」
「うん、そうしよう」
キミと一緒に、こたつでのんびりと過ごすのだった。


誰かしら?

「ピンポーン」
チャイムが鳴り
「誰かしら?」
と、玄関のドアを開けると
「こんにちは」
訪ねて来たのはお隣さんで。
「いただきものなんですが、お裾分けに」
「ありがとうございます。ごちそうさまです」
有り難く、差し出された箱を受け取り、ドアを閉める。
「何だろう?」
部屋に戻り、受け取った箱を開けてみると
「あ、桜餅」
顔を出したのは、鮮やかなピンク色の桜餅。
「うれしい。早速いただいちゃおう」
箱をテーブルに置き、ウキウキ気分でお茶を用意する。
「ん、美味しい」
お隣さんに春を分けてもらい、笑顔の花が咲いたのでした。


ひらり

ひらりひらりと空を舞う桜の花びら。
そよ風に吹かれ、風と遊んでいるかのように、あちこちに舞っては地上へ降りていく。
「…キレイ」
桜の木を見上げ、風に揺れる木々を見つめる。
「葉桜になってしまう前に、ゆっくり見に来たいな」
仕事に向かう途中、もらった少しの癒し。
今度はゆっくり見に来ると決め、名残惜しい気持ちを風に溶かし、仕事に向かうのだった。

2/28/2025, 8:52:32 AM

記録 と cute! です


記録

「写真撮るの、好きなんだね」
キミとのデート中、スマホで写真を撮っていると、キミにそう言われる。
「ああ、ごめんね。1人にしちゃって」
スマホからキミに視線を移し謝ると
「私もスマホ見てたし大丈夫だよ」
キミが笑ってくれたので、僕はホッと胸を撫で下ろした。
「デートの時、いつもいっぱい写真撮ってるような気がするけど、珍しいものとかあった?」
どこに行っても、僕がスマホを構えているせいだろう。不思議そうな顔をされ
「珍しい。ってものは、特にないかな。じゃあ何で写真を撮っているのかというと…僕はね、記憶力が良くないんだ。だから、少しでもキミとの大切な時間を残しておきたくて、記録として写真を撮っているんだよ」
素直に理由を話すと
「そっか。私との思い出を大切にしてくれてありがとう」
キミに微笑まれる。
「今度、あなたが撮った写真、見せてね」
「うん」
これからも僕は、キミとの大切な時間を、たくさん残そうと思うのだった。


cute!

「ああもう、なんでこんなにcuteなの」
いつでも僕のそばにいて、僕の腕をキュッと掴んだり、首を傾げ、cuteな目で、僕をじっと見る。ああ、まさに、僕の愛するキミには、very cute!という言葉がふさわしい。
「キミという天使を迎えられて、僕は幸せだよ。これからもずっと、そばにいてね」
僕のひざの上で眠る、cuteな子猫を、僕はそっと撫でるのだった。

2/26/2025, 8:29:48 AM

必要な物を取りに、実家に帰ったときのこと。
「えっと…あった、これだ」
探し物はすぐに見つかり、机の引き出しから取り出そうと持ち上げると、その下に、1枚の写真があった。
「…何でこんなところに?」
その写真を手に取り見てみると
「懐かしいな」
写真は、子供の頃の僕で、友達と写ったものだった。
「この写真って、みんなで遊んだときのだよな。自分たちよりも背の高い草の中を、さぁ冒険だ。って進んで行って。でも、見えるのは草だけで、どこをどう進めばいいかわからなくて、右に行ったり左に行ったり、止まって話し合ったり。無事に草の中から出られたときは、ホッとしたんだよな」
写真を見ながら当時を思い出し、思わず苦笑する。
「あ、でもこれって…」
今の僕みたいだ。仕事が上手くいかなくて、どうしたらいいか、先が見えなくて動けずにいる。
「あの時、迷いながらも草の中から出られたように、きっと今も…」
焦って動かなくても大丈夫。友達に相談したり、結論は急がなくてもいいんだ。そんな気がしてくる。
「ここに来たのは偶然じゃないのかも」
心が軽くなったのを感じ、家へと戻るのだった。

2/25/2025, 9:49:45 AM

「おはようございます」
「おはようございます」
部署ですれ違いざま挨拶を交わす。
「今日もステキだな」
その姿は颯爽としていて、笑顔も忘れない。
「よし、頑張ろう」
入社したときからの、僕の憧れの上司。
常に僕たちを気遣い、仕事もできる。
一輪の花のように、気高く美しいあなたの力になれるように、そして、いつか恋人として隣に立てるように、今日も僕は仕事に励むのだった。

2/24/2025, 8:25:59 AM

「もし魔法が使えるなら、どんな魔法がいい?」
魔法がテーマの映画を並んで見ていたら、キミにそう聞かれる。
「うーん、そうだなぁ」
考えてみるけれど、パッとは思いつかない。
「…キミは?どんな魔法がいい?」
思いつかないのでキミに振ってみると
「私は、食べたい料理が出て来る。とか、メイクが一瞬で終わる。とか」
口元を手で押さえ、キミはふふっと笑う。
「なるほどね」
キミの答えを聞き、もう一度考える。
「俺は、職場まで一瞬で移動…かな」
「あ、それもいいね」
にこにこ笑うキミを見て
やっぱり、魔法で。じゃなく、キミを笑顔に、幸せにするのは自分の力で。だよな。
と思うのだった。

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