YOU

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12/24/2024, 7:59:07 AM

「ハァ、ハァ」
俺は今、人混みを縫うように走っている。
「ヤバい。時間過ぎてる」
今日はクリスマスイヴ。デートの待ち合わせに間に合うように会社を出るはずが、遅れてしまい、待ち合わせ場所へ走っていた。
「遅れて、ごめん」
待ち合わせ場所に着くと、すでにキミが待っていた。
「そんなに遅れてないし、気にしなくて大丈夫だよ」
微笑んで許してくれたキミに、俺は一安心した。けれど、
「ありがとう。けど、もう一つ、謝らなきゃいけないことがあって…」
「ん?どうかしたの?」
「ごめん。キミへのプレゼント、用意できなくて」
「え?」
「本当にごめん。あとでになっちゃうけど、必ず用意するから」
キミへのプレゼント。何も用意できなかったことを謝ると
「プレゼントなら、もうもらってるよ」
キミは優しく微笑む。
「え、俺は何も…」
「仕事、忙しかったんでしょ」
「……」
「それを理由に、デートをキャンセルする人もいるだろうに、あなたはそれをしなかった。それどころか、待たせないように。って、走って来てくれた。私のことを大切に想ってくれてる。その気持ちをプレゼントしてもらったよ。ありがとう」
キミは俺の背中に腕を回すと、ギュッと抱きしめてくれたのだった。

12/23/2024, 7:56:40 AM

「ただいま」
玄関を静かに開け中に入ると
「おかえりなさい。遅くまでお疲れさま」
キミが笑顔で迎えてくれる。
「こんな遅い時間まで、起きて待っててくれてありがとう」
時刻はもうすぐ0時。普段なら寝ている時間だ。
「ちょっとうたた寝しちゃったけどね。おかえりって言いたくて」
あはは。と笑うキミに心が温かくなる。
「疲れたでしょ。お風呂に入浴剤を入れてあるから、ゆっくり温まってきて」
「入浴剤?」
今まで入浴剤は入れたことがないのに?
「最近、帰って来る時間が遅いでしょ。だから、少しでも疲れが取れたら。と思って、ゆずの香りの入浴剤、入れてあるから」
「ありがとう」
キミの気遣いと優しさが嬉しくて、明日も仕事を頑張ろうと思えたのだった。

12/22/2024, 8:11:30 AM

どこまでも広がる大空を見上げる。
「僕が見ているこの空は、見方は違えど、どこにいても繋がってるんだよな」
そう思うことで、今は離れているキミへの淋しさを紛らわせる。
「どこにいても、この大空と僕たちの想いは繋がってる。大丈夫」
離れていることで生まれる不安を、大空を見上げることで落ち着かせている、つもりだけれど…。
「キミが見ている空は、どんな風に見えるんだろう」
夜になったら、大空を彩る星たちがキミの目にどう映るか聞いてみよう。
淋しいから。という理由を隠し、キミに電話してみようと思った、

12/21/2024, 7:32:11 AM

電車の発車ベルが鳴ると、キミとの時間が終わる。
「またね」
「うん、気を付けて」
それまで繋いでいた手が離れると、楽しい時間は終わりだよ。と告げるように、扉が閉まる。
「バイバイ」
手を振るキミに、僕も笑顔で振り返す。
けれど、何回やっても、離れる淋しさに慣れることはない。
「…頑張ろう」
今はまだ、キミと一緒に暮らす自信がない。でも、離れなくてすむように、明日からまた仕事に励もうと思った。

12/20/2024, 9:13:16 AM

「あれ?いない」
家に帰ると、いつもいるキミが、今日はいない。
合鍵を渡して
「いつ来てもいいよ」
って言っただけで、来る約束もしてないし、来てほしいとも言ってない。
だから、来ていなくても当たり前なんだろうけれど
「何でいないんだろう」
と思えてしまうほど、寂しさを感じた。
「1人は…」
こんなにも寂しいとは思わなかった。
「…会いたいな」
キミがいない寂しさを抱えながら、目を閉じるのだった。

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