たくさんの星たちが彩る夜空を
「すごい、キレイ」
見上げながら、キミは、はしゃいでいる。
「こんなにキレイな星空、初めて見たよ。連れてきてくれてありがとう」
星たちに負けないくらいの、キミの輝く笑顔に
「キミと結婚したいな」
不意に、言葉がこぼれた。
「え?」
驚いたのは、僕もキミも一緒で。
「不意に出てしまったけれど、キミと結婚したいと思ってる。けど、指輪もないし、こんなプロポーズじゃ…」
僕の言葉に俯くキミに、慌てて言葉を紡ぐと
「…ありがとう。うれしいです」
顔を上げたキミは、ポロポロと涙を流し、微笑んでいた。
忘れたくても忘れられない、忘れちゃいけないキミの美しい姿。
その姿を、僕がずっと守りたい。
結婚した今でも、僕はそう思っている。
やわらかな光に包まれた部屋で
キミはすやすやと眠っている。
パワフルに活動しているのが嘘のように
穏やかな表情で。
「…撫でたら、起きちゃうかな」
困るくらいに僕を振り回すくせに、
寝顔はかわいいなんて…。
ずるいなぁ。って思いながら、キミに手を伸ばすけど、
起こしてしまったら、またやんちゃするのは明白で。
「僕も少し寝るか」
散らかった部屋を片付けて疲れたし、休憩するか。
と、気持ち良さそうに寝ている愛犬の隣で、僕は横になったのだった。
ショッピングモールに入っている、和菓子屋さんでショーケースを見ていると、何やら背中に痛いほどの視線を感じる。
「何だろう?」
と、そっと振り返ると、鋭い眼差しでこちらを見ている男性がいる。
「え?誰?何でこっちを見ているんだろう?」
私、何かした?でも、心当たりはないし…。
心当たりはないものの、何かされても怖いので、買うものをさっさと買って、その場を離れた。
「何だったんだろ?」
鋭い眼差しを向けられていただけで、声を掛けられたりもせず、わけがわからない。
「まだ、いるのかな?」
気になって和菓子屋さんに目を向けると、先ほどの男性が、私が買った物を手にしているのが見えた。
「嬉しそうにしてる…あ、もしかして」
私が買ったのは、1日の個数制限がある物。男性が鋭い眼差しを向けていたのは、私がショーケースにいたために、それがあるのかないのか。が見えず、どいてくれ。って思っていたか、全部買うんじゃねえぞ。って思っていたから。だったりして。
自分の考えを、自分で否定し、クスクス笑いながら、私は家に帰るのだった。
高く高く、どこまでも高く跳べるなら、
夜空で一番輝いている星を
キミにプレゼントしたい。
私なんて。
どうせ、できないし。
と、後ろ向きなキミの心を
眩しい光を放つ星の煌めきで照らし
前向きに明るくしてあげたい。
キミは自分のことを悪く言うけれど、
僕にとってキミは、唯一の光だから。
子供のように、素直に泣くことができたら、
こんなに苦しくなることもないのかな。
悔しい思いをしても、
負けてたまるか。
見返してやる。
って、頑張ってきた。
だけど、泣きたい思いを閉じ込めて、無理矢理に前を向いて、気づいたら心はボロボロで…。
泣きたい気持ちに蓋をして、先に進まず、子供のように泣き疲れるまで泣いたなら、結果は違ったのかな。
涙は心をキレイにしてくれる雫。
男だから、女だから。なんて我慢せず、
ときには子供のように、声を上げて泣くことも必要だな。って、心底そう思う。