ショッピングモールに入っている、和菓子屋さんでショーケースを見ていると、何やら背中に痛いほどの視線を感じる。
「何だろう?」
と、そっと振り返ると、鋭い眼差しでこちらを見ている男性がいる。
「え?誰?何でこっちを見ているんだろう?」
私、何かした?でも、心当たりはないし…。
心当たりはないものの、何かされても怖いので、買うものをさっさと買って、その場を離れた。
「何だったんだろ?」
鋭い眼差しを向けられていただけで、声を掛けられたりもせず、わけがわからない。
「まだ、いるのかな?」
気になって和菓子屋さんに目を向けると、先ほどの男性が、私が買った物を手にしているのが見えた。
「嬉しそうにしてる…あ、もしかして」
私が買ったのは、1日の個数制限がある物。男性が鋭い眼差しを向けていたのは、私がショーケースにいたために、それがあるのかないのか。が見えず、どいてくれ。って思っていたか、全部買うんじゃねえぞ。って思っていたから。だったりして。
自分の考えを、自分で否定し、クスクス笑いながら、私は家に帰るのだった。
高く高く、どこまでも高く跳べるなら、
夜空で一番輝いている星を
キミにプレゼントしたい。
私なんて。
どうせ、できないし。
と、後ろ向きなキミの心を
眩しい光を放つ星の煌めきで照らし
前向きに明るくしてあげたい。
キミは自分のことを悪く言うけれど、
僕にとってキミは、唯一の光だから。
子供のように、素直に泣くことができたら、
こんなに苦しくなることもないのかな。
悔しい思いをしても、
負けてたまるか。
見返してやる。
って、頑張ってきた。
だけど、泣きたい思いを閉じ込めて、無理矢理に前を向いて、気づいたら心はボロボロで…。
泣きたい気持ちに蓋をして、先に進まず、子供のように泣き疲れるまで泣いたなら、結果は違ったのかな。
涙は心をキレイにしてくれる雫。
男だから、女だから。なんて我慢せず、
ときには子供のように、声を上げて泣くことも必要だな。って、心底そう思う。
一日の授業が終わり、勉強から解放される放課後。
友だちと遊んだり、部活をしたり、バイトをしたり、過ごし方は人それぞれだけど、一つ言えることは、その過ごし方は、その時しかできない。ってこと。
何年か後に同じメンバーで遊ぼうにも、来れない人がいたり、くたくたに疲れるまで遊び倒したり、若いからできることができなくなったりする。
何気なく過ごしている放課後。
楽しく過ごしてほしいな。と思います。
「おはよう」
俺に声をかけながら、キミがカーテンをサッと開ける。
「ん?…おはよう」
「今日もいい天気だよ。朝ごはん食べて、どこかに出かけようよ」
ベッドで目が覚めたばかりの俺に、キミは近づくと
「ねえ、行こうよ」
腕を取り、軽く引っ張る。
「わかった、行こうか」
キミのかわいさに負け、体を起こすと
「やった。コーヒー入れとくね」
嬉しそうに寝室を後にする。
「…俺も行くか」
伸びをして、ベッドから降り、リビングに向かうと、コーヒーのいい香りが迎えてくれる。
「ああ、幸せだな」
キミがいて、毎朝起こしてもらって、キミが入れたコーヒーに迎えられる。俺の理想とする光景。
「ああ、けど…」
その理想を手に入れるためには、まず彼女を見つけないと…。
自分の理想とする夢から覚め、俺は強く思うのだった。