神様が舞い降りてきて、こう言った。
誰かと比べることなんて、愚かなことだ。
あなたはあなたのままでいい。
ほら、彼も言っていたでしょう?
好きでするならかまわないけど、ムリしてキレイにならなくてもいい。しなくていい。
幸せそうに笑ってくれる、今のままのキミが俺は好きだから。って。
だから、ね、あなたはあなたのままでいい。
これまでずっと、自分には何もなく、イラストが書けたりする人が羨ましかった。
でも、このアプリに出会って、書くことが楽しくなって、書いてみたら読んでくれる方がいて嬉しくて。
もともと書くことは好きだったけど、きっかけがなかったから、書くテーマを考えてもらえて、書くことができて、下手だけど、自分にも何もないわけじゃない。って思うことができた。
だから、このアプリにも、読んでくださるみなさまにも感謝しかないです。ありがとうございますm(_ _)m
目が覚めると、コーヒーの芳しい香りが鼻をくすぐり
「おはよう。朝食できてるよ」
エプロン姿のキミが、リビングで迎えてくれる。
「今日の目玉焼きは、ちょうど良くできたね」
二人で一緒に食事をし、身支度を整え
「いってらっしゃい」
キミの笑顔に見送られ仕事に向かう。
そんな愛しい人との暮らしを夢見て、俺は寝る前にセットしておいたタイマー機能付きコーヒーメーカーのコーヒーを飲むのだった。
カーテンの隙間から降り注ぐ日差しの眩しさに、目を開けると
「おはよ」
私を覗き込む、大好きな彼の顔が見えた。
「おはようございます。起きてたんですか?」
何度起こしても起きない、寝起きの悪い人なので、彼が私より早く起きているのが意外だった。
「たまたまね。けど、早く起きるのも悪くない」
そう言って、にこにこ笑うので
「どうしてですか?」
と聞いてみれば
「キミの寝顔が見れたから」
恥ずかしいことを言われる。
「恥ずかしいから見ないでください」
布団を引っ張り上げ、顔を隠すと
「いつも俺ばっかり見られてるんだし、たまにはいいでしょ」
布団を引っ剥がされる。
「ダメです。寝顔も寝起きの顔も恥ずかしいです」
慌てて両手で顔を隠すと、彼はそっと私の両手を掴み
「この先、ずっと一緒にいるんだから、慣れてよ。ね」
耳元で囁く。
「え?」
言われた言葉に驚き、力が緩んだ両手を顔から外され
「愛してるよ」
唇にキスが落とされる。
「ごめん、寝起きには少し刺激が強かったかな」
呆然とする私をクスクス笑う彼だけど、あまりにも私が微動だにしないので
「ごめん、大丈夫?」
私の両手を離し、心配そうな顔で、私の頬に触れる。私は待ってましたとばかりに彼に微笑み
「大丈夫だよ。私も愛してる」
彼の首に腕を回すと、彼の唇にキスしたのだった。
「あっついね〜」
手をパタパタと団扇代わりに振りながら、キミはうんざりしたように言う。
「そうだね。でも、これが現実なんだよ」
さっきまでは、涼しいオフィスで仕事をしていたから暑さは忘れていたけれど、今は夏。これが現実なわけで。
「夕方になってもこんなに暑いなんて。何か冷たい物でも…」
と並んで歩いていたキミが、ピタリと足を止めた。
「ん?どうかした?」
こんなところで立ち止まらないで、さっさと家に帰って涼みたい。そう思ったけれど、キミは貼られたポスターを見ているようで、動こうとしない。
「暑いし早く帰ろうよ」
抗議するようにキミの腕を叩くと
「ねえ、これ食べたい」
振り向いたキミはポスターを指差しにっこり笑う。
「え?何を?」
何のことかわからず、キミがいて見えなかったポスターを覗くと
「入道雲かき氷。あります」
そのポスターは、近くの喫茶店のもので、丼くらいの大きさの器に入った、かき氷が写っていた。
「二人で食べると、ちょうど良さそうな大きさじゃない?」
余程食べたいのか、目をキラキラさせ、キミは俺を誘ってくる。
「わかった。食べに行こ」
仕方ないか。とキミの誘いを承諾すると
「やったあ。じゃ、早く行こ」
キミは嬉しそうに笑い、俺の腕を引っ張るのだった。