るあ

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5/22/2024, 11:00:50 AM

【また明日】


「また明日!」

そんな君の明るい声が聞こえたような気がした。
後ろを振り返ってもやっぱり君は居なくて。

余計に僕の哀しみを増幅させたように感じる。
今頃君がいたらどうしていただろう。
僕は、君は、何をしていたのかな。

また明日、か。
君のいない明日は無意味でしかないのに。
今日だって昨日だって。
君がいないと僕は、駄目みたいだ。

ねぇ、聞いてる?
どうして、居なくなっちゃったの。

また明日。
また明日、来ても君はいないんだろ。
ここに来るだけ無駄じゃないか。

あはは。
あははははは。

「また、あしたね」

そう、とある墓地で呟いた青年は不気味な笑いを溢し、去っていった。
                     るあ

4/8/2024, 2:32:57 PM

【これからも、ずっと】


「好きだよ。」

君を見て、口に出した。
好きだ、と伝えるのもこれで何回目だろうか。

「もう、聞き飽きたよ」

そう言って笑う君も好きなんだ。
何度だって、君が離れて行くまでは伝え続けるよ。
それまでは、ずっとね。

きっといつかは君も僕の元から離れて行ってしまうんだろう。
そうなったらどれほど悲しい事だろうか。
君と居ることが生き甲斐の僕は、どうなってしまうのだろうか。

君が中心なんだ。
心の支えなんだ。
どうか、どうか、居なくならないで。

そう願う。
でも神様なんていないからさ、叶わないんだよ。
どれだけ願ったって、どれだけ祈ったって。

だから言葉で君を縛り付ける。
少しくらいは離れにくくなるでしょ?

これからも、ずっと。
そばにいてよ。なんてね。

これからも、ずっと。
大好きだよ。ずぅっと、ね。
                    るあ

4/6/2024, 9:46:38 AM

【星空の下で】


あぁ、星が綺麗だ。
君は何処に居るんだろう。

僕はここにいるんだ、と。
君に見つけてもらいたくって、目一杯腕を広げた。
大きく息を吸い込むと、夜の少し冷たい空気が肺一杯に満たされる。

あぁ、君は何処に居るんだろう。

君の居場所が分かったなら、今すぐにでも駆け付けて強く抱き締めたい。
君だって、そうでしょ?

僕は寂しくて仕方無いよ。
ねぇ、そこにいるんでしょ?

輝く星を見詰めながら考える。
僕を置いていくなんて。許さないから。

ねぇ、僕もそっちに行っても良いかな。
この大きな星空の下じゃ、君が何処に居るのか分かんないや。
きっと、そこに行けば分かるよね。

あぁ、お星さま、お星さま。
そっちに行っても良いですか?

広い星空の下で。
輝く星に問いかけた。
                   るあ

4/2/2024, 8:04:45 AM

【エイプリルフール】


「ねぇ、好き、付き合って?」

混乱した。
だがハッと気付く。
今日は4月1日、すなわちエイプリルフールだ。
つまり、先程の発言も嘘だろう。

「嫌です」

勘違い野郎になるつもりはないので丁重にお断りする。
いくら幼馴染みとはいえ、おふざけが過ぎる。
もし、僕がお前のこと好きだったらどうすんだよ。
本当は、好き......なんて、言うわけ無いけど。
要らぬ期待は生まない方が良いと思うな。

「ちぇ、釣れないのー」

プクっと頬を膨らませる君は、悔しいほどに可愛いかった。

全部本当だったら良かったのに。
エイプリルフールなんて嫌いだ。
                     るあ

3/19/2024, 4:18:30 PM

【胸が高鳴る】


トクン。
それはきっと恋の始まりだった。

いつものように君に"おはよう"と告げて、席に戻るはずだった。
でも、そうはいかなかったんだ。
君が僕に、にっこり笑っておはようと言ったから。

その瞬間だった。
トクン、と胸が一際高く鳴って、心臓がグッと握られたように苦しくなった。
息が出来ない、とかそんな苦しさじゃなくって、とても言葉では表せない感覚だった。

些細なことだったかもしれない。
でもその些細なことが僕にとっては大きなきっかけだった。

トクン。また、トクン。
君と目が合った。
喋りかけられた。
名前を呼ばれた。
友達になった。
一緒に出かけた。
告白した。
付き合った。

君との思い出が増える度に君にときめいて。

胸が高鳴る感覚を教えてくれたのは、君だった。
                     るあ

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