【胸が高鳴る】
トクン。
それはきっと恋の始まりだった。
いつものように君に"おはよう"と告げて、席に戻るはずだった。
でも、そうはいかなかったんだ。
君が僕に、にっこり笑っておはようと言ったから。
その瞬間だった。
トクン、と胸が一際高く鳴って、心臓がグッと握られたように苦しくなった。
息が出来ない、とかそんな苦しさじゃなくって、とても言葉では表せない感覚だった。
些細なことだったかもしれない。
でもその些細なことが僕にとっては大きなきっかけだった。
トクン。また、トクン。
君と目が合った。
喋りかけられた。
名前を呼ばれた。
友達になった。
一緒に出かけた。
告白した。
付き合った。
君との思い出が増える度に君にときめいて。
胸が高鳴る感覚を教えてくれたのは、君だった。
るあ
3/19/2024, 4:18:30 PM