僕ね大家族で育ったから、反動で一人暮らしを始めた時の解放感が強烈で、もう誰かと暮らすのは無理だと思ってた。
内緒や秘密どころか、時間も場所も窮屈な隙間に捻じ込まれて、ごちゃ混ぜで境目は曖昧だったんだ。
この部屋の全てが自分だけのものってラインがくっきり引かれた時の安堵が忘れられない。
今、パジャマのまま無造作に頬杖をついて顔をむにゅっとさせてる君を見つめてる。
「コーヒーでいい?」
「イチゴミルクのやつがいい」
当たり前に注文をつける君が、むにゅっとしたまま僕に笑う。
大きなあくびもうちじゃ隠さない君。
そのくせ風呂上がりに裸でうろちょろしたりは絶対にしない。
君の秘密のハードルは高くて低い。
この屋根の下ではNo secretと唇に人差し指を立てる君の矛盾が滑り込む。
ああ、君と同じ鍵で。
「秘密の場所」「嗚呼」
ドラちゃんの4次元ポケット
ドラゴンボールのホイポイカプセル
どっちがいいかな
どっちも容量大きくて、持ち運びに重さは考えなくてもいいのは魅力的
でも自分は出入りできたっけ?
カグラバチの伯理の蔵の能力は
自分も安全に出入りできて
秘密っぽい
現実はネットカフェ位だな
立って半畳寝て一畳のあの空間ってなかなか落ち着く
「秘密の場所」
昔、歩いていけるけど少し距離のある小さな公園に、立派な藤の木が二本ありました。
国道沿いにあったので、車の流れにのってかなり遠くまで、藤の花のあのゴージャスな香りが届いて、花の咲く時期には最寄のコンビニに行く時の信号待ちですら幸せな気分になれたものです。
公園が改築?される時に、新しい鉄製の藤棚と共に移植されたのですが、次の年花は咲かず、その次の年も咲かなかったので、藤の木だけが撤去されました。
おそらく藤の木が茂って作られる日除を前提にしたベンチは休憩所には向いてない。
もうちょっとなんとかならなかったのかなぁと今でも残念に思う事です。
「風が運ぶもの」
理想は手書きだ。
最近もオレンズだクルトガだと金属軸の少しお高めのシャーペン買ったりしてる。
手書きと、スマホポチポチと、キーボード打つのって、それぞれ微妙に文章変わるの不思議だなあ。
ほぼ手書きだった頃のルーズリーフの隅に残ってるメモに「先生、質問」とあります。
つけっぱなしのテレビニュースで、アナウンサーが急に、先生質問、って言ったんです。
うん?ってTV画面に注目しても、専門家に話を聞いてるでもなく、アナウンサーがニュース読んでるだけでした。
ポンコツなのは耳か頭かわかりませんが、もう一回なんて言ったのかスキャンし直しました。
正しくは
「つい先日も」だったようです。
こんなくだらない事ですが、小さく書き留めておける手書きがやっぱり好きだ。
「記録」
一輪の花かー。
一輪車のように転がる花なら一度だけ見た事がある。
風のすごく強い日だった。
多分朝顔の花びらが落ちたものが、風をはらんでまるく広がってコロコロと転がってた。
とても可愛らしい光景だった。
BGMに子(仔・小)犬のワルツがかかってそうなファンシーさ。
風が止むと、へにゃっとくたびれるのに、風が吹くと元気に転がり出す。
種なら遠くまで運んでるんだろうけど、花びらが遠くまで飛ばされる意味ってなんだろう。
ちょっと良いもの見た気がするからまあいいか。
「一輪の花」