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今年はなかなか当たりが良いです。
去年は何百と読んだ中で、あとで買おうとリストに入れた物は10冊位、大抵は一度読んだはずなのに記憶に残ってないので驚いた。
タイトルや表紙で面白そうと思ってクリックすると、何年何月何日に利用したよと表示されて
「マジか。覚えてない」と何度も引っかかる。
あらすじ読んでも思い出せないんだよ。
プロでもコレだもの、人の記憶に残るのは本当に難しいものなんだな。
そしてそうやって出会った作家さんの別作品も合えばがっつりハマって作家買いになるけど、二作目で地雷踏んで苦手意識で次に踏み出せない作家さんもできた。人気作家さんなんだよ。
初めて読んだ話みたいなかわいい系の話なら大好きなんだけど!……地雷がおっかない。
良くも悪くも誰かの中に強く残るものを作るのは凄い事なんだなと改めて感じます。
そしてKindleの仕様で、ブラウザで読んでいるとちょっとした弾みで横読みが勝手に縦読みに切り替わるとき、とてもイラっときます。
ページをめくるため親指でスライドする時、どうしても付け根を支点に弧を描く動きになるので、横移動より縦移動の距離が長くなると、縦読みに判定されてしまう?
一度縦読みになると、真横にスライドしても横読みに戻らなくなるので、一旦ブラウザ閉じないといけなくなるのでとても面倒なのです。
「ページをめくる」
深呼吸して潜り込む水面下
基本は一人用
二人ではいきどまり
窒息気味の水中迷路
一つのシュノーケル
駅でさよなら
どこへでも行ける場所で
あなたの背中を見送るだけの行き止まり
引き返しやっと落ち着く息止まり
「傘の中の秘密」
君に負け続けられる日々はしあわせだったな
誰もが納得してくれた
たったひと目でわかったから
言い訳なんていらなかった
君は大抵一番で
大きく差をあけて自分は二番目
なんて思い上がっていたんだ
君がいなければもしかして
君がいなければ
君がいなければ、しかして
間違い探しみたいな比較対象を並べて
明るい暗い軽い重い大きい小さい
ほんとうにそんな事?
一番を取れなかった言い訳
一番に寄せろって、超える気ないの?
こんな事なら君に
わかりやすく叩きつぶされて終わりたかった
君みたいになりたかった
「勝ち負けなんて」
くもりを指す言葉で一番素敵だなあと思う言葉は、「あまもよい」です。
雨催い。
そしてなかなか使いどころが無い。
使いこなせないというか、好きすぎて使えない。
好きな作家さんの中でも特に好きな作品に使われていて、その気持ちも乗っかっているので余計にです。
ひらがなだとまるく、声に出すとやわい。
催し、催すは割と能動的で強い印象なのに、もよい、もやいだとのほほんと感じるのはなぜだろう。
「雲り」
僕ね大家族で育ったから、反動で一人暮らしを始めた時の解放感が強烈で、もう誰かと暮らすのは無理だと思ってた。
内緒や秘密どころか、時間も場所も窮屈な隙間に捻じ込まれて、ごちゃ混ぜで境目は曖昧だったんだ。
この部屋の全てが自分だけのものってラインがくっきり引かれた時の安堵が忘れられない。
今、パジャマのまま無造作に頬杖をついて顔をむにゅっとさせてる君を見つめてる。
「コーヒーでいい?」
「イチゴミルクのやつがいい」
当たり前に注文をつける君が、むにゅっとしたまま僕に笑う。
大きなあくびもうちじゃ隠さない君。
そのくせ風呂上がりに裸でうろちょろしたりは絶対にしない。
君の秘密のハードルは高くて低い。
この屋根の下ではNo secretと唇に人差し指を立てる君の矛盾が滑り込む。
ああ、君と同じ鍵で。
「秘密の場所」「嗚呼」