「ぬるい炭酸と無口な君」
『それでね、友達がさ!』
いつものようにマシンガントークを放つ。
目の前の彼は、優しく微笑みながら静かに話を
聞いてくれる。
私がよく喋るせいで、デートのお供にと2人で買う炭酸は彼の分だけが減っていて。
私の手には、買った時とたいして重さの変わらないペットボトルが、たくさん水滴をつけていた。
ぬるいと美味しくないでしょ、と彼は言う。
そんなことないんだなあ、実は。
無口な君の隣で飲むぬるい炭酸、結構おいしいんだよ。
癖になる。もう、君から離れられない。
「タイミング」
あー今日は席遠いな、
うわ1つ前の角を曲がっとけばすれ違えたな、
バスの時間ほんと被んないな〜、
毎日毎日そんなことばかりで何も起きていないのに
振られたのかと錯覚する。
狙いすぎて会えていないのではと流石に思うが、
授業もろくに被ってないのに能天気に過ごしていて会える訳がないので、どうにもできない。
唯一あなたと授業が被るのは、火曜日。
毎週毎週もしかしてと思い丁寧に顔面塗装しているが、
鳴かず飛ばずでもう前期が終わろうとしていた。
これだけやって上手くいかないのだから、もう、彼とは縁がないのかもしれないと期待より諦めが強くなる。
ぼけっとしていたら授業が終わっていて、リュックに荷物を詰めて教室を出た。すると、
「_ちゃん」
心地の良い声がして、振り向いた。
ぶら下がったキーホルダーがしゃらんと鳴った。
タイミングというのは、思ってもない時に訪れるのだな、と改めて心から思った。
「もしも過去へと行けるなら」
もしも過去へと行けるなら、なんてどれだけ
思いを馳せただろうか
最近で一番の後悔は、BeRealしているのに
言いそびれたこと
もう一度聞かれたらしてるよって答えよう、と思うけど
そんな日が訪れることなく半年近く経ってしまった
タイミングを逃し続けている
というよりは、自ら逃しに行っているのかもしれない
言おうと思えば、タイミングなんていくらでもあるし
作れるのに
素直になれる人間が得をするようにできている
この世界は、あまりにも眩しすぎる
そして、こういうものが少しずつ積み重なりもっと大きな後悔をすることになるであろう未来の自分に、今は怯えることしかできないでいる
「True Love」
貴方は真実の愛を信じますか?
そもそも、何を真実の愛とするのでしょう。
定義はなんでしょうか。
そんなの分からない。分からないけど。
それでも私は貴方と過ごした時間は特別だった。
嘘じゃないよ。ねえ、本気だよ。
それは真実の愛だと世界中の誰にも言われなくても、
私は信じ続ける。
本物以外の何物でもないと。
「星を追いかけて」
夜空に光る一番星は、私の唯一の光。希望。
そう思ってずっとずっと追いかけてきた。
早く追いつきたくて、私だけの光になって欲しくて。
でも、
走っても走っても貴方の隣に並ぶことはできなかった。
急に貴方が眩しくなって目を逸らした瞬間、暗闇の中に感じた温かさを私は忘れることはないだろう。
一番星は、確かに美しい。
だが、周りに咲きほこる花も、優しく綺麗だ。
私は地上で、幸せに生きている。