「タイミング」
あー今日は席遠いな、
うわ1つ前の角を曲がっとけばすれ違えたな、
バスの時間ほんと被んないな〜、
毎日毎日そんなことばかりで何も起きていないのに
振られたのかと錯覚する。
狙いすぎて会えていないのではと流石に思うが、
授業もろくに被ってないのに能天気に過ごしていて会える訳がないので、どうにもできない。
唯一あなたと授業が被るのは、火曜日。
毎週毎週もしかしてと思い丁寧に顔面塗装しているが、
鳴かず飛ばずでもう前期が終わろうとしていた。
これだけやって上手くいかないのだから、もう、彼とは縁がないのかもしれないと期待より諦めが強くなる。
ぼけっとしていたら授業が終わっていて、リュックに荷物を詰めて教室を出た。すると、
「_ちゃん」
心地の良い声がして、振り向いた。
ぶら下がったキーホルダーがしゃらんと鳴った。
タイミングというのは、思ってもない時に訪れるのだな、と改めて心から思った。
7/29/2025, 11:22:55 AM